TAKAKIとあの日原チャリで #2
同じ市内でも風光明媚とはかけ離れ日本人なら誰でも一度は訪れる名所の数々は山一つ越えねばならない
都会ではなくかと言って田舎でもない中途半端なよくある街並
そんな街にプロレスが来る
街には今ではもしかすると違法ギリギリの捨て看が溢れ
商店街やコンビニに割引券が配られる
今考えると興行が行われる会場は伊藤薫選手のお膝元
自分の地元とは隣りの区ではあるが
昔誰かに聞いた話だと実家が自分の住んでる区側だという
なので後援会的なモノも自分の地元の方でも力があったのかもしれない
なのでその会場は全日も使っていたが圧倒的に全女の方が宣伝力があり
観に行く行かない関係なく街の人たちは全女が来ることを大半が認知していたはずだ
前振りをしてる間にどうやらポンコツタイムマシンが到着したようだ
タイムマシンが降りた先に待っていた男
TAKAKIだ!!
彼はバンドマン仲間で自分の2つ下のギタリスト
自分の実家近くの当時未完成のままの道路や上田くん(彼のバンドのVo)の家、ファミレス等でしょっちゅう溜まっていた仲間の一人
すごく人懐っこくまだ自分がV系的なバンドをやってる時は彼の舎弟の中学生のドリチン(今思うと中学生ってライブハウスで裏方やっていいのか?)とスタッフとして髪を立てに来てくれたり自ら買い出しに行ってくれたりするすごいイイやつだった
プロレスに行くキッカケはポンコツファミコン脳で解析は仕切れないが溜まってる時にノリで
「プロレスくるやん?一回観てみたいんよねー」
「オレも行ってみたいんすよねー」
「貴子かわいない?」
「貴子かわいっすわー」
「アジャとか豊田も観たいよね?」
「京子も!」
「ほな行く?」
「じゃあオレ割引券貰ってきますわー」
多分、こんな感じだろう
んん??
ずっと自分のnoteを見てる人なら一つ疑問が湧くであろう
美馬たんは?!
あんなに騒いでた美馬たんは?!
毎年のように街中に貼られたポスター
下田選手の顔と名前はもちろん知っていたが美人だけどパッとしないなあという印象
2人になったラスカチョが爆発するのはまだまだ2年以上を要することになる
それに対して井上貴子選手はメディアの露出や写真集での話題もありアイドル・美人レスラーの中でもキューティー鈴木と双璧し頭ひとつ抜けてた印象だった
なので推しとかってわけではないが貴子選手が2人とも一番見たかったのは間違いない
そして当日
待ち合わせは多分自分チのが会場に近いのでウチに来てもらったんだろうとクソボロファミコン脳が弾き出した
自分は当時、特にアメカジにこだわっていたのでバイトで必死に貯めた金で買った
復刻BIG EのLevi's 501にバイト中に轢き逃げされそうになった所を必死にとっ捕まえて払わせた示談金で買ったRED WINGのPT91ナイフポケット付きのエンジニアブーツという今思うと高校生のくせにブン殴りたくなるくらいクソ生意気にキメてたのに対して
TAKAKIはグラサンを鼻の下の方に掛けて柄シャツを第三ボタンくらいまで開け紫のスラックスにエナメルのステージで履くベルトがいっぱい付いたトンガリ靴、セカンドバッグを抱えてママチャリで登場した
今でこそすげーなと思うが当時は
「おう!TAKAKI!」
くらいの感じで周りのバンドマンはみんな割とそんな感じだった
まあ言ってもTAKAKIなりのエンターテイメントでわざとやりすぎてる所はあったけどね
いざ出発
自分は走り屋の先輩から5万で買ったMAX 70km超えする
違法改造満開のSUZUKIのZZ(違法改造絶対ダメ!)で
TAKAKIはママチャリ
ちんたらちんたらチャリのスピードに合わせて進む(交通ルールは守ろう!)
そして誰も見てなさそうな所では肩貸し(これマジ危険だから絶対しないでー!)
「アジャ襲ってきたらどうする?」
「貴子もいいけど豊田もいいよなー」
まあその時はロックの話もせずにそんな話をしてたんだろう
会場に向かう街道は藪に囲まれている場所もある
地元すぎて意識なんてしたことなど全くなかったがその藪こそ
明智光秀が討ち取られたという「明智藪」だったりするし
上述の轢き逃げされたのもその明智藪の前
「わしゃ明智光秀かーー言うーてー」と言ったとか言わなかったとか
その明智藪を抜けた少し先に会場が見えてくる
ズタボロタイムマシン
無駄にスピードの出る原チャリ
そして普通のママチャリが辿り着いた
その会場の名は
醍醐グランドーム
プロレス大好きっ子になった記念すべき日が始まろうとしている
あ!
みんな大好き「この時ゆづきは?!」のコーナーは次回!!
続く