遺伝 2: 現生人類のDNAは自然に発展した結果ではない? 現在の科学で解明している事と、そこから推測される事
前回はお膳立てとして、DNA、遺伝子、染色体といったよく使われる用語をざっくりと説明しましたが、今回はコンピューターサイエンスや地質学といったバックグラウンドを持つニューヨークタイムズのベストセラー著者、グレッグ・ブレイデンのDNAに関するリサーチを紹介したいと思います。(Gaia.comにて2017年に出版されたシリーズからの要約です。)
これは物議をかもしだす内容ながらも、現時点の科学でわかっていることと、そこからさらに、現在の科学を超えたところから読み解くことで、どんな情報が引き出せるかという、興味深い内容です。
第二染色体の謎
前回説明したように、ヒトなら22対の染色体と二つの性染色体を持っていますが、現生人類にもっとも近いゲノムを持つ地球上の生物である、チンパンジーような類人猿は、23対のの染色体と二つの性染色体をもっています。類人猿のほうが多くの染色体を持っているということになります。
注目すべきなのはヒトの第二染色体です。このヒトの第二染色体の構造が科学者たちの間で物議をかもしているといいます。
ヒトゲノムの大部分は類人猿のそれと大きく似通っていているのに対して、ヒトの第二染色体は、類人猿のゲノムと大きく違いのある部分です。ヒトの第二染色体はDNA全体の約8%を占める大きな染色体で、類人猿と比べてヒトがヒトたる理由、高度な知性や人との共鳴力などをヒトが有している原因であると考えられます。
詳しく見ていくと、どうやらヒトの第二染色体は、類人猿の持つ、ある二対の染色体を組み合わせた構造になっているといいます。それがヒトが類人猿より少ない数の染色体を有する原因であると考えられます。
さらに詳しく見ていくと、驚くべきことに、その結合された二対の染色体の結合のされ方は、結合された染色体の両端にあるテロミアと呼ばれる、細胞分裂の際に染色体の構造が壊れないための「靴紐の端っこ」の様な機能をする部分が、うまく結合するために両方から一対づつそれぞれ無くなっているだけでなく、それぞれの染色体からの重複する機能の部分まできれいに切り取られた様な構造になっているといいます。それで結合後も染色体が正常に機能するわけです。
これが何を意味するかというと、この結合は偶然・事故的に起こったのではなく、何かしらの知的存在が意図的に起こしたものではないか?と推測されるということです。要するに、ヒトゲノム、もしくはヒトという存在そのものは、ダーウィンの進化論が示唆するところの、環境に適応するよう長期間かけて次第に変化してきた、との見解が当てはまらない原因から成り立っている、という論理を示唆しているということです。
DNAの仕組み自体から推測できること
これは1884年にとある科学者が発表した研究論文からの抜粋です。
“At that moment, when the DNA/RNA system became understood, the debate between Evolutionists and Creationists should have come to a screeching halt… the implications of the DNA/RNA were obvious and clear.”
—Dr. Cohen (published in a research paper released in 1984.)
「DNA/RNAのシステムがどの様に機能しているのかが明らかになった時点で、(ダーウィンの)進化論と(宗教の)創造説との論議は(列車が急ブレーキをかけたように)甲高い音をたてて止まるべきであった。それが示唆するところはとてもはっきり明解であるからだ。」コーエン博士
コーエン博士は元々は数学者であり、とても信用のあるニューヨーク科学アカデミーのメンバーでもあった科学者です。
このコーエン博士が意味するところは、人類のテクノロジーの発展によって、DNAが正常に機能するために必要な、非常に複雑で精密な仕組みを解き明かせるようになった時点で、その複雑さや精密さは、ランダムで偶然性の高い進化論では説明できる余地が無く、偶然や自然発生的に生まれたものでは無いことは明らであるという事です。これが、必ずしも聖書で説明される様な物語が事実である、と言っている限りでは無いとは想像されますが、少なくともDNAの機能は偶然の産物では無く、意図的にデザインされたものであるとの主張だと思われます。
DNAに組み込まれた摩訶不思議なコード
地質学者でもあるグレッグ・ブレイデン自身がリサーチしたところによれば、あらゆる重要な古代言語(古代ヘブライ語、アラビア語、サンスクリット、くさび形文字など)の文字の一つ一つには、不思議なことに、大昔からそれぞれ特定の数字があてがわれているといいます。それがどこからきているのかは解明されていないが、どの文化圏でもそうなっているということです。彼は、その数字を使えば古代文字を数学的に読み解いていくことができるのでは?と目をつけたそうです。
たとえば、こういう発見があったといいます。古代文書の中で、私たちを構成するエレメントとされるものの単語の文字にリンクしている数字と、現在の科学でわかっている水素、窒素、酸素、炭素の原子質量もしくは原子量の数字が同じであることがわかりました。水素の原子質量である数字が古代ヘブライ文字、アラビア文字、サンスクリットの特定の文字と厳密にリンクしている。酸素などの原子質量も同様であるなどです。
それで彼はこういう試みをやってみました。DNAは水素、窒素、酸素、炭素の様々な配列で構成されている。このDNA内の水素、窒素、酸素、炭素の配列を、その原子質量の数字とリンクする古代文字と、DNAの配列上で置き換えてみたのです。そうすることで、DNAの配列を文章の様に読むことが出来たのだといいます。
彼の見解によれば、私たちのDNAには、「科学」や「スピリチュアル」という伝統的なカテゴリーの境界線を超えたところからの試みを通してのみ読み解くことのできる、メッセージが内包されていたということです。
彼は何を発見したのか。これが彼の発言の翻訳です。
「この試みは、私たち人類の真の起源を解き明かす、ひとつの鍵となるものを浮かびあがらせました。なぜなら、あらゆるすべてのヒトDNAの配列の最初の一文は、どれもまったく同じ言葉 (コード) で始まっていたからです。その言葉は、
"God Eternal Within The Body" (神、肉体の中に永遠に有り)
ここでいう神とは何者をさすのか、どうやってこのコードがDNAの中にくみこまれたのか、なぜこのコードがそこにあるのか。DNAの中にそういった説明はありません。私はただ、私が科学とスピリチュアリティーを掛け合わせることで発見したことをを提示しているのみです。」
なかなか怪しいといえば怪しい内容ながら、こういう見解があることは興味深いです。もっと詳しく知りたい方は彼の著書を読んでみるのも面白いかもしれません。
彼の「ゴッド・コード」という本がこのあたりの内容の本だと思われます。
どちらにせよ、現在の科学で解明している遺伝の機能やDNAの配列、もしくは第二染色体の構造などを目の前にした時に、そこから推測されるものは、どうも今までの人類の起源の理解を超えた領域へと踏み出してしまうようです。
もし私たちの存在の青写真ともいえるDNAが、どこかで意図的に作られたか、もしくは自然発生したDNAに部分的な修正が意図的に入っているとするならば、それは一体何が、もしくは誰が、どういう経緯と理由でそうしたのかが考えられるでしょうか?
次回はその辺りを書いていければと思います。
それでは!