M-1 2023年振り返り、令和ロマン優勝を考察
M-1 2023年も終了しました。今年は時間をかなりかけて現地でもネットでも見たので備忘録として残しておきます。長くなりそうなので決勝を振り返りながら。ちなみに決勝はテレビ観戦です。決勝はプラチナチケットですね。
決勝1本目
令和ロマン
トップバッターは令和ロマンでした。トップでも盛り上がりそうなコンビだったので最高の2023年のスタートだと胸が高まりました。ウケまくったので胸が高まりすぎてしまいましたが。
令和ロマンは、3回戦ではドーピングネタ、準々決勝と準決勝は猫の島のネタでキャラ漫才に近いようなものでした。
準決勝を終わった直後は、同じようなネタ設定の真空ジェシカの方が面白く、令和ロマンは準決勝の通過もギリギリ(8~13番目)くらいという印象でした。
通常は、準決勝と決勝1本目は同じネタである確率が高いのですが、令和ロマンはいきなり準決勝とは違う転校生(通学路)ネタで来ました。
前説があり会場があたたまってるとは言えど、1組目の登場とはとても思えない盛り上がりを見せました。
令和ロマンがインタビューで語っていたとおり順番にあわせてネタを出していました。前のコンビの様子を見てネタを変えるコンビはいましたが4本ももっているのはすごいことです。
4本も仕上げて、かついつでも100%出せるようにするのは並の努力ではありません。
ネタの制限時間があることもあり、決勝初登場組はとくに最初のつかみが短くなりますが、令和ロマンはしっかりと観客の心をつかんでいました。
シシガシラ
2組目はシシガシラです。敗者復活から勝ち上がりました。準決勝はD組という最後のグループで恵まれた登場だったにも関わらず思いの外ウケていませんでした。(決勝1本目と準決勝は同じネタ)
敗者復活は歌ネタをし、会場が大爆笑の渦となったことで、ヘンダーソンやナイチンゲールダンスという決勝ストレートにいってもおかしくないコンビに勝っての決勝でした。
シシガシラは敗者復活では最初のボケに対するツッコミをしたあとは、ボケに対してツッコミが突っ込まずに大ウケをかっさらうというレベルの高い漫才でした。敗者復活は非常に面白かったのでぜひ見てほしいです。
一方で、ヘンダーソンからあがっていましたが、カメラワークがハゲ頭をうつすことで漫才ではなくカメラワークのせいもあったと批判もありました。カメラは無駄にがんばらずに二人を映しつづけてほしいものです。
敗者復活と決勝1本目のネタを変えた理由はモグライダーやダンビラムーチョと歌ネタでかぶってしまうからということでした。
登場が2番手だったこともあり敗者復活と同じネタで勝負してほしかったです。
シシガシラは同郷ということで応援していましたがハゲネタしいのでハゲネタで突き抜けてほしいです。本人たちも言っていましたが敗者復活を勝ち上がるとは思っていなかったようでさらに高みを目指すきっかけになったと思います。
さや香
さや香は関西では圧倒的な力を有しており、2022年においても優勝まであと一歩まで迫っていました。
さや香については、関西組ということもあり、あまり情報が入ってきませんが、準決勝と同じ留学生ネタでした。
審査員のコメントでもありましたが、留学生という設定は多くの人にとってあまり馴染みがあるものではないので、大ウケにはならないのではないかと危惧していました。
しかし、決勝では大ウケし、1番高得点を出していました。完成されている感じが出ていました。松本人志のみが89点でしたが、他の審査員には刺さっていたと思われます。令和ロマンを超えていたかという点に関しては疑問がないわけではありませんが実力通りでした。
山田邦子の98点にはびっくりしました。
カベポスター
関西組2組目が早くも登場し、ここでこの日の関西組は終了。(元々関西所属という点では、このあとに続くマユリカもヤーレンズもNSC大阪出身)
カベポスターはさや香と登場日や順番が近くなりがちで縁を感じますね。準決勝もさや香の後でした。
学校×不倫というわかりやすいテーマでしたが、さや香ほどの爆発力はなかったようにおもいます。淡々と進めるタイプなので手数が必要だったように思います。
関西組は、映像を見る限り、会場が東京とは比にならない盛り上がりを見せています。あまり行っていませんがNGKの熱は神保町や∞では勝てないものがあると感じます。
準決勝からは全員東京になるため東京ではそこまでウケずに反応がないなと感じる関西の芸人はいらっしゃると思います。
スーパーマラドーナのYouTubeでありましたが、東京会場では爆笑ではなく拍手笑いになっていました。
マユリカ
マユリカは最終まで行けなかったものの「キモダチ」のワードで印象を残し、決勝に出たことで爪痕を残せた一組だったと思います。キモダチは自分たちで考えたわけではないですが、周りから面白く言われるのも才能です。
準決勝は大トリで、さや香やカベポスターの後だったこともありますが、うまく盛り上がっていました。
決勝1本目は準決勝とは異なるネタを出してきたので、個人的には準決勝と同じネタをしてほしかったなという印象です。不倫ネタが連続することもなかなかないでしょう。
マユリカはもう1~2回は決勝に来ても飽きられないコンビだなと思います。最高のキモダチとして戻ってきてほしいですね!!!
ヤーレンズ
今年の優勝候補として注目していたヤーレンズ。ヤーレンズの特徴はとにかく手数が多く、準決勝後のインタビューでも「ボケ倒した」という言葉がありました。
常に面白い状態を4分間に渡り続ける技量が非常に高いです。なぜ決勝に今までこれなかったのかと。
楢原さんのオカマキャラが決勝の舞台でも多くの審査員にはまっていたようです。準々決勝あたりから、面白いのは当然で面白さの質だけではなく量が重要視される昨今において対応できているのがヤーレンズのように思います。
テンポと量で勝負しないと準々決勝以降は勝てないのが今のM-1です。
引っ越し×大家というよくある設定で、これ以上にないくらい最高のネタでした。
3回戦を現地で見たときにこの仕上がりなら今年は優勝いけると確信しましたがあと一歩でした。ただし、人生は変わったでしょう!
ゴールデン番組の出演も増えるはずです。
真空ジェシカ
真空ジェシカもヤーレンズと同じく、予選から大ウケしていました。Z画館のネタはややわかりにくいところもあり、決勝で通じるかなという不安は多少ありました。
真空ジェシカを見て驚いた点は準決勝からネタを半分くらいいじっている点です。ボケとツッコミの内容はじめ細かく修正をしていました。準決勝とネタを同じものをした8組のなかではもっともネタが変わっており最後の最後まで修正を重ねた努力のあとが見られました。
前科2犯に対応する後科2犯などは個人的には好きですが頭で理解するのに少し時間がかかるボケです。
それでも3年連続決勝にきており、もうトップの実力です。本当に後少し、後少し届かなくて残念です。
3回戦で披露していたドラキュラのネタのほうが決勝1本目としてはよいでしょう。
決勝直後の番組で川北さんはずっと一人でいるように見えた点も含めて真空ジェシカは非常に面白かったです。博多大吉からはこの最高得点をもらっていたので相手によって点数が大きく変わる真空ジェシカらしさは出せたのかなと。
ダンビラムーチョ
個人的に最も推していたダンビラムーチョ。歌ネタを貫き通し(YouTubeは野球ネタを突き通し)、決勝まで来ました。
ダンビラムーチョは準決勝と同じネタでしたが、準決勝は非常にウケていました。令和ロマンの準決勝直後のライブ配信でもありましたが、モグライダー、ダンビラムーチョ、ヤーレンズの3連続の部分が準決勝のピークであったくらいダンビラムーチョはうけていました。
ヤーレンズのテンポの早いボケのあとだとダンビラムーチョは天体観測を歌い切る1分間は審査員には長く感じたでしょう。私も準決勝のときはあっというまに感じた天体観測も決勝だと長く感じてしまいました。
ダンビラムーチョは、2022年の敗者復活戦でもやった森山直太朗の生きとし生けるものや、2023年の3回戦でやった浜崎あゆみのMなど本当に歌い続けて終わるものが多いなか、限りなく漫才に近い歌ネタでした。
2022年の敗者復活戦の動画はNetflixなど配信サービスで見れるので一度見てほしいです。来年も決勝進出できそうな雰囲気出ていました。
くらげ
くらげの決勝進出は大きなサプライズとなったはずです。3本プラスα構成でほぼおなじ構成だったので、自分には準決勝のときもあまり刺さりませんでした。同じ構成ということで構成が見えてしまったので中身に集中できていなかったこともあります。
くらげも苦労してここまで来ており、決勝進出発表の涙が印象的だったと思います。
点数こそ伸びませんでしたがまだ伸びしろがあるコンビです。今回は歌ネタに挟まれて順番に恵まれなかったかもしれません。
モグライダー
2021年はトップバッターで2023年はラスト。順番で恵まれないところはありますが、すでに売れているのでM-1の恩恵をウケているコンビです。
モグライダーの歌ネタは決勝でははねていませんでしたが、準決勝では空気を変えたコンビでした。特に、芝さんのツッコミターンで圧倒的に会場の空気が変わりました。
決勝ではともしげさんのツッコミターンでなかなか盛り上がらなかったのが痛かったかもしれません。
今年はほぼ練習しなかったということですが、ラストイヤーとなる2024年は2022年のときと同様に練習を一生懸命やってほしいです。
ファイナル:
令和ロマン
令和ロマンはドーピングか猫の島をファイナルにもってきたなと思いましたが、最終のネタは、プロジェクトXでした。
決勝2本目にもかかわらずつかみの時間をしっかりととっていました。決勝初出場で、かつ最終ラウンドであれだけ落ち着いてつかみに時間をかけてからネタに入るのは本当に恐ろしいです。
審査員のコメントにもあったように、ネタの最初の「あーつまんない仕事だ」のセリフに入るまでも絶妙な間でした。
その後も、ネタの中でのウケの総量が多く、1本目よりもインパクトを残しました。直近数年の記憶では、1本目よりも2本目が明らかに面白いというコンビはなかった記憶です。
1本目で本気を出して、その勢いで2本目も同じくらいウケたコンビが優勝する流れでしたが、2本目を温存するという作戦にでて勝負に勝ちました。
ヤーレンズ
昨年の敗者復活でも披露していたラーメン屋のネタをさらに磨いてきました。ラーメン屋は設定も分かりやすく、ウケのポイントも作りやすいですが、トップレベルのボケとツッコミの量で笑いを起こしました。
3票入ったのもうなづける出来でした。本当に優勝してもおかしくなかったです。
さや香
見せ算です。見せ算やるとは思いませんでした。決勝の大トリで見せ算です。さや香が好きになりました。
大阪勢は複数のネタで勝ち上がるスタイルではなく1本のネタを磨いていくスタイルなので、普段の舞台とは違う場所でネタを複数試しておくとよいのではと素人意見を持ちましたが、東京で練習できるのは実質準決勝だけなので練習する余裕はないですね。
見せ算ありきで1年間やってきたさや香は本当に芸人です。芸人魂見せつけられました。
3回戦、準々決勝
オズワルドやロングコートダディは決勝の舞台に立てませんでした。実力的には決勝にいってもおかしくありませんでしたし、3回戦~準決勝までは実際にウケていました。
審査員も今年から変わったこともあり、決勝に残るはずだと信じていました。通過するギリギリ+αを狙っていたのかなと思っていましたが、実際はそうではないなという感想を準決勝後に持ちました。
賞レースで勝つためのネタを二桁以上持つのは労力的に大変です。
準々決勝から準決勝は一気に絞られるので運の要素もありますが、準決勝未出場組とっては、120%を出さないと立てない場なのだなと思います。
2024年に向けて
来年は2024年です。誰が優勝するのでしょうか。
令和ロマンやヤーレンズは平場でも強い印象だったので今後売れていくことは確実です。決勝に行けなかった組もニューヨークのようにテレビ出演が増えていくでしょう。
M-1も傾向と対策を練らないと勝てない賞レースになったかもしれません。純粋に面白いコンビが勝つのはありますが、決勝に残るための戦略作りは重要です。
今回決勝で活躍した令和ロマンやヤーレンズやダンビラムーチョは敗者復活で爪痕を残したコンビです。今回敗者復活で爪痕を残したコンビが来年の決勝にいるはずです。そして準々決勝敗退組にも面白いグループやコンビはいるので来年が楽しみです。
2023年ありがとう!!!