生配信音楽ライブについて
突然ですが、皆さんはこの新型コロナウイルスによる自粛期間生配信の音楽ライブを観ましたか?観た方はどうでしたか?私の感想を中心に生配信ライブについて話していこうと思います。
1、生配信音楽ライブの感想
生配信音楽ライブを観ての正直な感想はあまり面白くないな、お金を払ってまでは観なくていいやです。
なぜかというと、生配信音楽ライブはアーティストがただいつも通りライブハウスでライブする様子を2,3個の定点カメラから配信するというものが大半です。私はその形に物足りなさを感じてしまいました。
本当にそのアーティストが好きだという場合ならそのような形でもある程度は楽しめると思います。しかし、配信でライブやるなら観てみようかなという人にとって2時間パソコンなりスマホなりを見続けるほど魅力のあるものではないのではないなと感じてしまいました。
有料なら尚更ハードルの高いものになります。
これなら、過去のライブ映像を無料公開した方が映像も編集されていてキレイだし、止まることもない、観客もいるのでライブでの熱量が伝わりやすいなど、”コロナが終息したらこのアーティストのライブに行きたいな”と思わせるコンテンツなのではないかと思います。(実際過去のライブ映像を無料公開しているアーティストは多かったですよね)
まあ、生配信ライブの立ち位置自体がここまで新型コロナウイルスの影響が長引くと考えていなくて、元に戻るまでのつなぎみたいに考えてたのかなと思います。
ちょっと話は変わりますが、元の生活に戻るといいなっていう声をよく聞くし、そんな風に世の中動いているような気がしますが、本当の意味で元に戻るって事はなく、災害があった後にいろんなことが見直されたように今回に関しても今までの事が正しかったのか見直す機会になるべきだと思っています。
まあそれはいいとして、今後もコロナの影響が続くならどんな風に生配信ライブをやればいいのか、自分なりに考えてることを次に書きたいと思います。
2、どのような生配信音楽ライブをやるべきか
結論から言うとわかりません。無観客の生配信音楽ライブは前例があまりないからです。しかし、しばらくはライブハウスでのライブが厳しい以上新たな形を考えていかなくてはならないと思います。(面接でお話しした某大手音楽レーベルの方は2~3年はライブハウスでのライブはできない前提で動いているとおっしゃっていました。)
そうなのだとしたら、配信ならではの利点で、物足りなさ解決していくべきです。最近、YouTube Liveとかインスタライブとかいろんな有名人がやってますよね。それらの利点や、配信だからこそ考えられる「こんな風になればいいのに」と私が考えていたことをまとめます。
まず、生配信の音楽ライブで考えられる利点は
①インターネット環境さえあれば場所を問わない
②観る側も観るデバイスさえあればどこでも観れる
③リアルタイムでコミュニケーションを取ることが可能
④即座に映像作品として販売ができる
の4つが挙げられるのではないかと思います。一つずつ考えていきましょう。
①インターネット環境さえあれば場所を問わない
この利点はライブハウスに囚われず、MVを撮るようなスタジオで照明やVJ(ヴィジュアルジョッキー)などを利用したり、自然の中、建造物の中でのライブなどアーティストの世界観を最大限表現したライブができる事にあると思います。ライブハウスのステージに囚われないというだけで可能性は無限です。
プロモーション的な話でいうと珍しい場所で生配信ライブをすれば話題にもなりますよね。
わかりやすい例だと米津玄師が紅白歌合戦で「Lemon」を大原美術館から生中継していてたようなイメージです。この規模だと予算の問題などあると思いますが、今回は考えないことにさせてください。
②観る側も観るデバイスさえあればどこでも観れる
この利点は今までライブに来てくれていた人はもちろんの事、ライブハウスに足を運ぶまでは至っていなかった人(ファンになる可能性のある人)、家が地方でライブを観ることができていない人など日本のみならず世界中でみられる可能性があるという事です。
ライブでの感動は楽曲を聴いたときには得られない強い感動を与えるものです。ライブ後にセトリをプレイリストにして聴いた経験がある人も多いと思います。そんなライブを場所に制限されず多くの人に届けることができます。
③リアルタイムでコミュニケーションを取ることが可能
この利点はYouTube liveやインスタライブなど最近多く行われているライブ配信の大きな特徴で人気の理由です。ただライブを観るという一方的なものではなく自分のコメントに答えてくれる可能性があるという双方向的なコンテンツである事が受けているそうです。
音楽ライブの場合はMCの時にチャットに反応したり、リクエストを受け付けたりなどが考えられます。しかし、利点①を活かした世界観を強めたライブの場合、世界観を壊してしまう可能性があるので両立は難しいかもしれませんね。
④即座に映像作品として販売ができる
これは観る側の利点というより売る側の利点になってしまいますが、配信ライブをコロナの間のつなぎではなく価値のあるコンテンツにするには必要なことであると思います。
実際の音楽ライブの場合、ライブDVDが半年後に発売されるなどライブ直後の熱量を発売まで保つことが難しいという問題があります。
しかし、映像作品として作ることを前提とした生配信ライブなら、アーカイブとして残すことができるのですぐみんなに観てもらう事ができると思います。例えば、チケット代とは別にお金を払えばその後何度も見ることができるという様な形にすれば熱量を失うことなく購入につなげることができます。
一曲分だけでも共有できるようにすればライブを観た人がそれぞれの感想と共にSNSで仲間内に共有し、そのアーカイブを新たに観てくれる人が増えるかもしれません。
以上の4つが私が生配信ライブを観てこんな風にできるのではないかと思った事です。今後5Gの導入などで生配信がしやすくなったり、リアルでの音楽ライブが再開されたら生配信ライブで学んだことを活かすこともできそうですよね。
例えば、音楽フェスでステージ同士が遠くて観たいアーティストの開演に間に合わない時チケットを持っていれば生中継を観れるようになっていたりとか、生配信音楽ライブはいろいろな可能性のあるものだと思うんです。
じゃあ、お前が思いつくような事をだれもやってないのかと思う方もいると思います。もちろん、やっているところはあります。最後に、私がいいなと思った生配信ライブを紹介したいと思います。
3、私がいいなと思った生配信音楽サービス、ライブハウス
一つ目は電子チケット販売プラットフォーム「ZAIKO」です。
「ZAIKO」はライブハウスのステージに囚われず世界観を表現できるという利点を活かしたライブを多く行っていると思います。
3月13日とかなり早い段階でZAIKOにおいて有料で行われたceroのライブ配信「Contemporary http Cruise」は音楽スタジオのような場所で、淡い色の凝った照明を使っていたり、観葉植物が置かれていたりとceroの楽曲の世界観を表現したもので、話題にもなっていました。
私もAge Factoryや踊ってばかりの国のZAIKOでの配信ライブを観ました。やはり、配信上のトラブルがあったり止まってしまったりという事がありました。しかし、これらは先ほども述べたように5Gの導入によって解決されていくものであると思います。それよりも、生配信でしか観れない作品を考えておりとても素晴らしかったです。
二つ目は新代田Feverです。新代田Feverはご存知の方も多いと思ますが、下北沢のお隣新代田にあるライブハウスです。私も大好きなライブハウスの一つです。
新代田FeverはYouTubeのSuper Chat機能を使用してライブ配信を行っていて、Helsinki Lambda ClubやATATA、フルカワユタカとthe band apartの対バンなどを過去に生配信しています。
最初に挙げたようないつものライブを配信するという形のものもありますが、面白い挑戦的な企画もたくさんありました。例えば、ATATAは私が利点③で挙げていたようなチャット機能を活用して曲のリクエストを受け入れるライブを行っていたり、突然少年の大武茜一郎さんの弾き語りライブではチャットでお題をもらって即興作曲などオンラインならではの企画やライブが行われていてとても面白かったです。
4、最後に
ここまで生配信音楽ライブについて好き勝手言いましたが、何かを批判しようとか何かを持ち上げようみたいな意図はありません。私は音楽業界の従事者でもなくただの音楽が好きな学生です。音楽ビジネスの内情に詳しいわけでもないし、観て思ったことを言っているだけなので見る人が見れば間違いだらけかもしれません。
ただ、この記事を読んだことで音楽の価値について考えるキッカケになればいいなと思っています。
音楽は目に見えるものじゃないので価値はわかりにくいです。YouTubeやストリーミングサービスによって音楽がより身近になり、タダで聴こうと思えばいくらでも聴けます。
もちろんお金だけが価値ではありませんが、音楽を普段から楽しんでいる人は何にお金を払うのか、音楽を作っている人は何にお金を払ってもらうのかについてもう一度考えるべきだなぁと思ったしだいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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