真琴vsゆづき #2
旗揚げ戦はスーパーバイザーの2人も所属していた「ネオ・レディース」以来で、その日のメインそして延長戦で若手から中堅に差し掛かり、さらにエースを目指していた2人がラスカチョに悔し涙を呑まされた
そんな記憶がフラッシュバックする
オープニングセレモニーからユリオカさんのライブ、第一試合の桐生選手には度肝を抜かれ、茶色選手のがんばりに洋平選手の名言「来いよ!!」、サマス選手はキャラの良さやパワーだけでないテクニシャン振りとこの時点で各選手からかなりのプロレス愛というものを感じられ最近自分の中で見慣れていたハイスパートレスリングだけがプロレスではないと改めて思わされることになった
メインイベントは宮崎有妃vsゆづき
NEO時代のタニーSVの盟友で何度か引退はしたものの対抗戦ブーム末期にデビューから歴戦の強者と渡り合ってきた女子プロレスのレジェンドの1人ということは勿論知っていたが、自分はプロレス浦島太郎状態の時期もありJd'時代のエチセラのイメージが強く「またね」で久々に観た時に画像等では見ていたがその迫力に驚いた
時計の鐘の音からベルばらの世界観の様な入場テーマが流れゆづき選手の登場
トップとセカンドのロープを潜った瞬間に彼女はプロレスラーになった
その瞬間に立ち会えたのはこの時会場にいた全ての観客の誇りになったと思う
絶対王者田村欣子のコスチュームを受け継ぎ堂々とした立ち振る舞いの中、紙テープが舞った時の一瞬の笑顔が忘れられない
試合内容も自分の想像を超えていた
YouTubeでは普段の練習風景も映してはいるが演出としてのコメディリリーフもあり実態を完全に掴みきれないのでゆづき選手がどこまで出来るかは試合になるまでは未知の部分であった
首脳陣3人の絶大な信頼を受けている宮崎選手の攻撃は重い
だが何度も立ち上がり決して折れない心を見せつけた
煽りVで語ってた通り「やる気と根性だけでここまで来た」を会場にいる全ての人に証明した
そして汗と攻防でぐちゃぐちゃになった顔は普段の耽美な顔や無邪気な笑顔より美しく思えた
そして10分過ぎ宮崎選手のムーンサルトプレスが決まる
流石に技を出す瞬間息を呑んだ
デビュー戦の相手に普通は出すような技ではない
3カウントが入り宮崎選手の勝ちが宣告される
でもゆづき選手は受け切った
宮崎選手は試合の中で受け切れる事を判断し最高のプレゼントを送ったのだろう
そして観客に「この子はここまでやれるんだ」ということを伝えてくれたのだと思う
悔しさ、惨めさ、嬉しさやこれまでの仲間たちとの苦楽等の様々な感情が入り乱れ大粒の涙を流しながらもしっかりとした口調で「伝説を作る」と言ってくれた
震える体を支える為に仲間たちもリングに上がった
そして「励ましてきたが自分が仲間たちに支えられてきたんだ」と吐露した
肉体的にも精神的にもふらふらになりながら「ありがとうございましたー!!」と四方に礼をした時に見えた景色は多幸感だった
最初に語ったネオ・レディースの旗揚げ戦
BE HAPPY(多幸感)をスローガンに掲げての船出はDO SCRAMBLE(掻き回された)され田村、タニー両SVは苦渋を呑まされた所からスタートした
全く逆の結果になったのは何かの巡り合わせなのだろうか
そしてそのDO SCRAMBLEを仕掛けたのがゆづき選手が敬愛する三田英津子さんというのも何が為せる術なのか
帰りに売店で声を掛けさせてもらった
語彙力の無い自分のことだきっと大した事は言えてなかっただろう
正直覚えてない
それでも凄く感動したことをどうしても伝えたかった
そして笑顔と裏腹にくっきりと付いた涙の跡が美しかった
続く、、、場合もある