90年代の音楽を知らないアナタへ その60 THE LIVE DEBUT(90)/MARIAH CAREY 祝30周年!デビューにして、唯一無二の存在
2020年はマライアにとってデビュー30周年という記念すべき年。とっておきのアニバーサリーにも関わらず、世界はCOVID-19の苦難に直面し、まだまだ終息がみえていない現状。お祭りムードからは極端のベクトルを向けている。
そんな中、マライアのSNSから嬉しい発信があった。デビューの年にNYのクラブ「TATOU」で行われたショーケースのライブ音源のリリースだった。このライブは映像としての発売は過去にされている、ファンには御馴染みのコンテンツだけど、こうやってオフィシャルの音源としてリリースされるのは初めて。まさに待望というべきリリースにして、サプライズであった。
収録されているのは当時披露された曲に加え、間のMCや司会者のマライアを紹介する声まで、ライブの雰囲気がそのままパッケージングされた全5トラック。
曲単体で聴くと、マライアならではのラスピーな歌唱に加え、若さゆえの不安定さや荒削りな所があり、(デビュー時だから当たり前だけど)かなり初々しさが浮き彫りになってくる。その後のマライアの進化した歌唱やテクニックなどを知っているファンからすると、正直クオリティとしてはソコソコ。でもこのライブはそういうものであるから価値があり、瑞々しくあり、微笑ましいと思うのだ。
映像付きでは何度も見ているけど、音に集中して聴いてみるといろんな要素がみえてくるから面白い。きっとマライアもこの音源を改めて聴いて、もっとああしたいとか、こうすればよかったとか、これはこれでこの時期特有のものだからいいか、などいろいろ感じているに違いない。そういうことを勝手に想像して楽しむのも、わたしのようなファンならではのリスニングではないだろうか。
これ以後、マライアは毎週金曜日に何かしらのリリースを準備しているらしいので、今後の動向にも大注目していきたい。
今週末はこのライブ音源を聴きまくって、梅雨のウザさを忘れたいと思っている。