
山間部の分校をセルフリノベーション | いなか暮らしラボ古今集 セルフビルド塾
高島市北部の山間地域 在原で、廃校になった分校をセルフリノベーションする試みがあると聞いて、取材に行ってきました。

在原(ありはら)地域はメタセコイア並木を抜け、車で10分程北へ向かった山間部。「いなか暮らしラボ古今集」では、ジビエやこんにゃく作りといったワークショップ、築100年の古民家でのお試し移住など、いなか暮らしの入り口として、様々な試みをされています。今回はセルフビルド塾の一つ、「在原分校セルフリノベーションプロジェクト」のワークショップに伺いました。
分校のこれから - 在原分校セルフリノベーションプロジェクト
廃校になったマキノ北小学校在原分校。体育館が併設された2階建ての分校が、今回の舞台です。セルフリノベーションは始まったばかり、まだ当時の姿のまま、着々と変わっていく過程に立ち会うことができました。この日は玄関横にある職員室だった部屋の天井板を撤去するところから。作業を教えてもらいながら、1枚ずつ撤去が進められました。

この日の参加者はみなさん女性。京都、大津、市内から集まったメンバーです。天井の板を外すと隠れていた配線が現れ、スピーカーの裏側など普段見ることのない部分を見ることもできました。天井の裏側はこうなっていたのかと発見があり、これは校舎のリノベーションならでは。今だけの特権です。


校舎内を見学させていただき、他の部屋も見せていただきました。
部屋に残されたものは当時のまま。まるで時が止まったような、ノスタルジーな雰囲気が広がっていました。



ワークショップの講師でもある「いなか暮らしラボ古今集」の福井朝登さんにお話を伺いました。1級建築士でもある福井さん。2002年に高島市へ移住し、築150年のかやぶき古民家を7年かけて自身の手で再生させました。そのノウハウを活かし、セルフリノベーションの入門書として「空き家改修の教科書」を執筆。同書は2016年「NPO法人結びめ」が空き家改修の為募ったクラウドファンディングの返礼品として制作し、出版されました。

19世帯37人の方々が暮らす在原。雪深い山間地域の在原は高齢化の課題がありますが、新たに移住される方もあり、大工さんによる古民家の改修が進められているそうです。「いなか暮らしラボ古今集」では、移住を考えた時に出てくる不安や課題「見えないハードル」を体験や交流で可視化し、安心して「失敗できる いなか暮らし」の体験を提供する場づくりを進めています。分校のリノベーションもその一つとして、宿泊できる いなか暮らしの研修施設としての稼働を目指します。
宿直室にはお風呂があり、家庭科室には調理場もある。実は様々な資源と可能性がある分校。リノベーションし、きれいに使いやすくした上で、お試し移住や在原の食材を使用したカフェメニューの試作など、新しい試みが生まれる場として活用していきたいとお話しいただきました。在原には気づかれていない資源がたくさんあります。情報の発信もしていきたいですが、追いついていない状況。SNSに強い若い方の協力も募集しています。
40畳の大広間 - 学びと宿泊の施設「くくるとは」
お昼休憩に近くの「くくるとは」へ移動。先行して改修された「くくるとは」もワークショップで改修が行われました。基礎の改修や床貼り、池の清掃など、京都や大阪から参加された方や地域の方々と一緒に汗を流し、2024年にオープン。40畳の大広間は襖で仕切り空間を分けることもできます。イベントや研修、サークル活動の合宿として宿泊も可能。

薪ストーブ併設の大広間は、外の日差しがあたたかく心地いい空間。お昼は縁側で取ることになりました。
外に積もる雪は1m程。昔は2-3m積もることが当たり前だったそうですが、近年は積もる量も少なくなっているそうです。住みやすくはなりましたが、環境の面では複雑な想いがあります。

参加者のみなさんとお昼を囲みながら、大きなスクリーンを張って上映会ができそう!と、早くもアイデアが生まれていました。次はこの場でどんなことが起こるのでしょう。在原の今後が楽しみです。セルフリノベーションのワークショップは長期的な試みです。つくる「過程」を楽しみながら、今だからこそ出会える景色に会いに来てくださいね!
詳細は「いなか暮らしラボ古今集」のHPをご覧ください
取材:来見
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