
フォークと昔の恋
マガジン「アートとスピのつれづれ日記」で書いたんだけど、最近フォークソングにふたたびハマって聴いてるのよ。
フォークは哀しくていいよね
泣くかわりに聴いてる
大人って
なかなかいつも泣けない
4歳になる娘を見ながら思う
たくさん泣いてね
大人になったら
なかなか
泣けないから
そんなわけで、
フォークソングにハマって、色々聴いてるうちに
中島みゆきの「タクシードライバー」聴いて
泣きそうになった
昔の恋を思い出して。
ものすごくものすごく
好きな人がいたのよ。
大学時代の同級生でね
年齢はひとつ上だったんだけど
彼との恋は
また別の時に
何度も何度も話そうと思うけど、
もう、本当に好きで
もう、こんなに人を好きになることはないって
思ったし
十年ぶりに彼に再会したとき
本人にも言ったのよ
昔も今も大好きで
これから先も
たとえ、結婚とかしても
ずっとずっと大好きだって
そのくらい大好きな人が
結婚することになってね
東京に行くことになったのよ
彼女が妊娠したから
結婚することにしたから
彼は芸術家で
フラメンコダンサーでね
長身で 優しい顔で
そんな彼が
東京行く前に
広島の店でフラメンコを踊ったのよ
迷ったけど
友達誘って観に行った
もう
会えないかもしれないから
素晴らしいダンスだったのよ
ステージで踊る彼は
キラキラしてて
楽しそうで
たくましくて
赤ちゃんを抱えてあやして喜ぶ
そんなアクションのダンスも
アドリブでしたりして
ほんとに
輝いてて眩しくて
遠かった
早々に店をでてね
友達とふたりで居酒屋入って
わたしは、もう
我慢できずに泣いた
わんわん こどもみたいに
大好きで
大好きで
たまらなかった
友達も
半泣きになって
一緒に呑んでくれたっけ
さんざん泣いて
笑顔で別れて
わたしは
タクシーに乗った
終電に乗り込むために
繁華街のネオンがきれいで
きれいで
また、泣けてきてね
わたしまた、
泣いた
今度はしずかに
鼻をすすりながら
しくしく泣いた
そしたらさ、
駅についてタクシー降りるときに
タクシーの運転手が
「風邪、お大事に」て
言ってくれたの
なんかさ、
その言葉
「元気だしてね」て
そんなふうに聞こえてさ
わたしまた、電車の中で
もう、周りなんか気にせず
わんわん泣いた
思い出して泣きそうになるわ
一生懸命だったわたしが
愛おしく思う
フォークソングてすごいよね
そんなことを
一気に思い出させる
フォークソングが沁みる
そんな恋を
そんな人生を
経験できてよかったと思う
わたしがむかし作った失恋の短歌で
そういうのがある
「数々の中島みゆきのわかれうた 沁みるだけでも儲けもんだわ」
恋も人生もフォークソングも
苦くて切ないほうがいい
さ、今日はこれでお開きにしましょうか。
高田泉の恋酒場。
また遊びにきてちょうだいね。