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初投稿なのでイメージのいい記事を考えてみる。

イメージのいい文章の定番と言えば子供なので今日は赤ちゃんの話。

親が子供が出来た時に思うのはきっと無事に生まれてきてくれってことだと思う。無事に生まれると、次は進学・結婚相手や孫のことなど親は子供の明るい将来を想像することで幸せになる。

でもね、世の中にはホントに子供がただ元気でいるだけで、幸せって親もいるんだ。

中学生のころに好きだった子に子供が出来た時の話。20年前の秋のこと。僕がその子を好きなことは有名な話だったけど、うまくかわされて単に気の合う『友達』になってたりした。

別の高校に行ってお互い生活も友達も変わってきて、僕にも彼女ができたりして。。。
でも間違いなく僕は、人生の中で一番その子が好きだったと思う。

本当に大好きだったなぁ(笑)

中学を卒業してから10年。何度かみんなで会ったりして、その子の結婚式の二次会にも呼ばれたけど、その頃からケツの穴の小さい僕は嫉妬からか行かなかった。

それからすぐに子供が生まれたと聞いた。さすがに今度はちゃんと会ってお祝いを言おうと友達に連絡をしたが、誰も一緒に行かないので、一人で花を持って病院に行った。

久々に見た彼女は・・・少しふっくらしてたけど、どっか疲れてた。

でも僕を見た瞬間、 僕の大好きだったとびっきりの笑顔を見せて笑ってくれたんだ。

『オメデトウ!よかったね!オマエがママかぁ、想像出来ないなぁ』と軽口を叩く僕に今度はとびっきり過ぎる笑顔で『ありがとう!たけうちが初めてだよ。知り合いでおめでとう!って言ってくれたの』

それを聞いて許されるならその子を抱きしめたいって思った。本当に本当に辛かったんだな。。。その後、早速子供を見に行った。

彼女に連れられた部屋はガラス戸張りで、まるで異次元空間との接点を全て断つバリケードみたいだった。
そのバリケードから、その子に抱えられて赤ちゃんは出てきた。

そう、ダウン症の特徴である思い切り釣りあがった目をした赤ちゃんを抱えて・・・

普通、赤ちゃんを抱いているお母さんを見ると、知らない人でも『おめでとう!かわいい赤ちゃんねー』なんて言葉を掛けられる。そう赤ちゃんの前では不思議とみんな笑顔になれる。

でもね、その子の抱えてる赤ちゃんを見ると『大変だけど、頑張って!』って言われるんだって。
『たけうちも私達が気の毒だって思うでしょ?でも全然気の毒じゃないよ。私たちがこの子は望んで生んだ子なんだから。本当にかわいくて仕方ないよ。この子にも絶対に生まれた事を後悔させない。私が世界のどの母親よりも子供を愛してあげるんだから。』

僕は詳しく知らないけど、羊水検査の段階でダウン症の確率ってある程度分かるんだって。で、産む前に分かってたらしいんだ。。。ほぼダウン症で産まれてくるってこと。。。

でも僕が嫉妬した旦那さんは、これから先の苦労なんかよりも、今ある愛の形を残そうとして産むことを望んだ。

一生を懸けて今ある愛の形≪嫁と嫁との間に出来た子供≫を守ろうとしたんだ。
守ろうとしたけど。。。子供が生まれる前に持病の糖尿病が悪化して死んだ。

『たけうちが心配しなくてもダイジョウブ!私がモテるの知ってるでしょ?いざとなったら男を金持ちの騙して金持ちになってやるんだから』

俺が騙されてやろうかって、僕にとっては一大決心の言葉を言うと

『たけうちは一度騙したからもういいや(笑)。騙すならもっとお金持ちを狙うよ。それに私は人の物を奪う趣味はないよ』

・・・確かに当時付き合っていた子はいたけど、もしいなかったら付き合ってもらえてたかは未確認にしときます。

それから5年、久々に中学の仲間内で再開したんだ。

彼女は再婚して新しい子供も産んでいた。

再婚相手は、通っていた病院の(6つも年下の)看護士だそーだ。

ここでもその子はとびっきりの笑顔で僕に言う

『この中できっと私が一番幸せなんだ♪世界一好きだった人が、世界一の息子を作ってくれて、世界一の息子が、世界一私を愛してくれる人に出遭わせてくれて、世界一愛してくれている人が、世界一私と子供たちをきっと守ってくれる。ほら、たけうちが心配しなくても私ってダイジョウブでしょ?すっごく幸せなんだから♪』

『実はね、プロポーズを受けるときに言えなかったことを二人目の子が出来た時に頼んだんだ。上の子の事もちゃんと愛してあげてねって。。。』なんて言われたの?って聞くと彼女は笑顔で『なんでそんなこというの?両方とも僕と君の子供でしょ?だって。私ってすごく愛されてるでしょ?』

チキショウ!やられた!綺麗な年上のお姉さんに騙された若造だと思ったのになかなかやるなぁ。。。

旦那がこれじゃ僕が がずっと『楽しい話し相手』から昇格しない訳だ。。。

=追記(ブログ時代にはなかったものです)=

一昨年、上の子供は亡くなりました。ダウン症の子は少し寿命が短いのです。

でもね、君は幸せだよ。少し他の人より早く人生を終わらせてしまったけど、君は世界一の愛情をいっぱいいっぱいもらったはずなんだ。僕は君の笑顔しか思い出せないくらい、君はいつも笑っていたよ。

僕には一滴も君のお母さんの愛情は注がれなかったけど、その分も君は愛されていたんだよ。

だから今まで愛情をもらった分、これからはお母さんとお父さんと妹を見守ってあげなきゃだね。天国のお父さんと一緒に。

再開の時に見せてくれた一枚の写真。

そこには4つの笑顔と世界一の幸せが綺麗に写っていました。