アシックス、野球用品撤退
ご無沙汰です。
アシックスが野球用品から撤退するというニュースがありましたので、書いてみます。
まず、最近のアシックスの業績ですが、非常に好調です。
原因はやはりシューズでしょう。オニツカタイガーも全面に出して商売するようになりました。シューズが高業績を牽引してます。
アシックスはいつの頃からか、世界に目を向けるようになりまして、戦略を変えたなと感じたことがありました。随分前です。その頃は一時期は業績が低迷していたこともあったように思います。
世界に目を向けるきっかけがなんだったのかわかりませんが、ナイキの台頭が大きかったのではないかと推測します。なんたって、ナイキは元々オニツカタイガーのシューズの販売代理店だったわけですから。ナイキはオニツカをパクったと私は思っています。
それはさておき、今回の件も含め、アシックスは鬼塚株式会社に戻りつつあるなと感じています。
そもそも、アシックスは合併で出来た会社です。鬼塚とその他繊維関係の会社(2社)が合併してます。いわば総合スポーツ企業を目指したのだと思います。
そのせいもあってか、一時期はアシックスはウエアが中心のイメージがあったと思います。あれもこれも手がけていて、なんか、柱がぼやけていた印象があります。
野球用品の話が出てこないと思われたかもしれないので、このあたりで野球用品の話を始めましょう。
今回、スパイクなどは残すということなので、やはりここでも鬼塚株式会社に戻っていくわけです。強みのシューズに特化する全体の戦略からはズレてません。私は今回の件は賛成ですね。
グラブで見ると、国内ではやはりミズノが強いですよね(データを見たわけではありませんが、そういう印象があります)。後は、思いつくのは(というか聞いたことがあるのは)ローリングス、ゼット、ザナックス、SSK、久保田スラッガー、くらいでしょうか?アシックスのグラブってなんか思いつかないです(失礼)。
野球用品から撤退するのは単純に売れていないからだと思います。その意味で撤退しても影響はほとんどないのではないかと推測します。
スポーツウエアやシューズは競技で使うというより、普通に誰でも日常的に使うものになっています。カジュアル化というやつです。アシックスは割とそういう路線にシフトしていると思うので、その意味でも撤退はやむなしと思えます。
アシックスの業績に少し戻りますが、ハイライトを見てもらいたいです。こういったハイライトにはその会社の考え方が反映します。ハイライトなので、どういった指標を取り上げるのかは自由です。ですから、それを見れば考え方が大体わかります。会社によって随分違いますよね。
ROAやROEといった効率性を見る指標を入れています。ROAに関して言えば、5%いけば優秀です。非常にいいですね。
効率性を重視する戦略を取れば、野球用品から撤退するのも納得です。売上が少ない割に手間もかかりますから。
今回この件を取り上げたのは、企業というのはやはり自社の強みを伸ばしていくことが大事ということを言いたかったからです。弱みを補おうとするのは、できないこともないですが、時間とコストがかかる割に見返りが少ないと思いますね。人間も同じで、強みを伸ばした方が得策と思います。
強みというのは何も製品や技術ばかりではなく、「人」もその一つです。こういう知識を持った人がいる、ということならその人の知識を生かしていくのがいいわけです。
アシックスの強みはやはりオニツカタイガーであり、シューズであると思いますので、そこに集中していく今回の決定は正しいと感じます。
話は変わりますが、アシックスの元の1社、鬼塚株式会社の創業者鬼塚喜八郎さんは何冊か本を出されていまして、私の本棚を見ると3冊あります。一番古そうなのが、「オニツカ躍進経営の秘密」という本で、なんと鬼塚喜八郎さんのサインがしてあります(中古で買いました)。
こんな話を書き始めると終わらないので、今日はここまで。
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