渡米2日目 新生活の立ち上げ
ボストンで家族で迎える初めての朝。朝8時頃に目が覚めるが、家族は皆疲れ果てて眠っている。新生活の立ち上げに向けてやらなければならないことは山ほどある。特に大切なのは、子ども達の学校のこと。そのためには公立学校のポータルに情報を登録し、かつ電気料金やインターネット契約をしている必要があるが、まだアパートにも入居できていない。焦る気持ちを抑えて、一つ一つを形にしていこうと思う。
今日は銀行口座の開設と携帯電話の契約の契約ができればいい。家族が起きるのを待って10時半から動き出し、ホテルの目の前にあるBank of Americaで1時間近く待たされた後で、口座を無事に開設。その後、腹ペコの子供達を連れて、家探しでお世話になっているジュリアンさんに教えてもらったThe Paramountでランチ。ボストン初日を祝ってローカルビールとペプシで乾杯し、ハンバーガーが美味しく、子供達もその味とボリュームに大満足だったが、食べ物の90ドルに加えて、20%のチップ代が事前に含まれた上で、TAXが加算され、115ドル。1ドル145円で換算すると約16600円といったところ。日本の2〜3倍はかかると肌身を持って体感。しばらくホテル暮らしが続くのでやむを得ないが、外食は一日一回程度にして、やはりドリンクは控えようかなと思う。
煉瓦造りの古い建物が建ち並ぶ、ビーコンヒル界隈は落ち着いていて美しい。次男が時差ボケで疲れている様子だったので、14時過ぎにホテルに戻るとそのまま家族で18時まで寝てしまった。その後、まだ眠がる長男をホテルに残して、家族3人で携帯の契約にT-mobileへと向かったが、閉店5分前で店員に露骨にやる気がなく、こちらもそこまで急いで契約する必要もないかと思いなおし、店を後にする。
ホテルへの帰路、エマーソン大学へ。ボストン・コモン公演に隣接する街の中心部にあり、母校NYUと同じくキャンパスはなく、落ち着いた石造りのビル全体が校舎になっている。あいにく大学は閉まっていて中は見れなかったが、素敵な雰囲気の外観を見れただけで心の奥底で胸が躍った。
宿泊先のWyndham Boston Beacon HIllホテルまでは徒歩15分ほど。街の中心部に滞在しているからか、全てが程よく密集していて、歩いていくことができるボストンの雰囲気にも親しみを感じる。ホテルの目の前のWhole Foodsでバナナやヨーグルト、野菜などを買って帰る。唯一、バナナだけは1パウンドで0.69ドルと手頃で、生活応援には欠かせない一品となりそうだ。まるで役者さんのようないい声をした初老のレジ打ちのおじさんが、別れ際に「Have a wonderful night !」ととても素敵な笑顔で一声かけてくれて、なんだか今日一日が祝福された一日だったように思えた。
目の見えにくい僕を気遣って、終始僕の手を引いてくれていた次男はボストンの匂いが好きではないといいながら、街角にいるホームレスの人たちにお金を渡したいというので、今小銭がないことを伝えると、「小銭じゃなくて、20ドルぐらいあげた方が喜ぶからそうしたい」という。確かにそうだよね。僕がいつの間にか失ってしまったものを、この子が持っていることを嬉しく思いながら、家路に着いた。
DAY2 20230824木2634@ボストン