これまで、高槻市の公立学童の「国の基準が大幅に守られていない現状」について、
「子ども達が住む地域によって、健全な生活が送れるか送れないか」が決まる、
そして、
「高槻市に住む子どもたちが健全に成長するための生活の場は、住んでいる場所によって格差が出る」ことを、高槻市が認めている、
という、
子どもにとって、なんとも不公平な現実を、調査データと現場の生の声を元に紹介してきました。
この記事では、今度は、「学童の指導員の待遇」についてお話します。
Vol. 17 高槻市の公立学童「現場の苦悩」でお話したように、現場の指導員たちは苦悩しています。
いくら現場の指導員に良心があったとしても、高槻市の公立学童のような劣悪な環境で、個人の出来ることは限られているからです。
そして、学童を増やそうとしたところで「新しい学童の指導員のなり手がいない」という問題は、高槻市の慢性的な問題です。
毎月、高槻市が発行する冊子に「学童指導員の募集」が掲載されていますが、十分な応募がありません。
ただでさえ人不足の学童。環境も設備も人員も十分に頂けない学童。
なぜ、所得税納税の貢献度の高い働く親の子ども達は、これほどまでに行政から存在を無視されなければいけないのか、筆者は理解しかねます。
さて、この「指導員の待遇問題」については、令和6年3月25日の「高槻市議会」で、出町ゆかり議員が、熱心に、丁寧に、市議会で質問をしてくださっています。
出町ゆかり議員 1:
※上記URLで議員名を検索すると、令和6年3月25日の議事録を閲覧できます。
子ども未来部長 答弁1:
これまで、質問されてきた、どんな議員さんに対しても高槻市の答弁は、一貫しています。
何の調査も、根拠も示さずに「現在のままで問題ない」と言い切る。
調査データを示しながら、問題点を指摘する出町議員に対して、なんてお粗末な答弁なのでしょうか?
これは、女性議員に対して「女性だから」という蔑視する心の態度の表れなのでしょうか?
(こんな憶測さえ、したくなってしまう・・・けれども、これは、単なる個人的な憶測でしかありません。)
因みに、子どもと関わり、成長を見守ることにやりがいを感じる心ある善良な人材を利用して、その人々がしている仕事の価値を正当に評価せず、少ない報酬(給与)しか払わず、利益を搾取することを「やりがい搾取」といいます。
※「やりがい搾取」は、東京大学大学院教育学研究科教授・社会学者である本田由紀氏が2007年前後に定義した労働搾取構造を意味します。
出町ゆかり議員 2:
子ども未来部長 答弁2:
2点目の質問も、出町議員の質問は、とても分かりやすいものです。
国は、学童指導員を補助する予算を作っている。それを高槻市は使っているのか?使わないなら、使わない理由は何なのか?
ちなみに、国が行っている「放課後児童支援キャリア・アップ処遇改善事業」とは、次のようなものです。
※画像を拡大してご覧くださいね☆
高槻市は、「事業の実施方法に定める国の要件が本市の条件に合致しないため、活用できません」と言っています。
そこで、またもや筆者は、高槻市役所に電話で確認してみました。
「国のどんな要件が、高槻市の条件に合致していないのですか?」と。
そこで、出てきたのが、Cの「事務所長的立場というのが、どういった立場なのか国に確認しないと分からない」という答えでした。
「なら、AやBは、どの条件がダメなのですか?」
と、訊いても「事務所長的立場が、どういった立場か分からない」という答えを繰り返すばかり。
筆者のつぶやき:
高槻市で、この制度が使えるのかどうか、国が行っている「放課後児童支援キャリア・アップ処遇改善事業」について理解するために、国に確認もしていない、ってこと!?
これが本当なら、「事業の実施方法に定める国の要件が本市の条件に合致しない」かどうか、調べもせずに、「合致していないから活用できない」と答弁している、ということになります。
出町ゆかり議員 3:
子ども未来部長 答弁3:
「会計年度任用職員」とは、毎年、評価され、次年度の継続かどうかが決められる身分です。
学童の先生方とお話をしていると、本当に、市からどう見られているかで「いつ雇用を切られるかもしれない」という不安があることを実感します。
因みに、私もそういう身分で仕事をしたことがあるので、そういう不安はすごく良く分かります。「いつ職を失ってもおかしくない」という、生活の底辺が支えられていない不安。
出町議員が訴えているように、学童の指導員は、責任の大きな仕事なのに、それに見合う報酬も身分も与えられていない学童の指導員。
「子どもが軽んじられてるんだなぁ」とひしひし感じてしまう筆者です。
出町ゆかり議員 4:
子ども未来部部長 答弁4:
出町ゆかり議員 5:
筆者のつぶやき:
「今言われた最少の経費で最大の効果を上げる、こういうことが子育て支援に対して本当に合ってるのかどうか、大きな疑問を持ちます。」
「もう、コレに尽きる! よく言ってくれた」って感じです。
出町議員「市民の本音を言ってくれてる~」と嬉しくなる半面、市役所の答弁は、「子ども達も学童の指導員も、人間としてみられていないんだわ」と愕然とせざるを得ませんでした。