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CFexpress 4.0のカードとカードリーダー
先に一言だけ書いておくと、今後出るであろうEOS R1やEOS R5mk2などの機種がCFexpress 4.0に対応すると思うが、この転送速度にライブ撮影の未来を感じた。
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カードリーダー
カードリーダーは2種類買ってきた。1台は安価な普及価格帯のCFexpress 2.0対応のもの、もう1台はProGrade Digitalから出ている最新規格のCFexpress 4.0とUSB4に対応したもの。
サイズや質感を比較してみる。
ProGrade Digital(1.5万円)は表面はプラスチックでできていて、裏面には滑り止めのゴムがついているので、机の上でもしっかりとホールド感がある。商品ページにも書かれているが、高速での転送を考慮してカードを冷却するためにヒートシンクが入っていてサイズが大きく重くなってしまっているようだ。
また、裏面にマグネットが内蔵されていて、カードリーダーの付属品としてメーカーのロゴ入りのスチールの粘着プレートが付属する。そのうちPCを買い替えるかもしれないので私は今回は貼らないことにしたが(貼り直しは無理そうなので)、スチールの粘着プレートをノートPCの表面に貼り付けることでカードリーダーをノートPCにマグネットでつけておくことができるので現場での使用を想定した便利な付属品だと思う。欲を言えばPCを買い替えたり増やしたりするときのためにスチールのプレートをバラ売りして欲しいw
LENTION(3000円)は表面はアルミ筐体で、ProGrade Digitalよりも一回り小さく、ケーブルは着脱不能な固定式。
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重量を比較
重量を比較すると3倍くらいの重量差がある。重量は主に出先に持っていって現像する時の利便性を考えて測定したが(自宅なら別に重くても関係ないし)、ProGrade Digitalの方はケーブルも長くて重量が重くて外で使うのにこの長さはいらないかなって感じなので(というか長すぎて邪魔)、短いUSB4ケーブルを買ってきたほうがいいかなと思うが、それにしてもカードリーダーが重い。
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サイズを比較
重ねてサイズを比較してみても安いLENTION製のカードリーダーのほうが1周り小さく、厚さも薄い。
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速度
やはり速いは正義だ。従来CFastカードだと高速な内蔵SSDに転送する場合でも5分以上はかかっていたと思うのでそれが1/4くらいに短縮されたらもっと早く選別作業に入ることができるし、出先でカードリーダーなんて邪魔なものを繋いだ状態で待っている時間を減らすことができるので快適性という点でも速いのは正義だ。
ProGrade Digital(15000円)
USB4(40Gbps)に対応したケーブル、カードリーダー、PC(MacBook Air M1 2020 16GB 1TBSSD)でテストした。
ベンチマーク上では読み込みで2.7GB/s以上の速度が出た。
実際にデータを入れて50GB程度転送してみたところ、20秒間で48GBくらい転送されていたのでおよそ1.86GB/s程度の速度が実際の転送の場面で出た。(カードリーダーからMBAの内部ストレージに転送してみた)
私はCFexpress 2.0のカードを持っていないのでネットで調べてみてほしいが、USB4のカードリーダーを使ってUSB-C 3.2 Gen 2 10Gbpsの速度のボトルネックが解消された状態で測定してもハイエンドモデルのCFexpress 2.0カードでも1300MB/s弱くらい速度しか出すことができず、2.0のコバルトよりも4.0のゴールドのほうが速い転送速度を得ることが出来るようだ。
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ベンチマークではメモリーカードにデータを書き込んでみてどれくらいの速度で書き込んでいるかを見ているだけでUSBとカードリーダーとメモリーカードが速ければいい数字が出る反面、転送先のストレージの速度には依存しないので実際の転送の現場を反映した速度ではないので実際に画像データのたくさん入ったファイルを転送してみて速度を試してみた。
正確によーいどんでストップウォッチを押して測定した訳ではないが、この動画の最初と最後のギガ数と時間で割ると1.86GB/sくらいの平均速度でMBAの内部ストレージに転送することができた。(まあ、そのへんは実際にCFexperessを運用し始めてから速度や快適性などは評価していきたいと思う。)
LENTION(3000円)
CFexpress 4.0は対応のカードリーダーを使ってUSB4を使わなければ最高速度を出すことができないだけで、カードリーダーなどに関しては後方互換性があるので、CFexpress 2.0対応の製品でも問題なく読み込むことができる。
USB-C 3.2 Gen 2 10Gbpsに対応しているLENTIONのカードリーダーで試すと、1GB/s未満だったので、規格相応の速度が出ているなという印象だった。
これでもCFastカードの倍近い速度が出ているし、120GBくらいのデータでも150秒くらいで転送が終了することになるのでかなり速い転送速度だなとは思う。カードリーダーのコンパクトさを考慮するとこっちのほうが持ち歩き適正はあると思うので、最終的にどっちのカードリーダーを持ち歩き用の機材として常用するかは今後の使用を通して検討していくべき事項であると思う。
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今後
ProGrade Digitalに関しては例えば512GBのカードは4.0のカードはセールに関係ないときで、発売当初800円差程度だった。(現在、2.0の512GBが2.4万円程度に値下げされた)
メーカーが公表しているスペックシートを見比べてみると、2.0では容量によって対応している速度が違って、容量によっては一定以上の解像度やビットレートの動画を撮ることができなく扱いづらい感じがあったが、4.0ではどのモデルでもスペックシート上では同じ速度が出るので、普段はスチルしか撮影しないカメコだとしても動画をちょっと撮ろうと思ったときに不便しない汎用性や価格差、4.0対応のカードリーダーを使用したときの転送速度の快適さや、今後将来的に出てくるカメラが4.0対応になるはずなので将来的な高画素高速連写時代を見据えて、そのへんのことを考えると512GBのカードで1枚あたり4000円の金額差があっても、これからの新規購入の場合は4.0のカードを購入するほうがいいと思う。
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高画素・高速連写・電子シャッターの時代
今後の機材の流れとしては、最近出たSONYのα9Ⅲでは民生用一眼カメラとして初めてグローバルシャッターが採用されたが、最近ではEOS R3、Z8、Z9、α9シリーズ、α1、X-H2sなどの機種では積層センサーが採用され、電子シャッターで撮影しても実用上ローリングシャッター歪みが問題にならないレベルになり電子シャッターが主流になっていきメカシャッターの限界だった連射速度の限界がなくなりつつあり、また最近では電子シャッターで高周波フリッカーレス撮影ができる機種もあったりとメカシャッターのカメラよりも精密な露出制御ができるようになりつつあり電子シャッターのメリットが大きくなってきているので、今後更にライブ撮影の大容量化が進んでいくと考えられる。
これまで1DX2では20MP14fpsでファインダー撮影することが出来るが、長時間のライブ撮影では14fpsですらメモリーカードの容量に対して連射速度が速すぎる感じがあるので12fpsに抑えて撮影している場合が多い。自分の体感上12fpsと14fpsでも撮れ高は大差ないので12fpsで十分だと思うのでカードの容量切れを起こすリスクが低いモードのほうがメリットが大きいと判断している(もちろん、予算が潤沢にあってメモリーカードをもっと大容量なものに入れ替える予算ができたら全撮影14fpsに統一で良いと思う)
機種によるが、EOS R3の電子シャッターだとフリッカーレス撮影なしで30fpsの次に遅いモードでは15fpsになるようで、1DX系では1コマ単位で速度を連写モードごとの速度を変えることができたが、EOS R3では連写モードごとのコマ速の指定ができないのでメモリーカードにコマ速を合わせるのではなく、コマ速と自分の撮影時間で発生するデータ容量に対して対応できる容量のメモリーカードを用意する必要がある。
ライブ撮影の現場において、現状12fpsと14fpsで撮れ高に差がないと判断しているが、画素数が増えると同じコマ速でも画素数に比例してデータ容量は大きくなるので例えば20MPから45MPのカメラに切り替えたら同じコマ速で同等のAF性能がある場合は同じ撮影時間で2.3倍くらいの容量が発生することになるのでそれに十分対応できるカードを使用する必要があると思う。
自分はライブ撮影では高感度画質を重視したいという点や、高画素機じゃなくても別にトリミング耐性に問題を感じていないこと、縦位置グリップ一体型のカメラが好きな点などから高画素機を使用する見込みは今のところないが、将来的にEOS R1などが登場して今よりも高画素化されたときには、高感度画質次第ではデータ容量の増加を許容してでも使いたいと思うかもしれないし先のことは新製品が出てみないことには予想がつかない。
低画素機でいいかな(今のところは)
一応、自分がライブ撮影において高画素機に対して否定的な理由を挙げておく。
低画素機のほうが高感度画質がいい
低画素機のほうがダイナミックレンジが広い
1枚あたりの容量が大きすぎるとデータの管理が大変
どうせTwitterに上げるときは4Kになるので低画素機で十分に対応できる
ライブ撮影において高画素機で高解像度を出すにはより高速なシャッター速度が必要になるので低画素機よりも高感度に弱い高画素機で更にISOを上げて高速シャッターを切るのはあまりいいとは思えない
現状、電子シャッターの場合は画素数が低い機種のほうが読み出しが速くてローリングシャッター歪みが少ない傾向にある
結局、レンズの解像度にも限界があるので高画素機でトリミングしたところでそこまで画質がいいわけでもないと思う
などなど高画素機に対する文句を並べたが、高画素機でも低画素機と同等以上の高感度画質を確保することができるならよりシャープな写真を撮ることができるようになるのでちょっとずつ高画素化はさせていきたいなとは思っている。例えば、野外のどピーカンでSSの問題がないような現場で、電子シャッターでローリングシャッター歪みが問題にならないような機種なら高画素機でシャープな写真をどんどん狙えばいいと思う。
機材の最適解は時代によって変わると思うので、技術の進化に応じて知識もアップデートして画質を高める努力は撮影者である以上必要だなと思う。
余談
pSLC対応のギガ単価が高いやつだとたくさんの容量を確保したいライブ撮影用途には、コストと容量の確保の観点からTLCメモリのカードで正直十分だ。
現段階では将来的な拡張性を考えて4.0対応モデルを買うか、値段がこなれてきた2.0を安く買うのもいいと思う。
最近出たNextorageのCFexpress 4.0対応カードも気になる(お値段がネック)
CFexpress4.0ではないが、実運用での差はそんなに出ないので、ギガ単価が安いので普通にアリ。