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27. パブリック・コメント100件超え「高槻市子ども計画」
前回の記事で「北清水小学校」学童の窮状をお伝えしましたが、無事に臨時室が開かれることになったそうです!
例年よりも早く臨時室決定が為されたそうで、「よかったな」と思いました。
もしかして、これもパブコメ効果?と思ったのですが・・・。
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高槻市「子ども計画」パブコメ100件
高槻市では、この年末年始にパブリック・コメント(以下、パブコメ)が募集されました。
「高槻市子ども計画」と「第三次子ども子育て支援計画」の2つについてのパブコメの募集です。
通常、パブコメで出される意見は10数件。
今回は、学童や保育所など、子ども達の居場所に関わる計画についてのパブコメなので、市役所に対して「市民が子ども政策に注目している」というメッセージを届けるために、有志のお母さんたちとパブコメの数を増やす努力をしました。
その効果もあってか、
「こども計画」に対して、111件、
「こども子育て支援計画」に対して、101件、
3桁を超えるパブコメが提出されたそう。
そもそも、「子ども計画」「子ども子育て支援計画」って何?
という読者さんも多いと思うのですが、この2つの計画は、「こども基本法」という国の法律に基づいた計画として、高槻市が策定するもので、国の法律に鑑みながら「こども計画」が立てられ、その計画に連携して、もう少し細かい計画としての「子ども子育て支援計画」が作られています。
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さて、「こども基本法」という法律では、「年齢や発達の程度に応じたこどもの意見表明機会の確保・こどもの意見の尊重」が基本理念として掲げられていて(第3条第3号、同条第4号)、
第 11 条では、「こども施策の策定等に当たってこどもの意見の反映に係る措置を講ずることを国や地方公共団体に対し義務付ける規定」が設けられているんですね。
つまり、こどもの当然の権利として、「子どもの生活に関わることは、子どもの意見を聞かないとダメよ」という法律、理念、義務が定められているんです。
ところが、高槻市の「高槻市こども計画」や「第3次子ども子育て支援計画」には、子ども意見を聴取したデータがないばかりか、今後、子どもが意見を表明する機会をどう確保していくのか、すら、具体的な対応策が示されていなかったんです。
例えば、新潟市などはパブ・コメの実施にあたって、計画の【やさしい版】を作り、小中学生をはじめとする子どもたちからの意見を募っていたり、他の自治体でも、子どもの権利保障をはかるための条例を制定していたりするんですね。
例:
〇 大阪府泉南市 「泉南市子どもの権利に関する条例」
〇青森県むつ市「むつ市こどもの笑顔まんなか条例」
〇静岡県藤枝市「藤枝市こども基本条例」
〇東京都北区「東京都北区子どもの権利と幸せに関する条例」
〇新潟県「新潟県こども条例」
高槻市の「子ども計画」をみると、市長が「子育てトップランナー都市」と謳っているのとは裏腹に、「子どもの人権が守られない自治体」であることがよく分かる内容になっているのです。
そもそも、「計画」自体に、市の方針が読み取れない、「データの羅列」になっているのですが・・・。
ご覧になりたい方は、下記をクリック☆
その中で、「こどもの意見を聞かない」ということもそうなんですが、市民に隠そうとしていると考えずにはいられない項目がありました。
それは?????
知ってる!?
高槻市の幼稚園・保育園民営化
実は、「第3次 高槻市立認定こども園 配置計画」によって、高槻市は、公立施設の大幅な削減や民間移行を計画しています。
にも関わらず、今回、パブコメが募集された2つの計画案の中に、公立を削減し、民営化していく計画について、市民に全く説明されていませんでした。
計画の中では、保育施設の設置計画のうちで、最終的に公立施設がいくつ残るのか、説明されていないのです。
けれども、実際には、民営化と統廃合を行うことで、最終的には、0歳児から保育が行える公立施設は5施設だけになる計画が立てられています。
(これって、現状の半分以下です。)
赤い線が引いてある施設が、公立⇒民営化される予定のところ。
「公立保育所+公立幼稚園」を統廃合させつつ民営化、さらに、公立施設でも「公立保育所✙公立幼稚園」の統廃合があるので、
全体としては、大きな施設数削減になります。
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色の〇印をつけて、地図上に示してみたので、ご覧ください。
公立 0~5歳保育施設 青印 ⇒ 5施設 (地図の範囲外に1施設)
公立 3~5歳保育施設 緑印 ⇒ 6施設
公立 4~5歳幼稚園 黄緑印 ⇒ 1施設
公立施設が民営化されるもの 赤印 ⇒ 6施設
廃園となり空施設となるもの 黒印 ⇒ 7施設
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他の市町村では、同じように公的インフラが民営化される計画が持ち上がった際、市民運動がそれを食い止めた例が複数あるそうで、高槻市の計画の中でも、特に2030年以降に民営化や統廃合の計画されているものは、まだ「検討段階」ということで、今、声を上げれば食い止めることもできるかもしれない、という段階にいます。
他にも色々、いろいろ、いろいろ、突っ込みどころ満載の「計画」。
学童施設の計画については、次の記事で紹介していきます。