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ヒロシマ女子高生任侠史・こくどうっ!

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毎日1ツイート! コツコツ続ける女子高生任侠譚! 極道都市ヒロシマでの青春は、血と汗と裏切りと──ほんの少しの涙!
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#アクション

(終)ヒロシマ女子高生任侠史・こくどうっ!(47)

(終)ヒロシマ女子高生任侠史・こくどうっ!(47)

 三日後。

 天神会の事始めは混乱のなか、人事の発表にのみ絞り、サンメンでのオンライン回状により実施された。

 祇園連合会と祇園会は解散となり、日輪高子は引退。そうして天神会預かりとなった上島安奈は、同日中に引退することとなった。

 それは絶縁に近い、こくどう社会からの拒絶であった。ただこれは長楽寺や宇品を始めとする幹部たちの配慮に近かった。二度と彼女がこくどうをやらなくて済むように──もち

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ヒロシマ女子高生任侠史・こくどうっ!(33)

ヒロシマ女子高生任侠史・こくどうっ!(33)

 荒いアスファルトがスニーカーの底と擦れて、じゃりじゃりと音を鳴らす。ヒロシマ中央総合病院裏手、その駐車場。太陽は既に沈み、西の空は青く燃えている。

 そう長くない先に、二人のうちどちらかが燃え尽きるだろう。それでいい。

 高子は大竹に向き直る。沈みかけた夕陽の光が、彼女の握った刃を照らした。

「日輪さん……あんたが死ねば、うちは会長に褒めてもらえる。役に立てる──」

「ようけ吠えよるで。

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ヒロシマ女子高生任侠史・こくどうっ!(31)

ヒロシマ女子高生任侠史・こくどうっ!(31)

 安奈の退院を一週間後に控えた日に、その凶報は入ってきてしまった。
 太田川御子が死んだ。
 話だけならば、与太話だと思い込むこともできたかもしれない。しかし、久々に顔を合わせた高子から神妙な様子でそう告げられれば、もはやどうしようもない。
 安奈はまた、家族を、友人を失ったのだ。

「……どうしてこんなことになったんです」

 霊安室に、久々に集まった祇園会。ゆりも御子もいない。死に別れ、道を違

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