全・新社会人に贈る、日記のススメ
こんにちは。社会人13年目、UIデザイナーの茂木です。
4月。春ですね。
この春ぼくらDESIGN BASE(Uzabase SaaS Design Division)に、新社会人としてデザイナーが1名Joinしてくれます。
1社目に選んでくれたことへの感謝とWelcomeの気持ち、そして研修の一環も兼ねて、自分が本当にやって良かったことを伝えたい。さて何を伝えられるだろう? そう考えたとき思い浮かんだのは、「日記」でした。
日記の効用をあげればキリがありません。ぼく自身、気づけばもう10数年日記を書いていることになります。
今回は日記の何がそんなに良いのか、何が得られるのか、実体験をベースに書いてみたいと思います。
なお長年愛用しているのが「Day One」というアプリでして、その前提で書いていきます。
社会人が書く日記のポイント
さっそく日記の良さを語っていきたいのですが、その前に、日記と言うとなんだかこんな声が聞こえてきそうです。
小学生や中学生の頃に少しだけ書いたことがあるけど続かなかったとか、何を書いたら良いか分からなかったとか、そんな経験をした方も多いんじゃないでしょうか。
そこで日記を書く上でポイントが幾つかあります。
毎日じゃなくて良い
「それ日記なん?」という声はさておき、まず毎日書かなくて良いです。気が向いたら/感情が動いたら、書く。
自分の日記を見返してみると、1ヶ月以上空いたり、月に1本しか書いてない時期もありました。でも、それで良いのです。それだけ間が空いたとしても、書くことのメリットは大きい。大事なのは毎日書くことではなく、長い期間に渡って書き続けること。
テーマも決めなくて良い
書く内容は一言でも良いし、長文でも良い。形式もテーマも決めなくて良い。書きたいことを書きたいように書く。
「書くことがない」と感じる人でも、気持ちや感情は日々動いているはずですし、何かを体験しているはずです。それを少し記録してみるだけで、のちのち様々な発見があります。
秘密のままで良い
日記なので当然、誰かに見せる必要もありません。外向けに気の利いたことや面白いことを書こうとする必要もありません。自由気ままに、身の回りで起こったことや感じたことを書けば良い。それが長続きする秘訣であり、これが日記を面白いものにしていきます。
ここまで自由だと、逆に何をどう書いたら良いかイメージが湧きづらいかもしれませんね。ここから先は少し具体例も交えながら見ていきます。
具体例① 振り返りを書いてみる
今日、上手くいったこと/いかなかったこと、何があった?
なぜ上手くいった? いかなかった? 理由や原因も添えて書いてみましょう。
週単位でも良いでしょう。今週はどうだった? 上手くいった? いかなかった? なんでそうなった?
頭では分かっていることも改めて書き出してみると新たな発見があるものです。あるいは理由や原因を思った以上に言語化できないことに気づくかもしれません。
頭の中だけでは「なぜ?」はたいてい1〜2回で止まり、あとは同じような所を堂々巡りします。書き出すことで矛盾ポイントに気づいたり思考過程がクリアになり、「なぜ?」に「なぜ?」が繋がり、自然と深堀りすることができます。
具体例② モヤモヤを吐き出してみる
秘密のままで良い日記だからこそ、負の感情を思いっきり吐き出してみましょう。
何だか分からないけど落ち着かない、不安だ、どうも納得いかない、とにかくモヤモヤしている…そういう感覚・感情に言葉を充てがってみる。
ひととおり吐き出してみると、人間とは不思議なもので、何も解決してないのに何だか気持ちが少し楽になります。書き出してみたらキーワードで1,2つくらいしか書けず拍子抜けすることもあるかもしれません。その逆、自分でもビックリするくらい負の感情が出てくることもあるでしょう。
いずれにしても吐き出すことで気持ちが落ち着き、客観的になれたり冷静になれる。頭の外に出すことでマインドシェアが下がり、目の前のことに集中しやすくなるメリットもあります。
具体例③ 喜怒哀楽を書く
例②のモヤモヤと被るところはありますが、楽しかった、嬉しかった、イライラした、悲しかった、±どちらの感情でも良いので、気持ちや感情が動いたことがあればぜひ記録しましょう。
特に「怒り」の感情は不思議で、ハンターハンターでも
というセリフがありますが、これ自分にも当てはまると思っていて、自分が何に怒りを感じるか把握することは非常に有益なことだと思います。
そこには自分の価値観や信念が色濃く反映されるので、喜怒哀楽の中でも怒りは自分を知る重要な手がかりだと感じます。
感情の起伏を手がかりに、どういうシーンや条件が重なると感情が揺れ動くのかを見ていくと、その背後に大事にしている価値観が段々分かってきて、自然と自分への理解が深まります。
具体例④ 未来予測してみる
過去や現在を記録するのも面白いですが、未来に思いを馳せてみるのも思考実験として面白いものです。個人的にオススメは
を未来予測し、書いてみることです。
どんなイベントを予定しているか、起きるであろうか、そのとき何を感じると思われるか。
理想の姿とギャップがあるようなら(たいていの場合、あると思います)、何をしなきゃいけないかを考えて、書き足してみましょう。これを4月このタイミングでやってみても良いですし、1/1に1年の目標の代わりに書いてみるのも良いでしょう。
具体例⑤ 今日の「良かったこと」を書いてみる
頑張っているけど成果が出なかったり、日々忙しく過ごしているとじっくり振り返る時間がなかったり。気付いたら1週間、1ヶ月、あっという間に過ぎてしまった…。そういう事はよくあります。するとだんだん気持ちが滅入ってきたり、自信をなくしてしまったり…。
そんな時にオススメなのがこのタイプ。1〜3つほど、今日起きた出来事で「良かったこと」を書いてみましょう。誰かへの「感謝」でも良いです。箇条書きで構いません。
日常の中に「よく考えると自分頑張ったな」「あれは有り難かったな」そういう些細な良かった・幸せというのは意外と多くあります。それらに目を向けることで自己肯定感が上がったり安心感のような物が生まれます。その結果、精神が安定する。
精神が安定するメリットは大きいです。純粋に気持ちが楽なのはもちろんのこと、精神が安定することで時間がかかったり難しい仕事・作業に継続的に取り組めるようになります。
またある時は調子が良く120点の仕事もするけどある時は20〜30点…みたいな波がある人より、継続して70点くらいを出せる人の方が、トータルで見た時の成績は良かったり周囲の人にとっても仕事のしやすい相手だったりします。
日記は読み返したとき、真価を発揮する
ここまで書くことで得られるメリットを説明してきましたが、日記の面白さに気づきまた効果が最大化するのは、実は読み返すときだったりします。
「ひとり温故知新」ができる
過去の自分から学べるものは、実は結構あります。
そんな風に読むだけで自然と次のアクションが見えてくるのが日記の良いところです。間を置いて見返すと当時とは違った感覚で読めたり、新たな側面に気付いたりと発見があります。
起きた出来事はひとつ・1度なのに、後で見返すことで2度・3度学べる。日記は、非常に効率の良い学びのツールでもあると感じます。
自己肯定感が高まる
そんな風に、過去の自分から勇気をもらうこともあります。
記憶というのはだんだん薄れていくものなので、分かりやすい変化・結果でも残っていないと「何もしないまま過ぎていったなぁ」と思いがちです。
でも本当は日々悩んだり葛藤したことがあったはず。その記録が残っていることで、当時の自分なりに頑張っていた事を思い出せ、自己肯定感を得られたりします。自己評価低めの人や自分に厳しい人はこれだけでQOLが上がるのでオススメです。
自己認識力が上がる
書くテーマを自由にしておくと、不思議と、書く内容は偏っていきます。
それはつまり自分が何に興味があるか、何に感情が動くか、どういう思考をしがちなのか教えてくれることになります。
少し俯瞰して数ヶ月前、数年前の日記もたまに読み返してみましょう。すると線や面として新たな側面に気づくでしょう。結果的に、自己認識力が上がります。
日記は資産になり人生を豊かにしてくれる
日記の良さについていろいろ書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
4月に弊チームに入社してくれるデザイナーに対して、もしかしたらデザインのノウハウや仕事の仕方などの方が、分かりやすくウケが良いことかもしれません。(もちろん、それはそれで伝授していきたいと思います)
でも自分が本当にやって良かったと思えること。ぼく自身転職を何度かしていますが、職場が変わっても活き続けたもの。また辛い時に支えや助けになり、次の行動を起こす原動力になったもの。それが「日記」であり、新社会人全員にオススメできると思ったので、紹介させて頂きました。
日記は社会人になってからが面白いです。そして日記は資産になります。
ぜひ、良き日記ライフを楽しんでもらえたらと思います。
* 他のデザイナーの素敵なnoteもあわせてお読みください!