Black Sabbath vol.4 Super Deluxeの雑感。
サバスのスーパーデラックス盤は、2016年に出た「Paranoid Super Deluxe」(Warner / Phino:R2 556692)が最初で、これはブートで定番だったモントルーやブリュッセルのライヴが収録された事もあってかすぐに完売した。
ところがこのパラノイドボックス、2020年に”50周年”と銘打って再販された(内容はそのまま)。「おや、じゃあ他にも何か出すのかな?」という予想はしていたが、「サバス4をボックス化する」というのはちょっと予想していなかった(汗)
Amazon等で調べると
・国内ワーナー版は海外盤に帯と翻訳解説をつけただけで妙に高い。
・欧州BMG盤は流通ルートの問題なのかこれまた妙に高い。
・米Warner / Rhino盤はそこまで高くない、一番安い。
…こういう事なので米盤を買う事に決定(自分が買った際は約¥5,800+送料¥350)。ところが配送が滞ったのか、2週間で届く予定がほぼ一か月かかってしまった(汗)しかし紛失トラブルもなく無事に届いたのでよかったよかった( UωU)
以下、サバス4ボックスの雑感等(Amazonに投稿したレビューを一部手直ししています)。
・Black Sabbath vol.4 Super Deluxe(Rhino:R2 643817)
ボックスの内容は基本的にコレクター向けになる。
1:CD1は本編の2020年リマスター。
2:CD2と3にアウトテイクや別テイク、スタジオ音声等を含めた音源。
3:CD4に73年のライヴ。
1はここしばらく定番のAndy Pearce & Matt Worthamによるもの、2012年リマスター盤よりも音を弄っている(※2012年リマスターは元々HD-tracks配信用に作られたもので、それを2016年に米RhinoでCD化)。
2012年リマスターは「音量・音圧控えめだがアナログっぽい音像でのリマスター」で好印象だったが、海外では「もうちょっとラウドな感じにしてくれよ」という意見でもあったのだろうか?そんな音になっている。ただし”アナログっぽさ”はギリギリをキープ、英1996年リマスター(エンジニアはRay Staff、音質面はともかく、ステレオのL・Rが逆になるというポカをやらかした)と2012年リマスターの間を取った感じだ。音の分離が良くなっている点は素直に◎、機材面の進歩もあるのだろう(実際、アルバム中一番音が悪い『コーニュコウピア』は今回のリマスターが一番良くなっている)。
2は70年代洋楽のリミックス作業定番"エンジニア"(本業はどうした?/笑)Steven Wilsonによるもの。コレをCD2枚に分ける必要は無かった、単なる枚数増やしでしかない(今のCD製造技術なら80分ギリギリ入るのは皆知っている、具体例はコチラ)。内容自体はリミックスしたおかげもあってか、ボツ演奏等とはいえ意外と聴きごたえがある。ただしこれは完全にコレクター向けの資料音源であって一般人はあまり面白くないと思う。何度も繰り返される『ウィールズ・オブ・コンフュージョン』と『スーパーナート』を楽しめるか否かが境目(苦笑)
3のライヴはRichard Digby Smithがリミックス、アシストにJames GriffithsとHugh Gilmour。聴いて「おや?これは…」と思った方は正解で、ライヴ盤「Live At Last」の修正版と言える音源になる(ファンサイトの情報だと『トゥモロウズ・ドリーム』『スウィート・リーフ』『スノウブラインド』がロンドンの演奏に差し替え)。これは非常に良い、不満は特に思いつかないしバンド自体も一番飛ばしている時期でとても良い。ブックレットはデフジャケ等の写真が豪華で、ポスターは大人の事情で消えた「スノウブラインド」ジャケ(笑)
結構豪華なボックスだが、一般人にオススメ出来るものではない。本編の最新リマスターも派手でカッコイイのだが若干弄りすぎと感じるのも確か(これからサバスを聴く人には2012年リマスターを勧めたい、音量は低いが間違いなくバランスが良い)。
こうなると”次”が出るのか気になるが、個人的には5th「血まみれの安息日」と6th「サボタージュ」をまとめてボックス化してほしいところ(この時期ならこれまたブート定番のアズベリー・パークでのライヴもある)だが、さてどうなるんだろうか…( UωU)