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KYOGE 2nd RING-自己愛-
みなさん、はじめまして。
「KYOGE」というアクセサリーブランドのデザイナーをしております。
タカと申します。
今回の記事では、
KYOGE初のプロダクトとなる5種類のリングの中から、二作目についてお話ししたいと思います。
二.自己愛
KYOGEのリング二作目となるのが題名にもある【自己愛】です。
以前にこちらでお話しさせていただいたように、僕は言葉から着想を得ることによってデザインしていくのですが、一作目の【矜恃】に次いで降ってきた言葉が「自己愛」でした。
僕の自己愛へのイメージを説明する前に、言葉の意味や由来などについてお話しします。
自己愛=ナルシズム
「自己愛」は一般的に「ナルシズム」の日本語訳として知られています。
ーギリシャ神話のナルシズムー
ギリシャ神話の美少年”ナルシス”が多くの乙女に求愛されながらも、軽くあしらったことで反感を買い、そのひとりが復讐の女神ネメシスに「ナルシスも恋の苦しみを味わうように」と祈ります。
あるとき、ナルシスが泉の水面を覗くと、水面に映った自分に惚れてしまい、その場から離れることができなくなり死んでしまったというお話が、ナルシズムの由来になります。
これが所謂「ナルシズム」≒「自己愛」「自己陶酔」ですが、
正直、ポジティブな意味として使われることはあまり多くない印象です。
一方で、オーストラリアの精神分析学者として知られるハインツ・コフートは、健康な自己愛の変容として
・人間の創造性(creativity)
・共感能力
・人間の有限性を思索する能力
・人間の英知
を挙げています。(下記引用元記載)
https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/repo/repository/fukuro/R000004337/19-167.pdf
このようにコフートは自己愛を、
”未熟な自己愛” によって万能的な無限に広がる理想のイメージを生み出し、
日々の体験・経験によって現実的な理想の在り方として身につける ”成熟した自己愛” に変容するとして
人間にとって重要でポジティブなものとして捉えています。
自己愛に込めた想い
ここからは、僕の「自己愛」という言葉に抱くイメージをお話ししたいと思います。
僕がイメージする「自己愛」は、よく並行して使われる「自己顕示欲」「承認欲求」「自尊心」とは少し違います。
僕は、「自己愛」を「無償の愛の授受」として考えており、それによって自分の理想が現実となり形作られていくと考えています。
「理想の現実化」のプロセスをマクロに見たときにはじめて、それが「自己愛」に包まれたものとして浮かんでくると。
自分が愛するもの(自分の性格・特徴・信念、自分を取り巻く環境・人・モノ)をとことん愛し、与え与えられ、 酸いも甘いも真っ向から経験することによって、
その愛がより具体化されていき、確固たるものとなる。
上記のようなイメージを、僕は自己愛という言葉に抱いており、
今回、二作目の【自己愛】リングに落とし込みました。
愛をテーマとしているため、男女問わずつけることができるようなデザインにも仕上がっていると思います。
現在、着々と公開に向けて進んでおります。
ぜひお楽しみに。
最後に
誰もが見えない愛のやりとりをし、その授受によって弱くも強くもなる。
そしてそれは、昨今のSNS等の普及によってより複雑化しているようにも思えます。
変化の目まぐるしい現代を生きる中で、
【KYOGE】が再考の機会をつくり
【自己愛】があなたの健康な愛の形成と理想の現実化をするきっかけとなれば幸いです。
それでは、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。