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ぼくは実験が好きだ -sunaBAをはじめた理由-(前編)

題名の通りで、僕は小さい頃から実験が好きだ。

幼い頃からおやじが買ってくれた実験キットで遊び、小学校の僕の遊び場は科学博物館だった。高校でも迷いなく理系の道に進み、大学では統計学というおもちゃを手に入れて数字をこねくりまわす楽しい日々を過ごしていた。

そして社会人になり「コミュニティマネジメント」という言葉に出会った。

人見知りの性格だけれども、人と話すのが好きかつ集団をまとめるのも得意な部類だったのですぐに食いついた。
そして僕の実験対象はコミュニティになった。

具体的な実験例を挙げる。以前30人規模で交流会を開催した際に1つのルールを設定した。それは「過去の話をした人は罰金10円」というルール。このルールを定めた目的は内輪なコミュニティをつくらないことである。内輪なコミュニティに所属するメンバーは過去の体験を共有しているため、その話題に対してこれからコミュニティに入ろうとする人はついていけない。なので話題を現在や未来の話に限定させることにより内輪なコミュニティができるのを阻止することを試みた。結果、9割近くの参加者が固定のグループに止まらずいろんなグループを回遊している様子が観察できた。

こんなかんじに実験して遊んでいるうちに、少なからずコミュニティマネジメントが仕事になった。コミュニティというふわっとした概念を自分なりに解析し、定義づけることもできた気がする。

Newspicksの最所あさみさんもnoteに書かれていたが、コミュニティとは生き物である。状況によってカタチを変えていくし、放置してしまうと弱っていく。
また生まれながらの理系っこである僕から見れば、コミュニティは非常に実験しがいのあるブラックボックスだ。インプットを変えればアウトプットは明確に変わる、だがその理由をロジカルに説明できない場合も多い。そこがいじりがいがありおもしろいところだ。

現在もいくつかのコミュニティを運営し試行錯誤しながら楽しんでいるが、そのなかにはビジネスの側面が強いものも多く、KPI/KGIを定め、当然ながら結果も求められる。
そろそろ何も気にせず遊べる自分の実験スペースを持ちたい!という思いが強くなっていく中、ロックバーshhGarageという存在を知った。

Garageは「いい音楽とおいしいお酒を楽しみながらみんなで盛り上がる」をコンセプトに平日のみ営業しているBARだ。住所非公開にも関わらず多くの常連さんで賑わい、常連さんコミュニティは1000人を超えたらしい。また運営メンバーも昼間は全く別の仕事をしている。
僕も数回お邪魔しただけなのだが、このBARの素敵なところは運営メンバーが良い意味で遊び感覚のもと場を回しているところだ。また基本的には常連さんで構成されているが初めての人でも溶け込めやすい。パックマンルールが自然と適用されているイメージ。それに伴い、コミュニティの自走が実現しつつある。

今まで実験場→BARという発想はなかったものの、Garageを運営されている日比谷さん、竹内さんとお話しさせてもらううちに自分の実験したいことがBARという場所を使って実現できるイメージがついた。

やはりお酒はコミュニケーションを促す触媒であり、お酒の席でいくつもの化学反応を見て体験した。まぁ単純にお酒が好きだということもあるし、人見知りなためお酒を飲まないと初対面の方々と打ち解けられないという残念な理由もある。またBARというちょうど良い物理的な広さも、小さな実験が非常にしやすくアウトプットも回収しやすい。

そこからはありがたいことにトントン拍子で話が進んでいき、元々新橋で土日のみBARを経営していた友人が居抜きで場所を譲ってくれ、一緒に運営してくれる仲間も集まりOPENに至った。

まとめるとBARを立ち上げた一番大きな理由は「コミュニティの実験場が欲しいから」である。
なので遊びに来てくれる方々をお客さんではなく"実験の協力者"だと思って接しているし、今後もそのつもりだ。

ただこれだけだと主語が「私」であり完全なる自己実現の場というイメージが強くなってしまうので、その他の理由やsunaBAという名前に込めた思い、今後の展開については後編で触れたいと思う。


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