橋の上から〜トンビと鯉の話
こんばんは。高月香里です。
もう数年前のことですが、近所にあるいつもの橋を渡って、横断歩道を渡ろうとしましたら、向こうからフランスパン🥖を抱えた男性が歩いて来ました。
が、しかし、次の瞬間気付いたら私は目をつぶっていて、気絶から覚めるように目を開けました。
何故か目にアスファルトだけがうつり、次の瞬間にはトンビが私とアスファルトの間をバサッと音をたてて横切って行きました。
向き直ると、フランスパン🥖を抱えていた男性は、フランスパンが入っていた紙袋を抱えている男性に変わっていました。
…という話を今日、橋の上で話しました。今日初めて会ったひとに。
きっかけは、川の鯉でした。
白地に黒のブチ、と黒色の鯉。
2匹とも丸々として立派な鯉でした。2匹が寄り添うように泳いでいて、2匹でひとつの円を描くようにクルクル回ったり、同じ方向に向かってS字と逆S字を描くようにと、とても優雅な姿を、ダンスを披露してくれたのです。
それで思わず「うわぁ😍」と声をあげてしまい、そうしましたら「素敵よねぇ」と言ってその方が近づいて来られたのです。
まさか私以外にも見てるひとがいたなんて。
「『流れ鯉』というんだそうですよ。俳句をしているお友達が教えてくれたんですけどね、台風や何かで池から川へああして移動してくるのだそうですよ」
その方はそう教えてくださいました。
それからしばし話をする中で、フランスパン🥖の話をしてしまったのですよね。でも、「とても面白いお話ですねぇ」と仰いましたよ。
鯉のことは、「また現れてほしい、けど、現れてほしくない気もする。他の人に見られて、捕まえられたらイヤだ」ということで気持ちが一致して、橋の上でわかれました。
ご年配の、上品な女性でした。
話が度々前後しますが、私のあのときの反応はなんだったのでしょう。トンビが来たという実感は全くなく、気付くと頭をかかえてかがみこんでいました。
おそらく、トンビは私の後方から頭の上を掠めるように飛んで来て、私の前方にあったフランスパンをゲットし、Uターンして一旦低空飛行して空へ戻って行ったのでしょうけど。
反射神経良過ぎじゃないですかね?私。無傷でよかったです。