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何かをすれば、何かが調(ととの)う(883)

坐禅では、「調身、調息、調心」というように、「ととのう」という漢字を整うではなく調うと書きます。整と調の持つ意味が異なるからです。

 「整」 乱れたもの、まがったもの、くずれたものを正しくする。
 「調」 何かをする(始める)ために必要なもの(状態、条件)を揃える。

   [参考] 調という漢字 
    「周(しゅう)」は長方形の盾の表面全体に美しい彫刻をした様子。
    「言」は、言語や表現や状態を表す部首。
    「調」は美しい盾の状態を表し、「ととのった」の意味を持つ。

そうなると「調う」は、「〜をすれば、〜が調う」ということになります。よって、調身、調息、調心のそれぞれは、何かをして調えるということを意味しているのです。

  1. 調身 背筋を伸ばし、足を組むことで身が調う。

  2. 調息 腹式呼吸で長く吐き出してから軽く吸うことで息が調う。

  3. 調心 思い浮かぶことを横に置くことで心が調う。

もう一度、坐禅を行う際の注意点や順番を確認しておきましょう。

補足しておくと、坐禅だけが心が調うのではありません。その他の生活の中で、いろいろな所作(しょさ、おこない、ふるまい)も心を調える一助になります。例を示しておきましょう。

 ・朝起きた時の所作: 心をこめて、色々な場所の掃除をする、など。
 ・日中の所作: 仕事そのものも、心をこめて行う、など。
 ・夜の習慣としての所作: 寝る前に5分でも坐禅をする、など。
 ・一定期間ごとの振り返り:
   悩みなどは自分が作っているのだと振り返る。
   何かに執着しすぎていないかどうかを振り返る。

自分流の心を調える習慣を作ってみてはどうでしょうか。

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