生芝居
11月22日~24日(全5公演)
銀座博品館劇場にて舞台に立ちます。
あ・うんグループ公演 美しすぎる時代劇
『新版・天守物語』
原作:泉鏡花
脚本・演出:さとうしょう
今日はその舞台の顔合わせ本読みでした。
芸歴関係なく初めての場は緊張するものですね。
みなさん気合も十分、稽古も楽しみです。
共演者の一人と初めましての挨拶を交わすと「実は一度だけ……」と
言うもんだから、え?どこでだろうと失礼を承知でどの作品ですか?と聞くと、25年ほど前に時代劇でと写真を見せてくれた。
その写真は農民に扮装した自分が赤ん坊を抱っこしている。
彼は指差し、この赤ん坊が僕です!
おお、そうかそうか久しぶりだね!大きくなったね!
と親戚のおじさん風な溶け込み方をしてしまう。
うろ覚えでしたが話の流れと年表からすると壬生義士伝のようです。
長く続けているとそんな再会もあるものですね。
彼の名は「高山 凌」くん。台詞の絡みもあるので乞うご期待。
舞台の出演が決まってから、舞台に立ってセリフが丸々ぶっ飛んでる夢を見たり、台本も読まずに撮影現場に行って焦りまくってる夢を何度か見ました。
そんなことしたこと無いのに何なんでしょうね。
めちゃめちゃストレス掛かる夢ですよ。
でもドラマ撮影前や舞台出演前はそういう夢見るんですよね。
俳優あるあるだと思います。
ピアノ発表会ではぶっ飛んだことがありましたけどね(笑)
セリフがぶっ飛んだことはないけど、舞台出演デビューの時に
終わったかも……
という場面はあり、今でもあの恐怖体験はトラウマです。
2008年に舞台出演デビューします。
劇場は演劇の街であり聖地にもなっている本多劇場。
作品は劇団たいしゅう小説家 第14回公演『SOHJI・そうぢ!』
舞台は終盤、主演の石井正則さんとの長セリフのシーン。
そして初日・・・
感情を昂らせ石井さんに思いをぶつける大事な場面。
土下座の体勢。
次のセリフを言おうと口を開けたその時、横眼から客席からのライトの眩しさが気になった刹那で我に返ってしまう。
あ、やべえ・・・セリフ何だっけ?
頭の中で急いで巻き戻しセリフが出てくるきっかけを作る。
どこからともなく脂汗が噴き出る。
止めようか?
いや、止めたら駄目だ。迷惑かけてしまう。
こんな歴史作りたくない。
泣いてしまおうか。
鳴いて謝ったらみんなが許してくれるかもしれない。
いや、それは最低だ。
石井さんに小声で伝えるか。
セリフを忘れました・・・と
いや、だれもこの場を助けることはできない。
石井さんも集中してこちらのセリフを待ってらっしゃる。
あーーーーゲロ吐きそう。
なんでおれはわざわざこんな自分を追い込むようなことをしてんだ。
俳優続けるには過酷すぎる・・・
そんな雑念だらけで今にも集中力が切れかけたその時、ふと稽古場で今のシーンが頭を過りました。
すると、失っていた一言目が自然と出た。
まるで1週間の便秘が解消された時のように堰を切って残りのセリフが続けて出たのです。
(1週間便秘したこと無いけどね)
あーーーーーーーー良かったああああああああ!!!!!!!!
公演が終わり安堵しつつ、セリフが出るまでの間はどれくらいあったんだ?
思い出すだけで胃が痛くなる。
すぐさま石井さんに謝りに行きました。
すると石井さんは特に気にした様子も見せず、
「そうだったんだ気づかなかったよ」
と優しい言葉をかけてくれて、逆にそれが辛いわけでほんとはどうだったんですかと食い下がると、
「10秒くらいだったと思うよ。溜めてるなと思ったけどそういうシーンだしそれが良い芝居に感じて良かったよ」
え?10秒?
体感的には1分はあった。
1分じゃ収まらないほど色々考えてしまったのに10秒????
散漫しまくって石井さんの舞台を壊す寸前だったのに良い芝居だった??
なんだかよく分からなくなった……
嬉しさと悔しさと情けなさと疲労と色んなものが心と頭と体に混在し、初日から疲労困憊。
生本番という舞台の洗礼を受け、俳優の難しさを痛感しました。
それからは自分を鍛えるべく舞台出演の機会を増やしました。
8月に観劇した舞台「リア王」に出演されていた大ベテランの三浦浩一さんが、70歳にしてシェイクスピア作品は初めてになります、とインタビューに答え、意外な感じもしたけどこういう人でさえ経験できなかった作品がある世界なんだと、一俳優として大きな刺激を貰いました。
作品との出会いは縁が大きく、やりたいからというだけで出来るわけではないからこそ、ひとつひとつ大事にしていかなければならない。
自分はシェイクスピア作品は無いので、いつか関われるその日を夢見て日々精進していきたいと思います。
そんなわけで今は目の前のことに励みます!
ぜひご観劇にいらしてくださいね☆
よろしくお願いいたします!!
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