#15 【PowerPoint】課題解決に向けた協働学習
学習指導要領改訂において、小・中・高等学校を通じてプログラミング教育を充実することとし、2020 年度から小学校においてもプログラミング教育を導入されました。
そして、文部科学省はプログラミング的思考を次のように定義しています。
また、小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説総合的な学習の時間編においては、「課題を探究する中で、協働して課題を解決しようとする学習活動」の充実が求められています。他にも、探究的な学習の過程にプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付ける学習活動を位置付けることなども明記されています(文部科学省.小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説総合的な学習の時間編.2018、pp.6-7)。
そこで今回は、PowerPointを活用した課題解決に向けた協働学習の方法についてご紹介いたします。本実践では、Scratchを活用したプログラミング学習を行いましたが、他の授業でも応用できると思います。
1 ワークシートの作成
PowerPointで、以下のようなスライドを1つのファイルに児童数分作成します(図1)。その後、児童が協働作業できるようにファイルをOneDriveやTeamsにアップロードします。
2 課題を明確にする
上記のワークシートに、下記の①〜③の項目に対して課題や解決方法を各自入力させます。
①解決できた課題
プログラミングを行ってきた過程で課題を発見し、解決できたこと。
②解決方法
どのような方法で解決することができたか。
(マニュアル等に記載されていたことであれば、ページを示す)
③まだ解決できていない課題
うまくプログラミングができず、現在困っていること。
3 課題を共有する
課題を共有することで、同じ課題で困っていたり、自分の課題をすでに解決したりしている友達を発見することができ、自身の課題解決に繋げることができます。
4 解決方法をアドバイスする
課題を共有した後、友達の「まだ解決できていない課題」に対して解決方法をアドバイスするよう指示します(図2)。
課題に困っていた児童も、アドバイスのコメントをもとに主体的に取り組むことができるようになります。
また、アドバイスの前後に氏名を記載するよう指示させることで、直接アドバイスしてくれた友達に詳細を聞くこともできるようになります。
5 協働学習への展開
課題を明確にしたり共有させたりすることで、以下のような友達と協働学習を円滑に進めることができるようになります。
①自分の課題をすでに解決した友達
・アドバイスをもらいながら、取り組むことができる。
②自分と同じ課題をもち、まだ解決できていない友達
・課題解決に向けて一緒に取り組むことができる。
6 おわりに
私は本実践を、2学級で同時展開しました。
PowerPointのワークシートファイルは、学級別に作成しました。それぞれのファイルに共有リンクを作成し、どちらの学級の児童からもファイルにアクセスができるよう設定しました。
学級の壁を越えた学習を行ったことで、より多くの課題やアドバイスを共有し合うことができました。
今後も授業改善や働き方改革に向けて、効果的な活用方法を模索していきたいと思います。
子どもたちの深い学びの実現、教員の働き方改革の推進に向けて、ともに頑張りましょう。
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