078 どこかの誰かに
「今日の会議のアジェンダをお送りしますね。」
いつもなら前日に送られてくるはずのアジェンダが、会議の30分前に送られてきた。作ったのは取引先の担当者Aだ。
こちらとしては、今日の会議にかけたい議題として、その「Aの行動からくるチームの不協和音の解決」というお題を、彼の気に触らない程度にやんわり提案していたのだが、内容を見る限り議題が溢れ、そんな話をする時間的余裕はないようである。
この話は次回に先送りしよう。
その日の会議は、Aのファシリティーション力もあってスムーズに進んだ。
僕自身、議題に対してそれなりに価値のある意見を言えたと思う。
そこからの数日、さらにチームの不協和音が大きくなってきたことを感じ、Aからアジェンダが届く前に、その件を議題に入れて欲しいとメールを送った。
しかし、届いた回答は「大切なことではあるが、納期を考えると決めなければいけないことが多く、議題に乗せるのは難しい」というものだった。
その後も議論ができないまま時は進み、情報共有の遅れや期待値のズレなど、少なくない課題に翻弄されながらも、なんとかプロジェクトは終了することができた。
しばらくして、Aがプロジェクトの成功によって評価を受け昇給したと人伝に聞いたのだが、僕にはどこか釈然としないものがあった。
それは、Aが意図的に「チームの不協和音」についてアジェンダに盛り込まなかったのでは?という疑いをもっていたからだ。
会議において発言をすることは重要な役割ではあるが、その発言もまたアジェンダに沿って進む流れの中で生まれるものであり、このアジェンダを作るものこそ、会議の絶対的な主導権を握ることができる。
言い換えれば、自らが望まない結果になりそうなものはアジェンダに入れないこともできるし、自ら望むことだけを議論させることで、会議をコントロールすることだってできる。
Aが自らの評価を下げないために、アジェンダをコントロールしていたかはわからない。ただ、そう確信するだけの論拠はあったし、それが真実であれば本当に怖いことだとも思った。
最近は政治を見ていても、芸能ニュースを見ていても感じる。
「議論の結論を聞かされて満足しちゃうけど、そもそも、その議題は何かを隠すために作られたのではないのか」って。
どこかの誰かに、誘導されている気がする。
どこかの誰かに、騙されている気がする。
どこかの誰かに、思考を停止されている気がする。
どこかの誰かに、何かの意図で。
***
-こと-
UFO(Unidentified Flying Objec /未確認飛行物体)って最近ではUAP(Unidentified Aerial Phenomena /未確認空中現象)って言うらしい。
「あえて飛行物体を空中現象って言い変えることで、宇宙人の存在を隠してる」みたいなニュアンスのことを映画「NOPE」で言っていた。
言い方一つで印象変わるから怖いよね本当に。
まぁ、UAPなんて聞き慣れないし、結局はUFOって呼ぶんだけどね。
見たことあるUFO?
僕は毎年UFO呼んでみてるんだけど、見えたことは一度もないんだよね。
んー悔しいな。
「毎年UFO呼んでる」ってどういうこと?と思ったあなた、今年もUFO呼ぶから参加してみない? いや、音楽やアート、キャンプに自然が魅力的なイベントなんだけど、UFO呼ぶんだよね毎年。今年はなんとエンバーンってUFO呼んじゃうバンドも来ちゃうし、後は僕も・・・まだ発表されてないから言えないけど、面白企画を仕込み中。
行きたくなるように誘導してるよ!
ぜひ当日UFOと一緒に乾杯しようぜ!