日産自動車の現況

ニュースになっているので、調べてみました。

まず最初にお伝えしておきますが、私はこの会社にほぼ興味はありません。基本、良い会社には興味があるのですが、こういう日産のような会社を調べたところで、何も学ぶところがないからです。

日産について言えば、この会社がなくなっても、誰も困りません。働いている人や取引先は困るでしょうけど、消費者は困らないのです。日産の車がどうしても欲しいとか、そんな人います?トヨタの二番煎じみたいな車ばかりで、なくても別に困らない。存在理由が薄れているんですよ、そもそも。

企業体質も以前から褒められたものは何もない。ずーっと昔からです。若い方は知らないでしょうが、この会社、以前労働組合がめちゃくちゃ強くて、労組の委員長は天皇と呼ばれていたはず。そういう会社です。

最近はその反動なのか何なのか、外資系企業になりたいのか何なのか、私にはまったくぴんとこないです。だいたいゴーンとか招き入れている段階で終わっているなと思いました(当時)。日本企業に欧米流のやり方はそもそも合わないんですよ。いい加減学習すべきです。

本題に入りましょう。日産の半期決算が発表されて、その内容が悪すぎるんで話題になっています。実際ヒドいです。

簡単に数値を見ますと、まず、粗利益率ですが、驚異の14%!これ以上見る必要ないです。終了。ディスカウントストアでもこんな数値になりません。20%を切っていると会社は存続できません。

財務諸表を細かく見ると、要するに車が売れてないんですよ。販売奨励金が含まれていそうな項目(販売諸費)とか広告費が増えてます。売ろうと必死になってますが、その前に粗利が14%なんですから、無駄なことです。何を考えているのか、私には分かりません。

この会社「グローバル」という言葉好きで、何かとグローバルを使いたがるのですが、販売地域は北米に偏っていて、グループの三菱自動車工業が世界均等に売っているのと対照的。全然グローバルではありません。

利益で見ると、欧州の赤字が最もひどい。391億の営業赤字。北米は41億の赤字。売れてないからです。インフレを理由の一つにあげてますが、こんなもん嘘です。なら、ほかの自動車会社も赤字なのか?インフレは同じでしょ。こういうそれらしい言い訳に騙されてはいけません。

この会社、日本仕様のEV(e-power)はあるものの、これ長距離走ると燃費が悪いと前から言われていて、北米で売れるわけもなく(調べてみると販売すらしていないらしい)、ハイブリッドもなく、電気自動車も中途半端、ディーゼルもなく、欧州でも北米でも売れる要素なし。

こういう状況ですから何も驚きはありません。逆になんで今まで利益が出ていたのか不思議。加えて外資系のつもりなのか、社長に6億も払っているわけで、勘違いも甚だしい。社長に過大な報酬を払うのは欧米企業の悪い癖です。こんなもん絶対にマネしてはいけません。半分自主返納とか言ってますが、10分の1でも高すぎると思いますね。ゼロでよい。

資金繰り(キャッシュフロー)ですが、これまた営業段階で赤字。つまり、作って売ってみて、お金が減っているわけですよ。何もしないほうがマシ。終わってます。あくまで半期決算ですが。

この状況で、なぜか三菱自動車工業の株式を、三菱自動車工業に売却してます。三菱自動車工業は自己株式を取得しました。10%ぐらいですね。

最終的に日産の保有比率が何パーセントになっているのか、よくわかりませんが、以前は34%だったので、33%を切っているのは間違いないかなと思います。拒否権を行使できない水準に下がったわけです。資金繰りの穴埋めのために売ったのではないと言っているようですが、9月頃、ルノーから800億円弱で株式を買い取ったので、その穴埋めではないかと思ったりします(実際はわかりません)。三菱自動車工業は現在、特に問題があるわけではなく、業績もまずまずと思います。今期は為替差損が大きいですが、概ね順調(計画通り)と言っていいでしょう。

ホンダとの関係(提携している)なども取りざたされていますが、ホンダの方に忠告しておきます。こんな会社と手を組めば、もろとも沈みますよ。

過去を振り返ってください。ルノーになんかメリットありました?三菱自動車工業に何かメリットありました?上の方で、華々しく花火を打ち上げて出世に利用したやつがいただけだと私は感じています。「俺が提携をまとめました」などという人物がいたのではないでしょうか?実際は知りませんが。

前も言ったかもしれませんが、ホンダは他社と提携してもうまくいかない会社と思います。独自路線で行くべき。

本田宗一郎さんは他社には頼らないが社員には頼ると発言しています。ホンダの方はこの発言の意味を考えるべきです。日産から得られる物なんて何もないと私は思います。むしろ悪い影響が出るのではないかと心配しています。

話を日産に戻しますと、こういう状況を受けて、生産台数を減らし、9000人減らすとしています。生産能力は20%減らすとのこと。ロイターによると500万台の生産能力があるので、100万台分減らすということでしょう。これはかなりの規模。メキシコの工場なんかが対象でしょうか?どこの工場とは言ってないので、国内工場も対象になっているかもしれません。

日産の社長は「ストレッチがすぎた」みたいな発言をしていますが、数字ばっかり追っかけて、中身を置き去りにした結果です。ストレッチがどうのこうのという話ではない。ここで言っているストレッチというのは、ちょっと無理した数字を掲げて、それに向けて頑張らせるという欧米流の考え方です。くだらない(笑)。こういう用語を使うところにも外資系になりたい日産という会社の本性が垣間見えます。社長をわざわざCEOと呼ぶ会社は好きではないです。社長でいいでしょ!日本の会社なんだから。

日産は、元々「日本産業」という名前の略称です。鮎川義介さんが作った会社。元々は、北九州でスタートしてます(その後自動車に算入)。鮎川義介さんの理念などまるで無視している現在の日産。創業者の理念に立ち返るべきと思います。


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