アナログの良さ
先月の事ですが、ユーミン50周年記念アルバム「ユーミン万歳!」が発売されたので買おうと思ってたのですが、ふと思い出したんです。
家にCDデッキが無いことを。
iPhoneにサブスクや曲をダウンロードしてあとはスピーカーだけで事足りる世の中。
数年前、埃をかぶる一方だったCDデッキを処分していました。
これは捨てられないなと思うCDだけを残してあとは中古屋さんに持っていき、残ったCDは今本棚の隅で眠っています。
山下達郎さんや川本真琴さんの、サブスクは絶対ダメという意見に共感しつつも傍らでサブスクで音楽を聴いている自分。
表現者の一人として理解はできるものの、ITの発展には抗えない。
アプリで聴く音楽は便利だけど考えてみたら、CDデッキを処分してから音楽を聴かなくなったかもしれない。
始めは知らないジャンルがすぐ聞けて、いつでもどこでも聴きたい曲が聴ける便利さがあり音楽をかけない日は無かった。でもiPhoneで見るアルバムジャケットはどこか味気なく、購入しても「自分の物感」が味わえなかった。所有物の感覚がなく借りているものに近いかもしれない。
その意識のせいもあり、音楽から遠ざかり今はカラオケで歌いたい曲やピアノで弾きたい曲を聞くくらいになっている。
CDジャケットを見つめFeelingで曲を探すあのアナログ感はとても好きだ。
朝起きてCDを手に取り、帰宅してCDを手に取り、悩むのが面倒だからと数枚CDデッキの前に準備したり。
選曲をジャケットで決め、気分や思い出に合わせたり、ケースが割れてるだけで可哀そうだからこれに決めた!なんてこともよくあった。
手に取りながらFeelingで選ぶアナログ感は人の感性を育てるのに大切な行動じゃないかなと自分なりに感じてます。
僕が初めて買ったCDはTUBUシングルCDの「夏を待ちきれなくて」だったかな。そのあとは浜田麻里さんシングルCD「Cry For The Moon」、プリプリシングルCD「ダイアモンド」などなど。お小遣いが少ないからアルバムなんて子供じゃ買えませんでしたが、ビデオショップでのCDレンタルがすごく助かりましたね。
この時は昭和も終わりに近い80年代後半、CDが販売されてもまだまだカセットテープの時代。カセットテープの側面のメモに歌手名を書いて裏には曲のタイトルと曲の時間を書いて、歌詞カードも作ったりしました。車もカセットデッキの人が多かったから新譜の時はみんながレンタル屋に駆け込み取り合いです。
お小遣いがないから当日返却という特別安くレンタルし、CDステレオデッキを所有する姉に許可をもらってダビングして急いで返却に向かうのですが、へそ曲げ姉モードの時は貸してくれないのでよくケンカになりました。
ダビング中に振動が起こると音が切れたり停まってしまうため振動禁止なのですが、畳部屋の箪笥の上に仏壇のように置かれた漆黒のステレオデッキは家族が通るたびグラグラ揺れ、ダビングの時には「今ダビングしてるから!」とアナウンスします。もちろん誰も言うこと聞かないので誰かが傍を通って録り直す羽目になり、諦めずアナウンスするも最後は半ベソでお願いになります。返却時間と自己中家族との闘いです。
高校生の頃、念願のポータブルCDプレーヤーを買い、ポータブル CDケース12枚入りには備えあれば憂いなしの性格が足を引っ張りケース満杯どころか二枚重ねで欲張ることもあり、登下校の荷物になった。お気に入りの数枚しか聞かなかったが安心感だけはあった。
今大して音楽を聴いてないけど、洗濯物を干しているとき、トイレにこもっているとき、自転車に乗ってるとき、電車を待つとき、季節の匂いを感じた時、季節の空気の違いを感じた時、不意に口ずさむ歌、、、昔に聞いた曲がFeelingで記憶からチョイスされ頭のジュークボックスで流れ始める。
それが心地よかったりする。
アナログで培ったものは五感で繋がっているのだなと、書きながら感じています。
ハイテクも便利でとても活用でき、暮らしの豊かさに繋がっています。
アナログの良いところ、ハイテクの良いところを自分なりに見つけて掛け合わせていく時代なのかもしれませんね。