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人生初登山のその後、私が起こした行動とは…

前回、人生初登山をした。

厳密に言えば、「自発的に行う登山」が人生初。登山自体は、たぶん小中学生の頃に校外学習でやっていたと思うから。

きっかけは職場の人に「登山とかしないんですか?」と尋ねられたこと。詳しくは以下の記事を読んで頂きたい。

人生初の登山は、とにかく足が痛かったのと、買ったばかりのスニーカーが壊れてしまう不安感でいっぱいだった。

だがしかし、色んな汗をかきながら悪路に立ち向かっていくのは、なんだか冒険をしているみたいで楽しかった。

「男っていうのは、いくつになっても夢と冒険を追いかけていく生きものなんだぜ!」

人生初登山を終えた後で、登った天覧山&多峰主山についてネットで色々と調べていた。そこには次のような意見があった。

「地元の小学生達が遠足で行く定番の山」

「この前の休みに幼稚園生と小1の子どもを連れて登ってきました。小さな子どもでも登れる低山です」

「誰でもすぐに登れる、初めての人でも楽しめる低山」

「あの山は登山じゃなくてハイキングだろwww」

どこもかしこも「軽装で幼稚園生でも登れる手軽な山」という意見ばかりだった。

私のように、

「スニーカーで登ったら足裏が痛くて、初登山の私にとっては結構キツい山でした(T-T)」

という意見はなかった。

大変な思いをした山だったが、世間では「小学生の遠足の山」みたいに扱われていることを知った。

これは正直、悔しかった。

私は運動の習慣がないわけではなかった。暗闇ボクシングのb-monsterには今年で通って6年目になる。45分間で600Kcal以上を消費する激しいプログラムは1日に2セットをしてもへばらなくなった。

だから体力には自信があるつもりだった。

それなのに「幼稚園の遠足」でヒーヒー言っていたのか。

これは悔しい。こんなのは私ではない。

ここで終わらせたくはない。

今回、私が1番苦しんだのは「靴」である。足の痛みはもちろんのこと、それ以上に買ったばかりの靴が壊れる不安感に気持ちを持っていかれた。足の痛み以上に、靴の心配があった。

だから、靴さえなんとかできれば、余裕でいけるに違いない。

登山用の靴を買うか?

登山アニメ『ヤマノススメ』の中で、登山靴は4万円くらいかかると言われて主人公のあおいは衝撃を受けていた。

4万円かぁ。「ちょっと登山でも始めてみようかな」というノリで出せる金額では無い。かなり覚悟がいる。

まだ登山を本格的に始めるか全く分からない。すぐ飽きてしまうかもしれない。だから今の、この状況で登山靴を買うのは、リスキーすぎる。

とりあえず登山靴はどんなものなのかと、登山用品を扱う店へ行ってみることにした。見るだけならば無料である。

私が行くことにしたのは近所にある好日山荘。好日山荘へ行ってみよう、と思う時が人生に訪れるなど思わなかった。

私の人生に無縁だと思っている3大チェーン店、ワークマン、二木ゴルフ、そして好日山荘。その好日山荘がこの度、私の人生とご縁を結んだ。

人生は何が起こるか分からない。

何が起こるかわからないから、人生は楽しい!!

人生は楽しいことだらけ。

生きてていきててよかった!!









…いや、嘘。

楽しくは、ない。

その程度で生きててよかったと思える人生ではない。

人生初、登山靴コーナーへ赴く。4万円とアニメでは言っていたけれど、実際はそこまで高くはなかった。ハイキング〜低い山向けのライト層向けの靴ならば2万円程度で買えるようである。

これ以外にも色んな登山用品&アウトドアショップを渡り歩き、登山靴の値段や種類を見て回った。

告白するが、私は店員に話しかけられることを臨んでいた。

私の予測だと、

「登山靴をお探しですか?」

「あ、いや、ちょっと登山に興味があって、この前、試しに飯能の天覧山を登ったら足が痛くて痛くて。それで登山靴を履いたら楽なのかな、とかそんなことを考えていたんです。

でも、本格的に登山を始めるかは全くわからないですよ。私はすぐ飛びついてすぐ飽きちゃうので。本当に登山をやるのかどうなのか分からないし、登山靴を買って1回登ったら『もういいや』になるかもしれないです」

「そうなんですね。普通のスニーカーで登ったら足が痛くなりますよ。でも、登山靴で登れば痛みはスニーカーほどないです。スニーカーと違ってびっくりしますよ。

むしろ、登山靴を履いて登山すると、登山が楽しくてハマるかもしれないですよ!」

「えー、そうかな。登山靴履いたら楽しくなっちゃうのかな?」

「そうですよ。というか、お客さんは、この前山を登ってみて、登山はいいやってならなかったんですよね?

きっと登山に何か惹かれるものがあったから、今ここにいるんですよ。これは登山にハマる可能性高いですよ。だから、あなたは登山を始めるべきなのです!」

「えー、えへへ、そうですか。じゃぁ、そんな私にぴったりの靴を教えてくださいよ」

「それでしたら、こちらをですね…」

って感じで話が進み、「こうして店員さんと出会ったのも何かの縁だから」とかなんとか変な理由をこじつけて登山靴を買っていたことだろう。

しかし、現実はそんなことは起こらなかった。

お探しのサイズがあったら言ってくださいね、と話しかけられたがそれ以外は何も。

それとも私が登山玄人に見えたのだろうか。こんなに挙動不審な動きをしているのに?

話しかけてもらえなさすぎて、私の方から店員に話しかけることにした。

「すみません、最近、登山に興味があって、でもすぐ飽きちゃって止めちゃうかも知れなくて、でも登山靴履いたら…(うんたらかんたら)」

私の話を聞いた店員は、スニーカーと登山靴の違いや、登山靴選びのポイントなどを丁寧に説明してくれた。

「街歩き用のスニーカーとずいぶん違うんですね。でも、そんな登山靴を思い切って買っても、飽きちゃったら少しもったいないなって思っていて…」

こうして自分の過去の出来事を文字に起こして思うことがある。私って、かなり面倒くさい人間だな。

話を戻す。

私の「やめちゃうかもしれないし…」という話を、嫌な顔ひとつせずに聞いてくれた店員は、「そうだ、それなら!」と頭に電気マークを浮かべた。

「登山用にも街歩き用にも両方使えるような靴にしましょう。それなら飽きちゃっても普段靴として履けばいいじゃないですか」

「え、そんなことできるんですか? ってか、しちゃってもいいんですか?」

「全然、問題ないです。僕も雨の日とかは靴に水はいるの嫌なので、防水加工が施されている登山靴を履いて街を歩いたりしています。

それに例えばこの靴を見てください。これ、登山靴って感じしないでしょ?だから登山靴だからと街を歩いて恥ずかしいことなんてないですよ」

なるほど、街歩き用にも使える登山靴を買えばいいのか。それならば、登山に飽きてしまっても、普段使いとして履けるから完全な無駄遣いにはならない。

そんな保険をかけたので、登山靴購入のハードルはグッと下がった。試しに履いて登山リベンジしてみよう。

しかし、その店には閉店30分前くらいに立ち寄ったので、靴選びをする時間がなく終了。

それから別の日、神保町にある登山ショップ(神保町は登山用品店がたくさんあることをこの時初めて知った)で登山靴のことを話し、自分に合う登山靴をいくつか提案してもらった。

予算は2万円で、というのも忘れずに伝える。店員は予算内で買える靴を数点と、1つ上のグレード3万円の靴を持ってきた。

始めに2万円の靴を試しに履かせてもらう。初めて登山靴に足を通す。

歩いてみると、スニーカーに比べて靴の底が硬く、歩くと靴底が足の裏にピッタリついてくる感覚がある。これから登山を始める人向けの靴だったからか、そこまでの歩きにくさは感じなかった。

次に3万円の靴を履く。さきほどの靴よりも靴底はガッチリとしており、若干の歩きにくさを感じた。しかし、歩くと靴底が足裏に吸い付いてくる、靴底と足裏が一体となっている感じがあった。

「すごい、とても足にフィットしています!」

と思わず声をあげた。

「しっくりくる!ってフィーリング大事です。それは靴がお客さんを読んでいるんですよ」

「いやいや、こっちの方が値段が高いんだから、フィットするのは当たり前だろ」と声に出そうとするのを必死で抑える。そういうことは言ってはいけない。ちゃんと慎んだ。もう大人だから。

それから2万円の靴と3万円の靴とを交互に履いたり、左右でそれぞれの靴を履いたりして吟味する。

「いかがですか?」

「スニーカー感覚で歩きやすいのは、こっちの2万円の方の靴なんですよ。でも、登山靴は靴底が硬くて歩きにくいもの!というのであれば3万円の方がフィットしてしっかり足を守ってくれてる気がします」

「まぁ、それは慣れの問題です。私も初めて登山靴を履いたときは歩きにくさは感じましたが、今では登山靴履いて歩くのは何も感じないです。好みの問題にはなりますね」

「ただ、何度も言いますけど、本当に登山をするかどうか全く分からないです。私、すごい飽き性なので、登山靴を買ったけど1〜2回やって止めちゃう可能性が十分にあります」

「そしたら雨の日とか普段使いで使えばいいんじゃないですか?」

「いや、そうなのかもしれないですけどね。でも、雨天用の靴にウン万円も払うのもなんかもったいない気がします。3万円の靴って結構な靴ですよ。

ってか、私思うんですけど、こっちの方がフィットして履き心地がしっかりしているのって、値段が高いからですよね?」

結局、慎んだ言葉はすぐに出てしまった。こうして文章にすると非常に最低な人間だ、私って。

しかし、そんな私を面倒な顔ひとつせずに対応してくれる。

「わかりました。それではもし仮に、続けるか分からないからと、この2万円の靴を買ったとしましょう。

それで実際に登山してみて

『登山って楽しい。これを趣味にしていきたい!』

となり、本格的にやっていこうとしたとき、こっちの3万円の靴を改めて買うとなったらトータルで5万円かかるわけじゃないですか。

それだったら、最初から3万のこっちの靴を買ってしまえば、安く済むんじゃないですか?」

なるほど。その通りである。

「買う理由が値段ならやめておけ。迷う理由が値段なら買え」

という金言もある。

つまり、迷うべきは値段ではないのだ。足にフィットした方を選ぶべき。私はようやく決断がついた。

ということで、買った登山靴がこちらである。


これが運命の一足

この靴を履いて、前回の山のリベンジをはかる。


履いた様子
天覧山、ふたたび

果たして登山靴の性能はいかなるものだったのか。

そして私は登山に本格的にハマってしまうのか。

それはまた、次の記事で!

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