My sweet mistake
一辺挫折したのなら、その分新しく得た考えや価値観があれば良い。なんて欲深い話だよな。
挫折は結局挫折で、失敗から学ぶことが必ずしもあるわけじゃないし、それなら割と皆前向きに生きられる。
引きずるものはやっぱり引きずる。
それでもちょっとは生活に楽しみを見つけながら生きられているということは、少しは気持ちの蘇生が出来たんだろうな、と思う。
誰かと作った心が抜けて空いた穴は、誰かの心で埋めなければ結局埋まらないので、そこは放置したままだ。
どれだけの時間が経ったか自分でも実感出来ないが、しばらくの間自分の感じていること、考えている事を文字に起こすことから離れていた。
その間にあったことといえば、簡潔に話せば恋人と別れ、ついでに本当に都合が良かったのだが仕事の都合で自分とは全く縁もゆかりもない街に移住し、今に至るという通算何回目かも分からん転落人生をまた歩む事になったというのが一連の流れ。
全部変えてしまわなければならない。そう思った。
これまでの人生で形作られたどうしようもない癖だとか、思考だとか、持っているものをどんどん捨てて、一から自分を作り直した。諦めざるを得なかった選択肢、眼を背けていた選択肢吟味し、バケットリストを作ってやりたいことをどんどん進め、趣味も増やした。ひと段落して小さな生活にも段々と慣れた。
残念な事は歳食っちゃったこと。
見ないように見ないようにと細心の注意を心がけていても、世の中のエモいコンテンツはブッ刺さるし、年若い子たちのキラッキラの恋愛事情はお耳に優しい事はない。
"おっさんだから"とか"全然モテねぇから"とかそんなんで予防線張ってるのが関の山。そんな演技出来てるだけで誉めていただきたいところだが、30代独身独居男性も残念ながらリングに立たされているので容赦ない。若さ故の無敵感に日々マウント取られまくる日々だ。
やっと掴んだ穏やかな日々、人生もキャリアも上がりでもなんでもないけど過不足ない日常。
足りないのは好きな物を増やす事。
そうして書く事に舞い戻る。そんなんで良いじゃん。十分充実してるじゃん。自己肯定感を上げる為にこんな事をするなんて若い頃は全く考えもしなかったけど、そうでもしなけりゃもっと落ちる。
大体のことはなんでも70点は取れるようになった。けど120点は取れなかった。天才でも鬼才でもない、朽ちて消えればそれで終わり。
だからまた記そう。ゆっくり、着実に。小さくなって、なんの変哲もなくなったモブ1として。
それが自分の小さな挫折。