初めての東洋医学
さて、これまでの記事で
なぜ専門家が専門領域だけでは不十分なのか。
そして浅く広く学ぶ意味。
そして初めての領域の学び方について触れてきました。
今回からいよいよ、具体的な学びを拡げていきたいと思います。
タイトルにもあります通り、まずは東洋医学から始めます。
なぜ最初が東洋医学かというと、私が色んな分野の学びを拡げていくきっかけとなったのが、東洋医学だったからです。
それまでは理学療法士としていわゆる西洋医学のど真ん中にいて、それ以外のものは怪しいと切り捨てていた私でしたが、東洋医学のとても実践的で目の前での変化も大きい事実を目の当たりにしたとき、「今まで自分が信じていたもの」は本当にそうなのか?と疑うきっかけをくれました。
それから私は、東洋医学について1年間のオンラインセミナーを受講し、東洋医学を専門とするお医者さんの下で1年間学びました。
それでも臨床的に東洋医学を中心に治療等を行っているわけではないので、まずは概略を掴むこと、そして東洋医学そのものに興味を持ってもらうきっかけになればと思います。
また、東洋医学自体も文献によって解釈が分かれているものもあり、あくまでも学びのきっかけとして活用してもらえたらと思います。
ただ、東洋医学をさらに拡大解釈した、東洋思想として私自身はかなり参考にしています。
記事の最後には私自身が東洋医学をどのように現場で活用しているかについてもまとめてみました。
それでは、少し長くなるかもしれませんがぜひお付き合いください!
初めての東洋医学
現代の私たちが「医学」や「医療」という言葉を使うとき、ほぼ100%「西洋医学」を指します。
それほど現代における医学と言えば西洋医学なのです。
その点で、東洋医学について学び始めるというのは、全く新しい世界に飛び込むようなもの。
私自身も初めて東洋医学に触れたときは理解が追い付かず、拒否反応が出ていたことを今でも覚えています(笑)
西洋医学が主に病気の症状を治すことに焦点を当てるのに対し、東洋医学は人間全体の健康を見つめ、体全体のバランスを整えることを目指す医学です。
未病、という言葉も東洋医学からの言葉ですね。
心身相関や心身一如という言葉通り、東洋医学は単に体を治すだけでなく、心と体の深いつながりを理解し、それを調和させることに重点を置いています。
この記事を通じて、東洋医学の基礎知識を得ると共に、その魅力や深さを感じていただければと思います。
東洋医学が持つ歴史や哲学、治療法は、現代の医療でもかなり汎用性の高いものです。
それでは、なぜ東洋医学が今も多くの人々に支持され、信頼されているのか、その理由を一緒に探ってみましょう。
東洋医学の基本概念
東洋医学は、身体を物質的に診断、治療する西洋医学とは異なる概念の上に成り立っています。
まずはこの基本概念を「受け入れる」ことが東洋医学を学ぶための最初の壁となります。
「なぜか」という視点ではなく、「そうなのか」という受け入れ態勢で聞いてもらえると幸いです。
受け入れていった先に、「なぜか」の答えにたどり着きます。
それほどに東洋医学とは深く、難解だとも言えますが、まずは拒否せず受け入れてみて、実践してみてください。
中国4000年の実践の中で磨かれてきた医学ですから、まずは理屈ではなく、身体の反応から感じてみるのがおすすめです。
東洋医学では、体と心は分離不可能な関係だと考えます。
体の不調は心に影響を与え、心の状態もまた体に影響を及ぼす。
この相互作用を理解し、治療に取り入れることが、東洋医学の核となる考え方です。
東洋医学は、個別の症状や病気を単独で扱うのではなく、人間を一つの全体として捉えます。
これは、体の各部が相互に連結し、影響し合っているという考えに基づいています。
治療はこの全体性の理解からアプローチされるため、西洋的な局所を深くみていく感覚で考えると、非常に違和感が出るかもしれません。
東洋医学における健康とは、体の内部だけでなく、心や生活環境との調和からも影響を受けるため、東洋医学はこれら全ての要素を治療に当たり前に組み込んでいます。
その複雑性を表現する方法として、「気(き)」「血(けつ)」「陰陽五行論」という基本概念があります。これらについては後述していきます。
その前に、西洋医学と比較することで東洋医学の特徴を深くみてみましょう。
東洋医学と西洋医学の違い
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?