私的回想録
自分は今麻布十番のオフィスにいる、Rettyのエンジニア。
入社して3ヶ月経つので回想してみる。
Retty Advent Calender 2022 11日目にしての回想録。(そしてAdventarのソースコードはGitHubで公開されている)
自分はエンジニアとしてSier、事業会社と経験してきた。
Rettyのような所謂Web系の会社は今回が初めてだ。
最初、フロントを触ることになった。
自分が避けてきたフロントだ。
とりあえず見よう見まねでコーディングした。
PRレビューを出そうと思った。
PRレビューは他チームの人含めたSlackのPRレビュー用公開チャンネルに依頼投稿するらしい。
自分は今までPRレビューは、GitHubのReviewsから見てほしい人、見るべき人にRequestしていた。
他チームの人に見られるのが恥ずかしいと思いながら、SlackのPRレビュー用公開チャンネルに投げた。
そしたら「お、新しい人きた」と言わんばかりに、他チームの人含めてレビューコメントがあった。
レビュー対応を繰り返し、2日くらいPRが開いたままだった。
その間、他PRが開かれ、mergeされを繰り返し、自分のPRは画面の下の方に追いやられていった。
結果100行程度の変更だったが、Conversation 70近く。
その後もフロントを中心に触っていった。
Rettyはほとんどリモートワークだが、PR上で色んな人との絡みが増えていった。(VPoEやエンジニアリングマネージャーも頻繁にPR上に登場する)
みんながPRを見る、そこには見るべき人が見ることによる属人化を防ぐ、という意図があった。
「品質は大丈夫なの?」とか、「セキュリティリスクは?」と思われるかもしれない。
確かに例えばそのリポジトリオーナー的な人がリポジトリを統べ、門番として立っていた方が、一時的には品質は上がるかもしれない。
ただそのリポジトリオーナーが転職したらどうか。
他の人はそのリポジトリをオーナーに任せてきた。
他の人はそのリポジトリを見慣れていないので、品質は落ちる。
自分達のリポジトリは公開してるわけでもないプライベートでエンタープライズなリポジトリだ。
OSSのように普段から大人数に見られてはいない。
OSSにも"優しい終身の独裁者"がいたりするが、OSSのリポジトリを統べられる人はいくらでもいると思う。
自分達のリポジトリとOSSでは、いかに引き継いでいくかの心構えの訳が違うのだ。
なのでPRを見るべき人を作らない、というのは中長期的に見たら合理的といえるし、今のところ回っている。
Sierにいた頃は、この機能はこの人が見るべきだから、この人をレビューアにして、チェック欄を作って、みたいなことをエクセルで作って運用していた。
ルールを作るより、ルールがない方が難しい、と誰かが言っていた。
Netflix社の"No Rules"も頭に過る。
自分も組織はルールがない性善説に向かっていった方が良いと思っている。
Rettyもその生まれながらにして善の人しかいない世界に向かっていってるのだ。
Slack公開チャンネルで思い出したが、RettyのSlackはほとんどが公開チャンネルだ。
通常の事業会社だと非公開チャンネルが多いかと思う。
通常の事業会社はベンダーやコンサルが入って、他社とPJを進める形が多く、情報の扱いの問題があるからだろう。
Rettyはほとんどの開発を自社のエンジニアでやりくりしている。
なのでRettyに公開チャンネルが多いのは、その辺りの情報の扱いには心配が少ない、という側面もあると思う。
色んな公開チャンネルに顔を出してる人もいるし、まさにOSSのGitHub Issueって感じ。
情報を狭めるのではなく広げる、というのがOSSの考え方に近い。
ということで3ヶ月を回想してみた。
明日12日目はTakayuki EndoさんとMasashi Tomitaさんによるエッセイ。
そろそろ退勤します。