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皇室ではなく皇室報道に問題があるという決定的理由
きょう(10月27日)、秋篠宮家の眞子さまが「小室眞子さん」になった。皇籍を離脱したため、今後は民間人として生きていくことになる。しかも、いきなり異国の地での生活、不安もあるだろう。しかし、若い二人が新しい人生を歩みはじめると決断したのだ。なにより喜ばしい限りではないか。
だが、日本のメディアはそうではないらしい。やれ、皇室の気品が、やれ、だまされている、やれ、絶対後悔すると騒がしい。嫉妬と劣情に塗れた報道は朝から晩まで続いている。
仮に、小室圭さんが皇室入りするというのならば、それもいいだろう(個人的にはそれでも不要な報道だと思うが…)。しかし、今回は眞子さまが皇籍を離脱し、民間に入ったのだ。さらに、お互いが納得しての恋愛結婚なのである。いったいこの恋するふたりのどこに問題があるのか、さっぱり理解できない。
もしかして、自由恋愛で、愛している者同士が結婚するということは、この国では禁止されていたのだろうか?憲法にも、皇室典範にもそのような条文は見当たらない。日本のエリート記者たちよ、誰かひとりくらいは、法的根拠を示してくれよ。
そして、案の定、結婚報告の記者会見でも、日本のマスコミの下品さは不変だった。そもそも、新婦の眞子さんがPTSDになったのはマスコミ報道をその因とすると本人も認めている。その傷ついた人物に向かって、メディアは書面とはいえ、下衆な質問を繰り出したのだ。それは苦しみ抜いた眞子さんをさらに追い詰めるものだし、回答にもその苦悩が表れている。
「この度、宮内記者会より3問、日本雑誌協会より1問、外国報道協会より1問、質問をいただきました。いずれの質問も丁寧に考えてくださったものと思います。ただ、これらの質問の中に、誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問が含まれていました。このことに衝撃を受けるとともに、このような質問に会場で口頭でお答えすることを想像すると、恐怖心が再燃し心の傷が更に広がりそうで、口頭で質問にお答えすることは不可能であると思いました。誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問をいただいたことは、誠に残念に思います」
「強きを助け、弱きを挫く」という日本の記者たちのスタンスは、20年前、筆者が、米紙から日本のメディアに移ってきた時から変わらない。その無自覚な傲慢さと陰湿ないじめ体質は、いまなお吐き気がするほど「健在」である。
小室圭さんと眞子さんには心から祝福を送りたい。日本のみなさんも、そろそろ日本のマスコミの卑劣から脱却し、健全なニューズの在り方を知るべきなのだ。彼らの呪詛は必ず自らに返ってくるだろう。