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MMA2024年度上半期ふりかえり

2024年上半期のMMAも色々ありました。
私は主にUFCとRIZINを観ているのですが、色々あった6ヶ月間だったと感じます。まとめて感想どうぞ。長文なんで興味ある階級だけお楽しみください。ちなみに今回の記事とは別でRIZINの記事も載せる予定です。

1.フライ級

■デメトリアス•ジョンソンの引退
かつてはUFCでPFP1位に君臨していたレジェンド•DJが引退を発表。お疲れ様でした。オールラウンダーとしての強さ、ファイトIQの高さ、そのテクニカルな動きは見ていて芸術的なレベルでした。日本人としては堀口との再戦を望んでましたが、もしかすると現役復帰するかもしれないし、その時はお願いします。

■UFCフライ級の動向
現王者パントージャは未だ次戦が決まらないまま。5月にルーキーのスティーブ•エルセグ相手に判定勝ちを収めているけど、次戦は1位ブランドン•ライバルvs平良の勝者とが濃厚??

パントージャは軒並み上位陣とは戦って勝っていて、かつ人気ファイターが少なくいまいち盛り上がりに欠ける階級であるのは事実。MMA無敗のムハンマド•モカエフがマネル•ケイプに判定勝ちしたのにも関わらずリリースされた事、エルセグの直近試合でかつ復帰戦となるカイ•カラ=フランス戦で1RTKO負けをしてしまったのは痛手だった。フライ級のルーキーで残る希望は平良のみ。もしくは、カイカラのタイトル戦挑戦という事も考えられるか。

■その他注目選手
ジャフェル•フィーリョ(16-3)
対戦相手の見つからなかったモカエフの相手として選ばれたUFCのデビュー戦では腕十字をニアフィニッシュまで決めかける大健闘だったがフェイス•ロックにて敗北。その後は2試合連続1Rサブミッション勝利。

■朝倉海UFCの挑戦
いよいよ来ました、海のUFC契約!
これは楽しみでしかないが問題はバンタムかフライか。昨年末大晦日のRIZINで正式発表があったにも関わらず、9月が終わろうとする今もどの階級で戦うのかすら分からぬまま。。。
個人的にはバンタムのベルトを獲得してほしい気持ちはあるが(フライは平良がいるし堀口もまだ契約の可能性はあるはず...)とにかく続報を待ちたい。破格の条件での契約との事で、色々と楽しみ。ただ、噂されているいきなりタイトルマッチはさすがに冷めてしまう。

2.バンタム級

■ドバリシビリ王者戴冠
王者ショーン•オマリーとのタイトル戦では、オマリーがドバリシビリのレスリングに上手く対応できず攻めあぐね、ドバリシビリペースで進んでいき、結果ドバリシビリの判定勝ちといった内容。5Rにオマリーが蹴りを多用しドバリシビリが嫌がる場面もあったが、早い段階でこの展開が作れれば結果も変わったかもしれない。オマリーがあまりにも待ちの姿勢になってた、そんな印象。不調だったのかな。
かくしてドバリシビリが新王者となったが、初防衛戦はおそらくウマル•ヌルマゴメドフ。これは早速難敵がやってくるが、こうあってこそUFC。

■UFCバンタム級の動向
注目株ウマルのタイトル挑戦が濃厚。上位陣はデイブソン•フィゲイレード、ピョートル•ヤン、コーリー•サンドヘイゲン、ショーン•オマリーと役者揃い。トリプルCのヘンリー•セフードは復帰からパッとせず、ヴェラ、フォント辺りは連敗が続きここが踏ん張り所。
下位ランカーも注目度は高い。
10/5にはジョゼ•アルド(10位)vsマリオ•バティスタ(11位)が行われる。
6連勝中だったジョナサン•マルチネスに打撃で勝ちきったベテラン•アルドvs元ランカーのリッキー•シモンに勝った6連勝中のバティスタの対決はかなり熱い。
他にもモンテル•ジャクソン(15位)は5連勝中でカイラー•フィリップス(12位)は3連勝中とイキのいい選手は多い。

■その他注目選手
アイマン•ザハビ(11-2)
アオリ•チロンとのストライカー対決では、チロンのカーフに合わせてザハビ強引に攻めてカウンターを喰らわす。
粗さがありながら、その決定的は驚異的。ストライカーの多いバンタム級で、年齢的(35歳)にもラストチャンスであろうから何処まで上り詰めるかが楽しみ。

ファリド•バシャラート(12-0)
バシャラート兄弟の弟。9勝無敗のままUFCデビュー。
デビュー戦、ダモン•ブラックシモア戦は判定勝だったが次戦のクレイドソン•ホドリゲス戦では勢いのあるホドリゲスの動きに合わせながら肩固めで一本勝ちをしている。

ペイトン•タルボット(9-0)
プロスペクト選手。テイクダウンされてからのリカバリーに不安はあるが打撃の精度は一級品で、UFC3試合連続フィッシュ勝利を飾る。

ベクザト•アルマカーン(11-2)
UFCデビュー戦でウマルとの対決。思い切りのいい打撃とグラウンドの対処が上手く、思いの外善戦したが、やはり相手が悪かった。
しかしタフさと根性は見せつけた。

マーカス•マクギー(9-1)
3日前代打で急遽UFCデビューを果たし一本勝ちを収める。勝利の全てがフィニッシュと魅力的。
2戦目も右のカウンターでKO勝ち、3戦目も打撃戦を優位に進めて2RTKO。

3.フェザー級

■イリア•トプリア王者戴冠
長らくフェザー級の頂点に君臨していたアレクサンダーヴォルカノフスキー。かつての王者ホロウェイに合計3度勝ち、階級上のマカチェフと激闘を繰り広げたヴォルカノフスキーvs圧倒的な格闘センスを見せるトプリアの対決は早い決着となった。2R、トプリアの圧力でヴォルカノを下がらせた所にコンビネーション→右フック。まさかのヴォルカノを粉砕し、王者となった。
こうなると現れるのはヴォルカノとフェザー級の双璧を成す男マックス•ホロウェイ。ヴォルカノ以外には今までも全ての強者を跳ね退けてきた。ヴォルカノからも「ホロウェイとは戦うな。王者である俺まで辿り着かない」と困らせてしまう程、フェザー級トップの男である。
ここでトプリアがホロウェイをも撃破してしまうか。やはりホロウェイが強さを見せつけるか。
王者 イリア•トプリアvs2位 マックス•ホロウェイが楽しみでならない

■3位 ディエゴ•ロペス
9月のブライアン•オルテガ戦。1Rのワンツーで全てがロペスの流れに。オルテガに寝技の展開へ持って行かせない試合運びで、終始打撃の攻防でロペスは主導権を握る。フェザーでも屈指の実力者であるオルテガに完勝したロペス、残るはフェザー二大双璧のヴォルカノ、ホロウェイに現チャンピオンのトプリアのみ。さぁ頂点は見えてきた。

■UFCフェザー級の動向
10/26のトプリアvsホロウェイは言うまでもないが、ヴォルカノ、ヤイール•ロドリゲス(4位)、オルテガ(5位)の復帰戦、アルジャメイン•スターリング(9位)、モフサル•エフロエフ(6位)、リローン•マーフィー(12位)など連勝組の動向も気になる所。そういう意味でエフロエフvsスターリングの消滅は本当に残念でならない。

■その他注目株
ジェアン•シウバ(14-2)
UFCデビューから3試合連続KO勝ち。
デビュー戦は代役選手をKOしただけなので実力は未知数だったけど、2戦目のシャルル•ショーデイン戦では打撃の強さと腰の強さを見せつけ、実力を示した。3戦目はライト級から落とした元ランカーのドリュー•ドーバー相手にドクターストップではあるがTKO勝ち。激闘を制した。

ウィリアム•ゴミス(14-2)
早い打撃が武器のストライカーで、5連勝中のジョアンダーソン•ブリートと一進一退の攻防を繰り広げた結果、ゴミスの判定勝ちでUFC無敗の4連勝。次期ランカー挑戦のチケットを手に入れた形となる。

チャペ•マリスカル(17-6)
フェザー級の有望株ジャック•ジェンキンスとスタンドで互角の戦いを見せ、足払い後にマットに投げつけ、ジェンキンスは腕をつき脱臼。アクシデント的な勝利ではあったが、組の展開でもジェンキンスを投げる強さを見せつける。その後も勝ち続けUFC4連勝中。

4.ライト級

■圧倒的王者マカチェフ
ダスティン•ポワリエとの激闘を制したポワリエの次戦は。今回の一戦でマカチェフ攻略のヒントが見え、おそらく相手は因縁?のツァルキヤンになりそう。決まれば絶対に盛り上がる。

■トニー•ファーガソンの引退?
かつては対戦相手を血まみれにし、返り血を浴びるその様相はまるで悪魔。エルククイ(スペイン語で子どもを攫う鬼)というニックネームがこんなにも相応しい男がいただろうかという程であるが、ゲイジー戦から8連敗。あまりにも残酷である。完全にゲイジーに壊され、チャンドラーにトドメを刺された感が否めないが、もう引退でいいのでは。これ以上負けるファーガソンは見たくない。

■ヨエル•アルバレスの復活
21勝3敗。21勝の全てがフィニッシュ勝利という恐ろしいフィニッシャー。190cmの長身から放つ打撃とグラウンドになっても仕グラップリングは脅威的やが、ツァルキヤン戦ではランカーの実力を見せつけられ、無惨な敗北を喫す。
静養中に現れたルーキーのエルベス•ブレナー戦では、相手の得意な形に作らせず打撃で圧倒し復帰戦を見事なTKO勝ちで飾る。UFCに参戦してだいぶ経つが、今年やっとランカー入りするか⁈

■フッカー真夏の大決戦
8月。ガムロット戦。私はフッカーと同い年なので非常に応援しているのですよ。ただ、チャンドラーのUFCデビュー戦では見事な噛ませっぷりを見せられて「もう終わったな...」とさえ思ってましたが、まさかのガムロットに競り勝つとは。
ここからフッカーの最後の挑戦が始まるのかもしれない。

■モイカノの覚醒
ここにきてまさかの4連勝。しかも対戦した相手は勢いのあるルーキー達が多く、その強さを明らかにした。
打撃が以前よりも上達した事がモイカノを強くしており、フッカー同様、ベテラン最後の挑戦になるかもしれない。

■ライト級の動向
まずはマカチェフvsツァルキヤンの発表を待ちたい。ゲイジー、ポワリエ、ダリウシュのトップ組は果たしてどう動くか。フッカー、モイカノはどこまで上り詰めるか。トップ組に及ばなかったガムロット、フィジエフ、サン=デニ、ターナーらルーキー組の逆襲は。ピンブレットというジョーカーもランカーに入りどう変化があるか。10月からも見どころ満載な階級。
まずはオリヴェイラvsチャンドラー2を楽しみにしておきたい。

■その他注目株
エステバン•リボビクス(14-1)
ローカルは11-0で全フィニッシュ。
UFCでは3勝1敗。
テレンス•マッキニー戦では、秒殺男を逆に秒殺勝利し華々しいKOを飾り、現在3連勝中。

マウリシオ•ルフィ(10-1)
勝利の全てがKO/TKO勝ちというフィニッシャー。UFCのデビュー戦となるvsジェイムズ•ムラーキーでは、中堅ムラーキーを撃破。ノーモーションの打撃とテクニカルなコンビネーション、カニバサミや水平蹴りなどトリッキーさも見せる。華のある選手。

マヌエル•トーレス(15-3)
トーレスはMMA14勝の内13勝が1Rという、ワンパンマン型ストライカー。しかし、2敗はいずれもサブミッションでの敗北となっている。磨けば光る原石の様だが、ノーランカーという立場から今後は何処まで突き進む事が出来るか。期待。

5.ウェルター級

地獄の階級、ルーキー揃いで下からの突き上げも強く、かつベテラン勢も一筋縄ではいかない。どちらかというとレスリングベースの選手が多い印象。その中で現王者ベラル•マハマッドは所謂地味強の代名詞といっても過言ではなく、エドワーズ、ウスマン、バーンズ、コヴィントンなどの塩味高めの実力者が多い。
そして何より新鋭達の多さ。
3位シャフカト•ラフモノフ(18-0)
4位ジャック•デラ•マダレナ(17-2)
6位ショーン•ブレイディ(17-1)
7位イアン•ギャリー(15-0)
12位マイケル•モラレス(17-0)
この5人が何処まで暴れ回れるのか注目。
個人的にはマダレナが王者になってほしい。

またベラトールから移籍したマイケル•ベノム•ペイジが何処まで盛り上げられるのか。

6.ミドル級

■デュ•プレシの防衛
8月。アデサニヤ戦でまさかの4R逆転一本勝ち。
プレシがUFCで頭角を表す頃からずっと言い続けてた事だけど、彼のドタバタ打撃は一周回ってカウンター合わせづらいのか?
ボディ大分効いてたけど、プレシの打たれ強さと粘り強さと仕留めきる力には天晴れ。プレシにとって倒さなければいけないのはあとチマエフくらいか。
はたまたペレイラの帰還か。。。

■ミドル級の動向
3位ナッソーディン•イマボフ、7連勝中で5位カイオ•ボハーリョ、5連勝中で13位のアンソニー•ヘルナンデス、14位で四次元殺法のミシェウ•ペレイラは連勝を重ねているのでどこまで行けるか見もの。
中でも12位で超ルーキーのカムザット•チマエフvsミドル級元王者で現在3位のベテラン ロバート•ウィテカーはかなり楽しみ。

■その他注目株
ジョー•パイファー(13-3)
試合決定率が非常に高いアグレッシブファイターで、UFC出場から3戦3フィニッシュと将来有望選手。4戦目ではランカーのハーマンソンと組まれたが、カーフに苦戦し連勝はここで止まる。5戦目のバリオー戦は、相手のテンプルに一撃を喰らわせそのまま畳み掛けKO勝ち。再起戦を勝利で飾る。

ロマン•コピロフ(13-3)
ミドル級らしからぬ打撃の速さと威力でKOを量産。UFCデビューから2連敗したが、その後は4連勝4KOと好調の波に乗っていた所でヘルナンデスに敗北。復帰戦となるアルメイダ戦では判定勝ち。まだチャンスはあるし、動向を注視。

7.ライトヘビー級

■異次元な強さ アレックス•ペレイラ
ライトヘビーに転向して4連勝負けなしの王者。怪我により王座返還していたジャマール•ヒルを子供扱いするかよ様に倒し、プロハースカの打撃をもらう事なく仕留めた。あの左フックはどうなっているのだろうか、不思議でたまらない。10月に防衛戦があるが、なぜか相手はラウントリーJr.。アンカラエフでないのは何故だろう。

■ライトヘビー級の動向
ランカー上位陣(イリー、アンカラエフ、ヒル、ブラホビッチ)の動向が気になる所。
下位ランカーはラウントリーJr.は勿論だが、6連勝中で5連続フィニッシュ勝ちのカーロス•アルバーグ、MMA14勝無敗のアザムト•ムルザカノフに期待。
アルバーグ、ムルザカノフ、グスコフなどのルーキーも出てきてはいるが、もう少し全体的にインパクトが欲しい所。

8.ヘビー級

■ヘビー級の動向
王者はライトヘビーから階級を上げたジョン•ジョーンズ。当時王者であったシリル•ガーヌから簡単に一本を取り、2回級制覇。しかしその後は1年以上試合をしておらず、11月にようやくスティーペ•ミオシッチとのタイトル戦が決定している。この試合を最後に引退を仄めかしているが、どうなるかは不明。

暫定王者はトム•アスピナル。セルゲイ•パブロビッチとカーティス•ブレイズに両者ともTKO勝ちをしているので、文句なしの王者と思うが、なぜJJと正規王座戦が組まれなかったのか。

10月には2位ガーヌvs3位ヴォルコフがあるがここでヴォルコフが勝てば長年の苦悩がやっと花開く。期待したい。
ルーキーのジャイルドン•アウメイダが負けてしまいUFC6連勝が途絶えたのは非常に残念。
新たなルーキーが早く出てこないと、ヘビー級は停滞しそう。

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