八つの否定を通して、とらわれを無くす
私たちはものごとを考えるときに、よく二元思考をします。自分が関わっているものに「良い」「悪い」といった基準を決めようとしているのです。
でも、よくよく考えると、誰かにとって「良い」かもしれないが、また誰かにとって「悪い」かもしれないが、その誰かが勝手に決めつけている(とらわれている)だけであり、その時の状況によって変わるものだと分かります。そのようなとらわれを妄想とか煩悩とか我執と呼んでいます。
このことは、「良い」「悪い」というように決めつけるものではないことを意味しています。一般的には、「良い」「悪い」の中間がほとんどの人が合意することになるのでしょう。
それならば、とらわれていることを否定していけば、ほとんどの人と同じような立ち位置になれることがわかるではありませんか。とらわれをなくしていけば、妄想・煩悩を無くすことができるのではないでしょうか。
実は仏教では、妄想・煩悩を引き起こすのは八種類あると言っているのです。それは、
生(生じる)・ 滅(滅する)・ 断(断滅する)・ 常(永遠にある)・
一(同じ)・ 異(異なる)・ 去(去る)・ 来(来る)
の八つです。これらは誤った見解であり、八邪・八迷などと呼んでいます。
なぜ誤っているかと言うと、ものごとは互いに依存しあって成立し、ある条件が起こることによって変化していくものだからです。上に示した八つの特定の状態にとどまることは無いからです。
(注)ある条件が起こることを「縁起」と呼び、
それによってものごとが変わることを「無常」と言います。
これらの八つを離れる(否定する)こと、すなわちとらわれを無くすことによって、ものごとに正しく対処していくことができるようになります。端的な言い方をすると、二元思考の両極端を離れた中道を生きていけばよいことになります。
参考までに、八つを否定することを文字化すると、次のようになります。
不生・不滅・不断・不常・不一・不異・不去・不来
どうでしょうか、八つを否定すると悩むことなど無くなるのではないかと思いませんか。チャレンジしてみてはいかがですか。
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