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#51 Excelで生徒指導記録をスマート管理!―手軽な入力&リアルタイム共有で、迅速な対応を実現!―
1 はじめに
生徒指導記録は、児童・生徒の指導履歴を残し、適切な対応を行うために欠かせないものです。しかし、従来の記録方法では「手書き管理の手間」「複数ファイルでの分散管理」「必要なデータの検索に時間がかかる」「入力の煩雑さ」「スムーズな共有の難しさ」など、多くの課題がありました。
今回紹介するExcelシートは、これらの課題をスマートに解決します。シンプルかつ効率的な入力方法と、自動整理機能を兼ね備え、記録の負担を最小限に抑えながら、リアルタイムで状況を把握し、迅速な対応を可能にします。これにより、管理の手間を削減し、より本質的な指導に集中できる環境を整えます。
2 活用方法
2.1 「初期設定&集計」シートで一目で状況を把握!
このシートでは、各学年・組ごとの月ごとの入力件数を瞬時に確認できます。これにより、どの学級でどのような指導が行われているかを可視化し、指導方針の見直しにも活用できます。データが自動で整理されるため、手作業での集計作業が不要になります(図1)。
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2.2 「入力シート」でスキマ時間にラクラク入力!
「入力シート」は、日付(発生日)順を気にせず手が空いたときにすぐ記録できる仕組みです。忙しい現場でも負担なく入力でき、蓄積されたデータは「全校」「各学年」シートで自動的に整理されます(図2)。
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2.3 「全校」「各学年」シートでスピーディーに情報共有!
「全校」および「各学年」のシートでは、記録が発生日順に自動整理されて表示されます。
全校シートでは、全学年の指導記録が時系列で整列され、一目で全体の状況を把握できます(図3)。
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各学年シートでは、該当学年の記録が自動で抽出・反映され、スムーズに確認することが可能です(図4)。
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本校ではこのデータを活用し、教員間で生徒指導に関する事案を共有する場を設けています。記録が文書として残ることで、口頭での報告に比べて内容が明確になり、正確に把握することができます。
また、常に最新の状況を確認できるため、指導の抜け漏れを防ぎ、より迅速かつ的確な対応につなげることが可能になります。
3 入力手順
入力の流れ
「入力シート」に生徒指導の内容を入力。
必要な項目を入力する。日付(発生日)順を気にせず記録可能。
記録データは自動的に「全校」および「各学年」シートへ反映され、日付順に整理。
集計の確認
「初期設定&集計」シートで各学年・組ごとの記録件数をチェック。
指導の傾向や頻度を分析し、適切な対応を検討。
4 おわりに
このExcelシートを導入することで、生徒指導記録の管理が劇的に効率化されます。手軽な入力と自動整理によって、これまでの手間を大幅に削減し、リアルタイムでの状況把握とスピーディーな情報共有が可能になります。
また、生徒指導記録は印刷してファイルに閉じることで、年度ごとの記録を紙媒体として適切に保管できます。これにより、必要な情報を整理しやすくなり、次年度の担任や関係者がスムーズに指導内容を把握できるため、継続的かつ的確な指導につながります。加えて、生徒指導記録には個人情報が含まれるため、年度の切り替え時にデータを整理し、不要な情報を適切に削除することで、情報漏洩のリスクを抑え、安全性の確保にもつながります。
本校は10学級のため、今回はシート数を10に設定しました。学級数が多い学校では、低学年・中学年・高学年でファイルを分けて使用するのもおすすめです。もし、シート数やその他の機能に関してご要望があれば、ぜひコメントをお寄せください。
今後、さらなる効率化を図るために、Power Automateを活用したTeamsとの連携や、自動通知機能の導入なども検討できます。ただし、生徒指導記録には個人情報が含まれるため、適切な管理と安全な取り扱いが不可欠です。セキュリティ対策を徹底しつつ、デジタルツールを最大限活用し、よりスムーズで的確な生徒指導を実現しましょう。
今後も授業改善や働き方改革に向けて、効果的な活用方法を模索していきたいと思います。
子供たちの深い学びの実現、教員の働き方改革の推進に向けて、ともに頑張りましょう。