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おしゃれな表紙に惹かれて


紙でしか表現できないミステリ。

犯人を見つけ、その犯行を知った時、
あなたもきっと脱帽する。



ミステリが読んでみたくて、
本屋大賞かなにかを参考にしつつ

最終的には表紙のデザインで買った本だった。

ストーリー的には、

会ったこともない父親が残した小説、

『世界でいちばん透きとおった物語』

を探すため、生前に親交があった
人物たちに話を聞いてまわる。

いろんな人から話を聞く中で、父親の輪郭が揺れ、
自分と母親を捨てた男の像が分からなくなる。

みんな口を揃えて、どうしようもない人と話す。

にもかかわらず憎めない様子も伺える。

行く先々で、会う人会う人が、
面識もない、有名作家の「息子」として
扱ってくることを不愉快に感じる主人公。

もともと父親に興味があって
始めたわけではなく、

いつまで経っても見つからない小説に、
だんだん苛立ちを覚えつつも
その影を追い続ける。

やがて見えてくる父親の姿と、
小説家としての生き様を知り、
主人公の中にも変化が生まれる。

やがて現れる
『世界でいちばん透きとおった物語』
その真実に、世界は透きとおる。



この本はミステリだと思って読んできた。
犯人を見つけるぞ、謎を見つけるぞ、と。

今までどんなに身構えて読み進めても、
犯人を見つけられたことはない。

案の定今回も最後の方まで分からなかったし、
「やられたな。」って思った。

同時にその大胆かつ華麗な犯行に感服した。
確かにこれは電子書籍では絶対に無理な作品だ。

そして自分の感想を書こうとしたら絶対にネタバレしてしまう自信がある。

普段あまり誰かと何かを共感したいとは思わないけど、これはぜひ読んだ人と、大胆で華麗な犯行について話しあいたい気持ちになった。

主人公の環境をとても羨ましく思う。


本の紹介は結局のところ、これに帰結する。

「ぜひ読んでみてほしい作品です!」


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