見出し画像

こだわると動きが取れなくなる #禅の言葉

ものごとには動きがある。しかし、その動きに動揺する時(ああこう考えてしまう時)は、「身を千丈に埋(う)ずむ」(千丈の深い谷間に落ち込む)かのようであり、動きが取れない。一方、動じないことに執着しすぎると、そこに根を張ってしまって動きが取れなくなる。

大切なのは、世の中において正しく適応していくことなのだ。一方の極端に位置すること、中間の中道主義に徹することは、それらはこだわりだ。世の中で接する(修行する)ことで、正しい対応能力を身につけることが重要なのである。

こだわると、分別妄想が出てくる。この分別妄想のことを、禅では「草」で比喩する。だから禅師は、「草漫漫(くさまんまん)、門裏門外(もんりもんがい)君自ずから看よ」(そら、草だらけだ。門の内外に見てみよ)と叱咤激励する。そして最終的に、「万里無寸草の処」(万里の間に草が一本もない処。すなわち、悟りの境地)に向かって行けと言う。

一般的には、「荊棘林(けいきょくりん)中脚を下すことは易く、夜明簾(やみょうれん)外身を転ずることは難し」(イバラの林から抜け出るのは簡単、夜になっても光るすだれの中に入るのは難しい)という。これは、禅門での厳しい修行は何とかやり通せるが、悟った後の修行は非常に難しいと言うことを意味している。

同じような意味のことを言い表すのを、「且(しば)らく老木に随って寒瘠(かんせき)を同じうす。将に春風を逐(お)うて焼瘢(しょうはん)に入らんとす」(しばらくは正師について厳しさに耐えるのが良い。やがて春の暖かい風が吹いて、枯れ草を焼いた跡から新芽が出てくるだろう)と表現することもある。 

****************************************************************
#禅語 #心 #ストレス #あるがまま #関係する人 #正しい見方 #禅 #禅の言葉 #迷いを放下する #新しい自分 #禅的自分学 #含蓄のある言葉 #生き方を究める #考えさせられる言葉

電子本の案内:

●ストレスをなくしてあるがままの「こころ」で生きる Kindle版 など
[Kindle 無料アプリをインストールして お読みください。]

●『「あなた」が変わる古典の言葉』
( https://amzn.to/3HybqFD  [短縮URL])
には、55の禅語を解説しています。****************************************************************

いいなと思ったら応援しよう!