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感謝の「謝」にはごめんなさいという意味もある(908)

「謝」という漢字は、「ありがとう」と「ごめんなさい」という反対の意味を含んでいます。たとえば、「ありがとう」は感謝、「ごめんなさい」は謝罪という意味を含むのです。このように、漢字一字に正と反の二つの意味を持つ文字の使い方を反訓(はんくん)と言います。今回は「謝」を取り上げますが、他には「乱」(「みだす」と「治める」の意味がある)があります。ただし、反訓の漢字一字は数えるくらいしかないようです。

さて、漢字一字に反対の意味を持つというのは、少し奇異に感じます。なぜ反対の意味を持つようになったかというと、「謝」が「言」+音符「射」の別々の漢字を組み合わせた会意文字だからでしょう。

  言は、言葉に出すこと。
  射は、矢を放つこと。 

すなわち、心の緊張(心に負担を感じていること)を言葉に出して、その結果、矢を放った後が緊張が解けるように心の緊張が解けるというわけです。このことから、「謝」には「礼を言う」の意味と「あやまる(わびる)」という意味を持っているのです。

冒頭に記した
「ありがとう」は相手から受けた恩恵に負担を感じているのを軽くすることであり、
「ごめんなさい」は相手に申し訳ないと思う気持ちを伝えるためのものであることがわかります。

私達は、「感謝」や「謝罪」の意味を知っていて、時折利用することがあります。ただ、「どうもありがとうございます。感謝します」と言うのが丁寧なのですが、単に「どうも」だけで終わらせる人もいるようです。

「ありがとうとごめんなさいは自分がいちばん先に言いなさい」 という言葉があります。一部の小学校や中学校などで、校長訓示などに利用されているようです。それは、なぜでしょうか。もしもこれらの言葉を自分から率先して言えば、相手は嬉しく思ったり、許そうと思ったりしてくれる可能性が高くなります。いわば、相手との良い関係を作るこ とができるからです。

いかがでしょうか、「ありがとう」と「ごめんなさい」を、コミュニケーション・ツールとして利用するのが良いと、銘記しておくといいかもしれません。

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