#29 働き方が変わる!保護者の負担軽減と効率化をもたらす新たな連絡システム
これまで、本校では児童の欠席や遅刻に関する連絡を、電話のみを用いて受け付けていました。朝早くからの対応が必要で、絶えず電話が鳴り響いていました。受話器を取るとすぐに呼び出し音が鳴り、早く出勤した職員が電話応対に追われることもありました。また、連絡内容は手書きメモに記録されたり、内線電話で担任に伝えられたりと、非効率的なアナログ手法で情報が伝達されていました。そのため、情報の伝達に関して不備が生じ、正確な伝達が難しかったり、情報が担任だけに閉じられて学年や学校全体で共有されなかったりすることもありました。さらに、学校の電話回線数に限りがあるため、保護者の連絡が通じないこともありました。
そこで、これらの問題を解決するために、Teams、Forms、Excel、Power Automateを活用した欠席・遅刻連絡のための新しいシステムを構築しました。その詳細について、以下でご紹介いたします。
1 Formsフォームの作成
Formsを使用して、欠席・遅刻の連絡フォームを作成します。フォーム内には、児童に関する情報を伝えることができるようにします。例えば、児童の名前、学年、欠席理由や症状などが含まれます。本校では,以下のような設問項目(選択式・記述式)を設定しました。図1は、実際の回答フォームの一部です。
2 Power Automateの設定
Power Automateを利用して、フォームからの欠席や遅刻の連絡を受けると、自動的に指定したTeamsチャネル(各クラス)とExcelシートの2か所に関連情報が自動的に投稿・表示されるフローを構築します(図2・3)。これにより、教職員はタブレット端末を使用して各クラスの欠席者や遅刻者を簡単に確認することができます(図4)。同時に、職員室の大型モニタにExcelシートを表示することで、全校の欠席や遅刻の状況を一目で把握することができるようになります(図5)。
3 フォームへのアクセス提供
欠席・遅刻情報の提供をスムーズに行うことができるように、Formsフォームへのアクセスを保護者に提供します。連絡方法と共に、アクセス手段として二次元コードやURLを文書に掲載し、配付します。
4 おわりに
この取組は、働き方改革とICTの活用を通じて保護者の負担を軽減し、効率を向上させることができました。従来の電話連絡方式が非効率的であったのに対し、新しいシステムではMicrosoft Formsを用いたフォームが導入したことで、情報提供がスムーズに行えるようになりました。これにより、学校職員の朝早い電話応対からの負担が軽減され、より効率的な働き方が実現されました。
さらに、Power Automateを活用することで、フォームからの情報は自動的にTeamsチャネルとExcelシートに投稿・表示され、職員はタブレット端末や大型モニタを通じて欠席や遅刻の情報を確認できるようになりました。これは働き方改革の一環として、柔軟な情報アクセスを可能にし、業務効率を向上させました。
最重要なのは、保護者がいつでも簡単に欠席や遅刻の連絡をすることができるようになったことです。これは保護者の負担軽減につながり、働き方改革の一環として、ワーク・ライフ・バランスの向上に寄与しています。
このシステムの導入は、学校の働き方改革と保護者の負担軽減が実現し、ICTの活用が組み合わさった成功事例であると考えます。
また、以前に書いた次の記事も合わせてご覧いただけると幸いです。
#27 夏休みの部活動欠席連絡が簡単・効率的に!Microsoft FormsとPower Automateが支える新たな連絡システム|Wayama@MIEE_Teacher (note.com)
今後も、授業改善や働き方改革に向けて、効果的な活用方法を模索していきたいと考えています。
子どもたちの深い学びの実現、教員の働き方改革の推進に向けて、ともに頑張りましょう。