
UFC2024振り返り
2024年もお疲れ様でした。
一応UFCは2024年度上半期で振り返りを行ってますが、年度でなく年単位で振り返った方がわかりやすいので、今回は10〜12月の振り返りです。
上半期記事はこちら↓
フライ級
■朝倉海 UFCデビューでいきなりタイトル戦

10月に発表された朝倉海のUFCデビュー戦、それはいきなりのタイトルマッチで色々と噂があったがまさか本当にタイトルマッチとは予想だにしなかった。
理由は様々で、マッチメイクの難航は想像出来たけど、どうやら上位ランカーには断られたみたい。ランカーがUFCデビュー戦の選手とやるのはあまりにもリスキーだしメリットも無いから「まぁそりゃそうだよね」という印象はある。
ただ、RIZIN王者が好待遇で契約出来てるのは今までの流れから見ても明らかだし、これは決して悪くない流れ。
その内「RIZIN王者ならやる価値がある」となれば、それは素晴らしい事。
その中で決まった王者との一戦。
不安要素の方が多いのは間違いない。
結果は残念ながら2R一本負け。やっぱり不安要素の部分が実際に影響した結果になったか。そして何よりパントージャのプレッシャーに完全に圧されてしまっていた。
ただ、この敗北は決してマイナスではなくてここからどの様に這い上がるか、今後も盛り上げてほしい。
■平良達郎 初敗北

1位ブランドン•ロイバルとの次期王者挑戦権を懸けたといっても過言ではない一戦。
ライブ観戦してた時は善戦している様にも見えたけど、振り返ると打撃で効かされグラウンドも対処されており、敵わなかった試合だった。
ただ、朝倉海と同じ事がいえる様に、この敗北は決してマイナスにはならないと思う。ロイバル相手にスプリット判定まで持ち込めたのは大きく、次戦の成長に期待したい。
■ランカー達の動向
⚫︎2位ブランドン•モレノvs3位アミル•アルバジ

5連勝中のアルバジが元王者モレノに挑む形だったが、実際は打撃でモレノがアルバジを圧倒しモレノ判定勝ち。アルバジが足を引きずる仕草などあり、負傷していた可能性はあるがランキング以上の差があった。
⚫︎9位マネル•ケイプvs12位ブルーノ•シウバ

ケイプはストライキングが洗練されている。一方でシウバは荒々しく素早い打撃に加えてタックルを混ぜるもケイプがシウバの動きを見切り、ローブローを3発食らうが結果的に圧倒した。
フライ級の体重が適正階級なのが窺える。
パントージャ戦もいいけど、その前にカイ=カラとのストライカー対決を観たい。
⚫︎アスー•アルマバイエフ(21-2)(4-0)

30歳のアルマバイエフ、UFC参戦後は3連勝し、7位マテウス•ニコラウとのランカー戦。ニコラウは2連敗中だったがその相手はブランドン•ロイバル、アレックス•ペレスでアルマバイエフとは立ち位置が違う。その中でアルマバイエフは完勝し、ランカーとなる事が出来た。来年も期待出来る選手。
■注目選手
⚫︎クレイトン•カーペンター(8-0)

UFCデビューから2連勝中で全て一本勝ち。打撃が強く、打撃ベースで戦い優位なタイミングからテイクダウンを仕掛け一本でフィニッシュ。期待のできる選手。
⚫︎ラマザン•テミロフ(18-3)(1-0)

RIZINで浜本キャットと征矢を倒し2連勝後、UFCデビュー。平良も倒したCJベルガラがデビュー相手だったが、打撃で圧倒し1Rフィニッシュ。RIZINファイターという事で応援したい。
バンタム級
■ケージレスリング膠着問題

注目していたアルドvsバティスタは何とも後味の悪い結果に。それはケージレスリング時の膠着状態について。これ以上動きがないと判断した場合はブレイクしないとケージに押し付けているだけでは何もならない、というもの。
ダナの言う通り、ケージレスリングの際はしばらく様子を見ていい場合とブレイクした方がいい場合があると思う。逆にRIZINは少し動きが止まっただけですぐブレイクするけど、それもよろしくない。レスラー、グラップラーにとって不利な状況を生む。レフェリーの技量と団体の考え方次第。
■ランカー達の動向
⚫︎ジョゼ•アルド
バティスタのケージはりつけ攻撃で負けたアルド、非常に残念。打撃は優っていた様にも思える。(バティスタ右目カットの影響もあるけど)
ここからの展開はどうも下位ランカーの門番役になりそうな気もする。。。
⚫︎3位ピョートル•ヤンvs5位デイブソン•フィゲイレード

本来のヤンの強さが戻ってきた気がする。フィゲイレードのしたい事をさせずにヤンペースで進め打撃で優位になり、テイクダウンも捌きペースを握らせなかった。判定勝利。ショーン•オマリーとタイトルを懸けた再戦がありそう。
■注目選手
⚫︎ダニエル•マルコス(MMA:17-0)(UFC:4-0)

17勝無敗でUFCも引き分けを挟んで4連勝中。
自分の距離で戦うのが上手く、ボクシングスキルが高い。ストライカーのエイドリアン•ヤネスとの打撃戦も制し、次戦はランカー戦待ったなし。
フェザー級
■一時代の終焉

10月のUFC308で王者トプリアとホロウェイが組まれたが、結果は3RトプリアのTKO勝利。
1Rはトプリアのカーフを嫌がりながらも足で距離を取り、ホロウェイの打撃があたってた印象。2Rはホロウェイが距離を掴み、トプリアに有効打を効かせていた。「これはホロウェイペースでは⁈」と期待した矢先の右ストレート。ホロウェイグラつき立て直すもレベルチェンジしたトプリアが上手かった。
かくしてフェザー級の二大牙城を完全に崩したトプリアは完全に一つの時代を終わらせた。
ここから新時代が始まる。次のタイトル戦はヴォルカノvsディエゴ•ロペスの勝者が濃厚。
■ランカー達の動向
⚫︎6位モフサル•エフロエフvs8位アルジャメイン•スターリング

極上のグラウンド対決が見れた。スターリングがアタックを仕掛けに行く回数が多かったがエフロエフのグラウンドテクニックが一枚上手で、その攻防は見応え抜群。これがランカー中位同士の戦いという事がフェザー級の恐ろしさを物語っている。
ライト級
■ランカー達の動向
2位チャールズ•オリベイラvs7位マイケル•チャンドラー

数年前にライト級王者を懸けた2人が再び合間見える。
今回もオリベイラペースで試合を進め、盤石の試合運びだったが、5R、チャンドラーの反撃が最高だった。チャンドラーがオリベイラをニアフィニッシュまで追い込む場面もあり、本当にチャンドラーの試合は外れがない。
結果、今回もオリベイラの勝利に終わったが、2024年ベストバウトの1つに入る試合。
■注目選手
⚫︎ヨエル•アルバレス(22-3)(7-2)

ベースは柔術でローカル時代はサブミッションでの勝利が多かったが、UFCに参戦後は打撃でのフィニッシュが多くなる。UFCデビュー戦は当時のルーキー、ダミル•イスマグロフ判定負けしたがその後4連勝4フィニッシュ、勢いに乗った所でアルマン•ツァルキヤンに圧倒的な実力差を見せつけられボッコボコの2RTKO負け。その後復帰戦から3連勝3フィニッシュ中。今度こそランカーになれるか。
⚫︎グラント•ドーソン(22-2)(10-1)

UFCキャリアは長く、連勝を続けていたが大事なランカー戦ではまさかの敗北。ボビー•グリーンの型にハマらない打撃に面くらい1R開始早々にKO負けしてしまったが、そこから2連勝中。本来の強さを見せている。
⚫︎マテウス•レベツキ(20-2)(4-1)vs
ムイクティベク•オロルバイ(13-2)(2-1)

フィニッシュ率が高く爆発力のあるレベツキに善戦したオロルバイ、両者ともかなりのタフファイターで、超濃厚な試合で大満足だった。この試合がノーランカー対決なのが恐ろしい。
ウェルター級
■ランカー達の動向

地獄の階級ウェルター級。以前はそうは言いながら糖分が足りない状況であったが、今年のウェルターは抜群に面白い。というのも、ルーキーが集結してきている。
ベテランでいえばムハマッド、ウスマン、エドワーズ。
ルーキーはラフモノフ、ブレイディ、マダレナ、ギャリー、モラレス。
動向が気になるMVPとチマエフ(ウェルターバージョン)。
これは来年戦国時代になりそうな予感。
シャフカト•ラフモノフはギャリーとの無敗対決を制し、王者ムハマッドとの対戦が決まっている。
戦前はラフモノフが有利かと思われたが、ギャリーが善戦した事もあり、初めての敗北ではあるが評価は落とさず。むしろ上げたくらいかも。
ホアキン•バックリーはウェルターに変えて6連勝中。アグレッシブな打撃と圧力、(上手いかは不明だが)しつこいテイクダウン能力が強み。40歳を超えるトンプソン、近年は下降気味のコヴィントンではあるがランカーにしっかり勝ちきる。
■注目選手
カルロス•プラチス(21-6)(4-0)

ルーキーといえば彼を忘れてはいけない。今年2月にUFCデビューし、そこからコンスタントに4試合をこなす。そして4連続KO勝利中。圧倒的な打撃とプレッシャーで対戦相手は下がる事しか出来ない。前戦は15位のベテラン、ニール•マグニーをド派手にKOしランク入り。来年の活躍が期待出来る。
ミドル級
■チマエフの異次元的強さ

UFC308のコメインでウィテカーvsチマエフがあったが、ウィテカーはしっかりグラウンド状態でも対処していたが、2度目のグラウンド状態のチマエフのネッククランクでウィテカーの顎を砕いた。ウィテカーの怪我もあった様だが異次元な強さを改めて見せつける事が出来た。プレシとのタイトル戦を是非観たい。
■ランカー達の動向
⚫︎14位シャラ•マゴメドフ(15-0)(4-0)

隻眼戦士シャラマゴ。前戦のアルメン•ペトロシアン戦で2連続バックスピンエルボーをヒットさせKO勝ちし、強烈なインパクトを残してランカー入り。来年は癖者マイケル•ヴェノム•ペイジとの試合が決まっており、注目の一戦。
■注目選手
⚫︎ライニアー•デ•リダー(18-2)(1-0)

ONEの元ミドル級、元ライトヘビー級王者がUFCデビュー。デビュー戦はノーランカーのジェラルド•マーシャートだったが得意のサブミッションで3R一本勝ち。勝ったとはいえ打撃面など課題の残る結果となった。
ライトヘビー級
■圧倒的強さのペレイラ

ヒルを倒し、イリーを倒し、ルーキーのラウントリーJr.を倒し、果たしてライトヘビーでペレイラに勝てる選手はいるのか、もうアンカラエフしか残っていない気がする。少なくとも打撃で倒すにはキックボクサー王者クラスの打撃の持ち主でないと厳しい。ライトヘビーは打撃を強みとする選手が多いので、ペレイラとしてもある意味やり易い階級なのかもしれない。
■ランカー達の動向
⚫︎1位マゴメド•アンカラエフvs5位アレクサンダル•ラキッチ

なぜこのカードが組まれたのかは正直なところ分からず、順当にいけばペレイラvsラウントリーJr.ではなく、アンカラエフがタイトル挑戦で何らおかしくない展開だったけど何故かラキッチと。
モチベーションが下がっただろうけど、しっかり勝ってくれてよかった。来年こそタイトル挑戦出来るのでは。
ヘビー級
■ジョン•ジョーンズ1年8ヶ月ぶりの防衛戦

2023年3月にシリル•ガーヌとのヘビー級タイトルマッチを制したJJの防衛戦。
相手はヘビー級のレジェンド、スティペ•ミオシッチ。年齢が42歳で全盛期が完全に過ぎてる事もあり良い所なく敗北。JJはヘビー級暫定王者、トム•アスピナルには興味なくペレイラとしたいと発言。
これでは暫定王者の意味が無くなるが、どうなるヘビー級。