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2021/12/19 不器用に笑った
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18日㈯。雪の影響で高速バスの出発が20分ほど遅れた。14時くらいに南気仙沼駅に着く。ホテルのチェックインまで少し時間があったのでかつ屋でソースかつ丼を食べる。
かつ屋の隣に宮脇書店がある。「本ならなんでもそろう」と店先に書いてあった。確かに、各ジャンルをまんべんなくとりあえず揃えている…とは言っても専門書は本当にそのジャンルの表面にある数冊しか置いていない。船舶免許関係の参考書や専門書は充実している。
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15時にチェックイン。しばし休憩。「寒すぎてお話にならない!」と思って出発前にユニクロで急いで購入したズボン下(タイツ)を履く。ホテルから歩いて気仙沼図書館へ向う。
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気仙沼小学校の隣にある。1階は児童書コーナーとカフェで埋まっている。2階に一般向け・郷土関係、新聞、視聴覚資料など。館内はとてもきれい。新しい本が多い。「職員の選んだ50冊」みたいな小冊子があったので、すかさず入手。まちづくり関連コーナーなどが開設されている(「シリーズ地域の再生」が全巻揃っている)。地酒などの地元名産品の展示もある。
だいたい全体を見終わったところで蛍の光が流れる。フリーペーパーを色々と掻っ攫って外に出る。
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さすがに寒い。ズボン下を買っておいて良かった。商店街はほとんど人がいないが、車通りは少なくない。18時くらい。
南町海岸を歩いてホテルまで戻る。飲食店や宿泊施設などの建物に賑やかなイルミネーションが施されている。至るところに電飾、水辺の向こう側にも、広場にも。少しうるさすぎると思ったが、健気に存在を主張しているのがいじらしくもある。この電気の束を船の上から見つけたら心強いかもしれない。
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ホテルに着いてまた一息。22時くらいに小腹を満たすなにかを買いに外へ出ると、雪が薄っすらと積もっている。
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無音。突き抜けた寒さが逆に心地よい。
翌朝、7時くらいに起きた。着替えて、すぐに外へ。ホテル隣の「みしおね横丁」内にある「鶴亀の湯」に入るためだ。
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鶴亀食堂で入浴券を買ったけど、お店のひとに「いまボイラーがどーたらこーたらでものすごい熱湯になってる。20分くらい経ったらまた来てください」と言われる。一旦ホテルに戻って朝食をとる。
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脱衣所も浴場内もめちゃくちゃ寒くて笑ってしまった。逃げ込むようにお湯に浸かる。僕のほかにお客さんはひとりだけ。寒そうな素振りもしない。脱衣所に出たら自分の身体から煙が立ち上がっていて、それをなんとなく眺める。
日中はずっと仕事。色んなひとが訪れる場所で、僕はひたすら皿を洗った。まだうまく馴染めない、そこへ入っていけない、という疎外感をすこし感じながら、でもここにちゃんといるんだという存在感覚もまた獲得しながら。気持ち的にも身体的にももちろん疲れたが、同時にとても充実していた。まともな人間のふりをして社会と関わっているときの、あの感覚を思い出した。
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こうやって、また、戻ってくる。生きている感覚が戻ってくる。真面目に周りと合わせて、滞りなくなにかをこなしていく感覚を、流れのなかに見つけている。仮面を外して、また付けて、何が仮面なのか分からなくなるまで。