iCAREのVPoEを退任します
7月をもってVPoEを退任します
iCAREでVPoEをしております安田です。
私は2020年7月よりiCAREのVPoEを努めてまいりましたが、今年7月をもって、VPoEを退任し、後任の方に役職をお譲りします。後任は未定で社内外に広く募集をかけているところです。(求人情報は記事下部をご覧ください)
なお、退任後ですが、iCAREにおいて新たな役割を担い、組織としても個人としても新たな挑戦、冒険に乗り出す予定です。その詳細についてはまた別の機会にご紹介したいと考えております。
なぜ退任するのか?についてはこの新たな挑戦の話抜きには語れませんので、今日はiCAREでのVPoEとしての取り組みについて振り返りつつ、後を継いでくださる方に向けて、このVPoEという仕事の魅力、iCAREの開発組織の魅力、そして今抱えている課題についてお話してみたいと思います。
開発組織の拡大、成長
上述しましたとおり、私は2020年7月からVPoEとなり、もうすぐ2年となります。当時、iCAREの開発組織は20名弱だったのですが、それが現在は約50名の組織になっており、約2.5倍の拡大、成長をしております。
組織規模の拡大により、デリバリーの高速化、サービス品質の向上が進み、Carelyは飛躍的に事業を成長させることが出来ました。
この成長は、開発メンバーたちのたゆまぬ努力の賜物なのですが、私もVPoEとしてこの成長を裏側で支えることができたことは、本当に誇らしいことだと思っております。
大切にしてきたこと
この間、私がVPoEとして特に大切にしてきたことは、メンバー一人一人の希望、得意領域をまず大切にし、それを事業的ニーズに合わせてチームを作る、ということです。事業としては、事業的ニーズがまず先行して存在するのは間違いないですが、そこに人をはめ込むとどうしても「人」側に無理が生じます。サステナビリティを実現できないのです。なので組織を構成する際は、事業とは異なる様々な条件や要求を持った「人」を起点として考え、事業的ニーズに向けて「人」の志向性を保った形で成長や変容を促すのです。
その点について、一つの好循環を生むことが出来た最近の例として、実務未経験エンジニアの採用と教育があります。
好循環の事例
実務未経験エンジニアの採用については過去の記事、エンジニア採用戦略で大切にしている3つの点や採用担当者から見る、実務未経験エンジニア市場で起こっていることに記載していますので、詳細は割愛しますが、ちょうど一年前ほどの2021年の5, 6月あたりからiCAREは開発者の募集の条件を大幅に変更し、実務未経験エンジニアの採用を強化しました。
それまでは実務経験があることを条件としていたのですが、採用市場に実務経験者が枯渇してきたこと、iCARE開発組織の規模や文化が十分に成熟し、実務未経験者を受け入れることができる状態だったことなどを踏まえて、実務未経験エンジニアの採用に踏み切りました。
開発や組織の施策はなかなか思い描いた通りには行かないものですが、この条件変更に伴い、入社したメンバーたち(実務未経験のエンジニア3名、実務経験はあるものの短い実務経験しか無い、もしくは他言語経験しかないといったエンジニア5名)は一人残らず、すでに一開発者として十分キャッチアップを遂げ、今なお急成長を続けています。
このことは良く考えてみると驚くべきことだと思ってます。
普通であれば、技術キャッチアップに挫折したり、技術的な困難さからメンタル不調に陥ったりとか、何人かは生まれてもおかしくないと思うのですが、全くありません。
採用、リテンションを実現する条件
このことが成立するためには以下のような条件が必要です。
意欲、能力の高い未経験エンジニアが応募する前提として、魅力的な企業として認知されていること
成長、適応を前提にした採用をしなければならないので、マッチングを見抜く選考ができること
教育体制が整っていること
入社した人が嫌な思いをしない、もしくは教える側が疲弊したりしない開発現場であること。言い換えると先輩後輩が助け合う文化があること
これらの条件は、エンジニア一人一人を大切にする文化なしには成立し得なかったと考えています。採用では、一人のエンジニアのために何人ものメンバーと何度も顔合わせをし、しっかりと本人の希望と環境の要求のマッチングを確認した上で採用を進めています。それは新たに入社してくるメンバーを不幸にしないためにも必要ですし、既存のメンバーたちを不幸にしないためにも必要です。もちろん事業は新たな開発人員を迅速に必要とするので、常にそのニーズを意識しながら、かつそれに呑み込まれることなく、個人を尊重することを優先しつつ採用を進めています。
リーダー・マネージャーの活躍
以上、実務未経験エンジニアの採用と教育という事例を通して、私が大切にしてきたこと、iCAREの開発部が大切にしていることを書いてみましたが、もう一つ付け加えたいのは、この文化は開発組織を支えるマネージャー、リーダーといった中堅エンジニアたちの活躍なしにはあり得なかったことです。
先述したとおり、iCAREの開発組織は約50名の大所帯なので、複数のチームに分かれており、それぞれのチームはマネージャーやリーダーによってリードされています。私が一人ひとりのメンバーと関われる時間は非常に限られており、メンバーと直接関わるのはこれらのマネージャーやリーダーです。実務未経験エンジニアたちが迅速に成長できたのは、本人たちの努力に加えて、これらのリーダー・マネージャーの献身的な指導やサポートがあったからにほかなりません。そしてこれは、リーダー・マネージャーがiCARE開発部の文化をただの理念として理解するだけでなく、体現していることによります。実務未経験エンジニアの成長・活躍だけでなく、開発組織が非常に高い定着率を実現出来ているのも、彼らの細やかな配慮や努力の成果にほかなりません。
未解決の課題
さて、ここまでは私がVPoEとして注力し、それが成果として実を結んできたことのお話なのですが、当然ですがここまでの取り組みではまだまだ解決できていない課題もたくさんあります。
採用
事業が急成長する中で、その成長が要求するだけの開発人員の確保ができていません。これはiCAREのブランディングや採用施策が不十分だということであり、そこにおいてまだまだ改善の余地があるはずです。
高スキルエンジニアの確保
アプリケーションが複雑化しシステム的な要求が高度化する中で、高いスキルを持つエンジニアが足りない、という問題もあります。ここは採用に加えて、
教育体制の拡充
学習する組織文化作り
学習・研究に取り組める制度作り
といった取り組みが必要だと考えています。
開発者がiCAREにとどまり続けられる環境づくり
キャリアパスの整備、キャリアアップ、キャリアチェンジのサポート体制といったことも推し進める必要があります。
まだ見ぬ次のVPoEの方へ
iCAREの次期VPoEとなられる方には、今のiCAREの開発組織の良さを維持しつつ、私が解決しきれなかった上記のような課題を解決していただきたいと考えています。また、そこを越えてiCAREの開発組織をさらに発展させ、新たなフェーズへと導いていただきたいと考えています。
iCAREの開発組織には素晴らしい仲間がたくさんいます。
開発組織をリードするCTO荻野
元CTOとして今の開発組織の基礎を作り、Carelyプロダクトオーナーとして開発を支えるCOO石野
実務未経験で入社し半年後にCredo賞、誇り賞をダブル受賞した努力家の寺井くん
iCARE開発組織の創成期から開発をリードし続け、今も健診チームをうまくまとめ上げているいっせいくん
実務未経験で入社して、Carelyの特殊健診開発をリードする立場まで成長した牛嶋さん
業務委託から正社員になり開発チームのリーダーとして活躍する工藤さん
一人目QAエンジニアとしてCarelyの品質を守り開発メンバーからも信頼の厚い銭丸さん
技術顧問として長くiCAREの開発組織を支えてくださっている前島さん、大谷さん、馬場さん
献身的に開発に貢献してくださるパートナーの皆さん
キャッチーな感じの文章で何名か列挙してみましたが、この他にも、とても優秀だったり、一緒に働くことがとても楽しいメンバーだったり、個性あふれる素晴らしいメンバーがたくさんいて、全員を紹介出来ないことが残念です。僕自身、こうした素晴らしい仲間と一緒にお仕事できることがとても楽しく、またそのことを誇りに思っております。
こんな素晴らしい仲間が次のVPoEを待っておりますので、ぜひiCAREのVPoEに応募してみてください。
VPoE以外のエンジニア職種へのご応募もお待ちしております。
募集ページはこちら。