そとん壁ってどう?
屋根のラインが整っていてきれいですよね。
こちらの家。
とある工務店の現場監督の自宅なんです。
そんな監督にご指名いただいて、設計に関われたのは、とても光栄で嬉しいです。
それはさておき。
昨日、現場へ行ってきたのですが、ちょうど外壁が仕上がっていました。
木目に目が行ってしまいそうですが、そこではなくて、グレーの外壁に注目してほしいです。
大雑把に言えば、いわゆる「塗り壁」。
左官職人が、丁寧にコテで塗って仕上げていきます。
こういう見え方のする外壁といっても、いろんな種類があったりするんです。
例えば。
よく採用されるのは、ジョリパットという商品名の塗り壁。
いろんな表情を演出できますし、何と言っても、色のバリエーションが、半端なく多いんですよね。
その組み合わせ次第で、自分だけの外壁を構成できるほど。
私もよく採用する素材です。
ただ。
こちらの家は、ジョリパットではありません。
火山灰からできたシラスという素材を使った塗り壁で、「そとん壁」というものを採用しています。
仕上げ方もさほど多くないですし、色の種類も少ない。
しかも。コストは、相当高い。
それでも、監督が採用したかった訳は。。。
一つは、透湿性があることです。
内部で発生した湿気を外へ排出しやすいんですよね。
よくできた素材だなとは思いますね。
もう一つは、色ですね。
色?少ないんじゃないの??
はい。
少ないんですが、それって理由があります。
天然鉱物を原料に使った色なので、基本的に、色あせしないんですよね。
ジョリパットも、ずいぶんと性能が向上してきて、色あせしにくくなっていますが、天然鉱物ではないので、長期間紫外線を浴びると色は褪せてきます。
なので。
15年に一度くらいは、塗り替えしないといけないんです。(といっても、一部を除くほとんどの素材は、それくらいでのメンテが必要)
汚れの対処は必要ですが、退色しなくて、塗り替えが必要ないのは、とてもいいですよね。
今回のように、白でなく、少し色のあるタイプであれば、汚れも目立ちにくいため、メンテはほとんど必要ないです。
イニシャルコストを優先するのか。
ランニングコストを優先するのか。
その辺は、ご予算とのバランスを考えたいですね。
そうそう。近くで見ると、こんな表情です。
凸凹してますよね。
一度コテで塗った後、剣山のようなもので、表面を書き落としたんです。
独特な陰影と風合いになります。
ほんと。
いい感じで仕上がっていて、感動ものでした。
これから、こ知らの家。
急ピッチで仕上がっていきます。
仕上がりが楽しみです。
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