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未来につなぐ森を一緒に考える|森カフェ(森の実験室)

8月24日マキノのCAFE TSUMUGUを会場に開かれた「つながる!森カフェ」に行ってきました。

会場のCAFE TSUMUGU この日は貸し切り

高島市の森林水産課との協働提案事業として、イベント「つながる!森カフェ」は、高島市、株式会社流域デザイン、タネカラプロジェクト、Soubou craft が共催。スピーカーとして登壇されました。

みなくちファームの水口さんはマキノで農業を生業とされています。自然豊かなマキノで育った水口さんですが、子どもの頃に記憶している風景と今のマキノは、同じ場所とは思えないほど変わっていく現状に危機感を抱くようになったそうです。

昔は半袖・短パンで森に入れたが、今はうっそうとしてそれもできなくなってきた。昨今の気候変動、地域の抱える課題、さまざまな問題がある中でも、たくさんの方々と関わり知恵を出し合うことで、それぞれが抱える課題の解決へとつながる何かを持ち帰ってもらいたい。そんな想いを話してくださいました。

お話されている男性が水口さん

はじめに高島市の方から市の現状について、陸地面積の約7割が森林であること、その森林が琵琶湖へ注ぐ水の約1/3を生み出していること、森林所有の内訳や、クマやシカによる皮剥き被害、松枯れや災害による倒木被害の現状と課題・対応策、琵琶湖システム等についてご紹介いただきました。

タネカラプロジェクトの清水さんは、朽木へ移住され畑と田んぼを手入れしながら薪風呂生活を長らく続けていらっしゃるそうです。森に関わる仕事に10年たずさわる中で、山の木の種を拾い育て、また元あった山に帰す「タネカラプロジェクト」を立ち上げました。森にとっては人が入らず手付かずの方がいいと思っていた清水さんですが、人が入らず森が暗くなることによって、カタクリのように適度に光が必要な植物は減っていく場合もある、自然と人との関係を共同体として捉え直すようになったそうです。

よく見ると「森」は同じ「木」が3本あるのではない(清水さん)

子どもの頃に魚の「どんこ」を獲って魚屋さんごっこをしていたところ、お姉さんに怒られ魚が生きていることを知った体験をお話しいただいたり、カラフルな虫の写真や、会場には冬虫夏草(トウチュウカソウ:キノコの一種)を持ってきてくださいました。

実際の冬虫夏草

Soubou craftの山本さんは、異なる種類の木を継いだ「蟻継箸」と、一般的に使用されない木材を使用したランプシェードの制作過程をご紹介いただきました。大きな旋盤で削る迫力ある映像が流れます。

工房で木を削っている様子
カフェには山本さんが制作したランプシェードが

株式会社流域デザインの岩松さんは、朽木針畑を中心に林業をされています。山々を管理し、山主さんの意向を伺いながら計画を立て、木材の搬出とコーディネートを行う中、現場から見える実情をお伝えいただきました。

田んぼ跡の木。黒いシミはカビの跡

例えば昔田んぼだった場所に植林した木は材質が良くないことや、鹿が下草を食べることによって表土が雨で流れ木の根が出てしまっている状態は、地中の水を木が蓄えられず、水が森にとどまっていない状態。大きな水害につながるおそれもあること。また、定点カメラで鹿の数を調査した際にクマが写っていたことなどを、写真と映像でご紹介いただきました。

苗木を育ててもボロギクの方がたくさん生えてしまい、苗木が埋もれてしまう為刈っていたが、逆にボロギクが日陰をつくり、苗木が育っていたことを発見された話が印象的でした。

将来にどんな森を残していくのか、多様な選択肢を持つ資源になるよう、将来に希望が持てるようにしていきたい。

様々な活動を通して、未来へつなぐ森づくりを考える時間となりました。
森の実験室は、今後もこのような活動を続けていきます。

取材:来見

詳しい情報は下記をご覧ください

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