働く人は本当にいないのか?

人手不足と言われて久しいです。実際、中小企業の間では人手不足は深刻になっています。

実際、本当に人手不足なのか、確認してみましょう。

政府の労働力調査というものがあります。統計データです。これのまとめがあるので、見ていきましょう

まず、働いている人の数です。1ページ目にありますね。減ってると思いきや、増えています。長期的に見ても増えています。働く人の数は減ってない!

男性は減ってますが、女性は増えています。これ一つポイントですよね。

もう少し細かく見ると、25歳~44歳の層が減っていて、45歳以上の層は全部増えてます。女性はドンドン増えています。毎年何十万人と増えている。

全体の失業率を見ると、昨年平均で、2.6%。これ、ほぼ完全雇用と言っていいくらいの優秀さです。欧米は大体、4~7%程度。ちなみにこれで景気が悪いとは言えないです。

でも働いていない人も当然いるわけで、その数を見ると、減っています。つまり、日本はドンドン働く人の割合が増えているということです。

働いていない人というと年金生活者を想像しますが、44歳以下の若年層で働いていない人は、3万人増えてます。この層は元々、減っている層です。その中で働かない人が増えているので、結果、若年層の労働力はかなり減っていることは間違いないです。

ざっと見てきましたが、全体として働く人が減っている状況ではないのですが、中身の構成が変わってきていることがわかります。

こういった統計を元に、中小企業で人を採用しようと思ったときの対策は次のようになります。

1.女性をメインに考える
2.45歳以上の中高年層を考える

ということになりますね。若い層は諦めましょう。いないのですから。いたとしても大企業が吸収してしまいます。

企業の戦略を転換すべきなのかもしれません。企業は今まで、まさに25歳から45歳あたりの人、特に男性を主体に事業運営を考えてきたはずです。求人票もこのあたりの人を事実上募集していることが多いです。表向きは年齢制限があるので、求人票に年齢を出してはいませんが、本音はこのあたりの年齢層が欲しい。

この考え方を変える必要があるということ。中高年や女性が主体となった事業展開を考えるべきです。特に男性主体だった建設業などは考えを改めないと、人手不足で本当に倒産してしまうと思います。

現場を見ていて思うのは、ダメな男性の正社員よりは、女性のパートさんを何人か集めた方が、はるかに有益なのではないかということ。男性差別ではないのですが、そう思わされることが多いのは事実です。

女性は一般的に協調性があり(心理学的にそう言われてます)、男性の方が自信過剰なんです。企業で働くのに向いているのはどちらでしょうか?女性です(と私は思う)。

もちろん男性に向いている職種もありますし、力仕事もあります。男性が全部ダメなわけではないのですが、無理して使えない男性を呼び寄せる必要もないと思うわけです。

話を元に戻しますが、こういった統計データを落ち着いて見ることで、本当の姿がある程度わかるわけです。思い込みを捨てる必要があります。経営者は、データを元に考える癖をつけるべき。

さて、今日は、人口の話なので、もう少し広く考えてみましょう。マクロ的にということです。

一般的に人口が減っていくから、経済も縮小していく、と当たり前のように言われているんですが、これ本当でしょうか?

確かに消費とか減りそうですし、正しいような気がしますが、データ的にどうなのか、ということです。

ちょっと調べてみると、ニッセイの基礎研究所の方がまとめていらっしゃったので、これを見てみます。ちょっと記事は古いのですが、今でも当てはまっている感じがします(私の印象です)。

まず、ポイントは、「人口増加率と一人当たりGDPの伸びは無関係」という点です。相関図があるのですが、これ、いわゆる”無相関”に近いですよね。要するに、人口が減るから、一人あたりのGDPも減る、ということではない、ということ。人口が減っても一人当たりのGDPは伸ばせるのです。

ここでも労働力人口が減っていないことが述べられています。先の統計調査と同じ。

働く人の数が減っていなくて、GDPの伸びが止まっているということは、当たり前ですが、働く人一人当たりのGDPが伸びていないという結論になります。

筆者の齊藤さんは、「筆者は人口減少そのものよりも、人口減少によって経済が縮小するという固定概念が経済の停滞に拍車をかけていると感じている。」と結論付けられていますが、同感です。

なぜ一人当たりのGDPが伸びないのか、ということについては、以前書いた私の記事にも少しありますけど、働かなくなった(労働時間の減少)ということが一つの原因として挙げられます。1990年代以降、ナマケモノの国になっています。もし、昔のまま働いていれば、日本の一人あたりGDPは世界一なのですよ!(法政大学小黒教授の仮定試算)。

働き過ぎたなどという批判を真に受けて、労働時間の短縮を進めた結果が経済の停滞につながっていることは否定できないと私は思います。

普通、国民をなんとかして働かせるのが国の政策だと思いませんか?働くな、などという国は日本くらいでしょう。アホ政策、愚民化政策です。

結果、どうですか?日本は世界的に見ても、フツーの国になったのです。今度はアメリカに向けて、「おい、働き過ぎだぞ!」と言わねばなりません(労働時間はアメリカの方が多い)。

結局、欧米の日本弱体化政策にまんまとはまったのですよ!(と私は思います)あいつらを今のまま働かせていたら、自分達が危うくなる、そうだ働かせないようにしよう、こういうことです。要するに日本が邪魔なわけ。

日本は伝統的に労働生産性が低いので、時間数で補ってきた面があると思います。その労働時間を減らしたので、労働生産性の低さがモロ、表に出てきたのではないかと推測します。

労働生産性を低めている別の原因の一つが役所です。日本の役所の非効率さは大したもんです。民間の足を引っ張りまくっています!未だにFAXを送れというのは役所だけ。いまどきFAXですか??(笑)そもそも無駄な規制が多すぎる。役所をなくせば日本は一気に経済成長するでしょう(笑)

例を挙げると国交省は、自動車メーカーいじめ(と私には見える)によって生産を停止させ、関連産業を含めて莫大な国家的損失を与えています。結局安全性に影響はなかったとかさらっと言ってますが、安全性に影響があるようなものを日本のメーカーは作って輸出とかしませんよ!そんなことしたらアメリカとかで莫大な金額の集団訴訟を起こされます。そんなアホじゃないです。自動車メーカーは国を相手に損害賠償を請求すべきですね。もちろんメーカー側に非がある点も散見されることは承知しています。それでも、やり過ぎと感じます。制度の見直しが必要なのでは?と思いますね。

話がそれてしまいましたが、人口減少に悲観的になる必要はなく、一人当たりのGDPを増やせばまだ日本は十分経済成長できます。これは企業レベルでも同じです。一人当たりの利益額を増やす。これが大事になるわけです。

一番最初の話に戻すと、女性主体の会社、中高年層が主体の会社。経営者は、そういう人員構成でやっていかなければならないのだな、と認識を改める必要があります。若い新卒を採りたい、などという希望は一旦、脇に置いてしまいましょう。

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