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CP+2024

今年は久しぶりにCP+に参加してきた。
今はカメコとして活動していて、ありがたいことにカメコ関連での知り合いも多くなったし、自分としても機材の選択の中心軸はライブ撮影で使いたい機材という観点が中心なのでカメコ的視点も含めてCP+2024で気になった製品などをご紹介したいと思う。


雑感

今年期待してたもの

今年期待していたものは、今年は2024年でオリンピックイヤーでTwitterでも散々ツイートしていたが、Canonから新しいフラッグシップ機のEOS R1とインナーズーム版の70-200mm F2.8が登場するのではないのかとずっと楽しみにしていたので正直期待外れで、個人的には見どころのないCP+だなという印象だった。

他社

では、Canonはさておき他社の見どころは?となるとSONYは今年の五輪でも多用されるであろうカメラのα9IIIと300MM F2.8は既に昨年末に発表済だし、既に発売されていてヨドバシAkibaとかに行くとα9IIIもサンニッパも現物を見ることができるので別にCP+で見なくてもって感じだった。
Nikonに関してはZ6iiiが登場するという噂だったが、結局CP+では登場せず結局噂で終わってしまった。

OM SYSTEM(旧オリンパス)からOM-1 Mark2が登場したり、150-600mm(中身はシグマ)が登場した。

Panasonicからは高倍率なのに小さくサイズ感バグってる「変態設計」な高倍率ズームレンズが登場し自分の知り合いでビデオやってる方などは興味津々のようだ。

最近のCP+

あとは、近年ではPENTAXが出展していなかったり、昔はメーカー単体で出展していたSanDiskも今ではSD Associationの1区画でちょこっと出展するだけにとどまるほどに規模縮小し、メモリーカードでは現在業界の技術トレンドの最先端を行くProGrade Digitalは出展すらしていないなどの現状であり、もはやCP+に行ったから今年のカメラ業界がわかるという感じではなくなってしまったなと思う。

【今年のCP+に出てななかった、規模縮小したメーカー】
過去に出ていたメーカー、これまでも出ていないメーカーなどメーカーによって事情は様々ですし、CP+に出ないことを批判する意図は全く無いですし、筆者自身もはやCP+に出展する意義があるのかはちょっと懐疑的です。メーカーをdisるという意図ではなく、業界の流れ的に気になるという意味です。

Manfrotto、GITZO(昔は出ていた)
ProGrade Digital(そもそも出展していない)
ニッシンデジタル(昔は出展していた)
SanDisk(昔はSDAとしてではなく、メーカー単体で大きいブースを出していた)
キオクシア(旧東芝のときは東芝として大きくブースを出展していた)
PENTAX(純粋に出展しなくなった)

メーカー出展ではないが、同会場でアウトレットの出展がなくなったのも個人的には寂しいところだ

一昔前のCP+は1区画の非常に小さいブースで海外から出展してくるメーカーも多数ありまだ日本に上陸していない製品を見ることができるところが醍醐味みたいな感じはあったが、最近は資本力のある大きいメーカー
それこそ、アイドル業界で例えれば普段見ないものを見る機会があるという意味ではTIFみたいな楽しさがあった。

見どころ

話が迷走したが、それで今回の個人的な見どころは?って話に戻る。

自身がミラーレス機に移行してメモリーカードの規格も変わり以前よりも大容量のメモリーカードがひつようになったことで、個人的な興味の中心がメモリーカードなのでメモリーカードを中心に気にしているのはあるが、今年はメモリーカードやポータブルSSDなど半導体記憶装置が熱い分野なのは間違いないと思う。

理由としては
1,大手メーカーからのカメラ・レンズ類の新製品発表の見どころがなくて見るポイントがないから自然と周辺機器に目が行く
2,最近のレンズが高いものが多くて、出たところで買えるものが限られている&直近の新製品で欲しいものが少ない
3,メモリーカードはそこまで価格が高くなく、最近の規格更新での性能向上などで投資金額の割に得られる恩恵が大きい

SIGMA

見どころで記録メディア類を上げていたが、今年もSIGMAは安定に面白かった。

15mm F1.4 FISHEYEレンズ

以前自身のnoteにも書いたが、CanonとNikonの魚眼はズームレンズで暗く、タムロンは魚眼を作っていなく、SIGMAはF2.8の魚眼が気づいたら生産終了していて魚眼レンズの入手性が悪くて魚眼レンズ暗黒期だったが、SIGMAから待望の新しい魚眼レンズが登場した

金額が高くて、サイズも大きく、気軽に持ち出せる魚眼レンズという感じではないのでこれを買うカメコがいるか?と問うとNOだと思うが、SIGMAが魚眼レンズを新しく設計してくれたことは個人的な嬉しいニュースだ。
実際に現物を見て触って、試し撮りもさせてもらったが、開放で撮っても周辺部までシャープで、作例画像を見ても周辺部のサジタルコマフレアが綺麗に抑えられていて「本当に広角レンズか?」ってくらいシャープな魚眼レンズだった。
SIGMAの直販で33万円と高価なレンズで、チェキを撮ったり、現場に行ったりと出費が大きいアイドルヲタクのカメコたちにとっては使用頻度と重さを考えるとなかなか買おうとは思えないが、最新設計の魚眼レンズが登場したことは写真表現という意味では業界的に明るいニュースだ。

唯一残念なのはEマウント、Lマウントしか作られておらずCanonユーザーはこの素晴らしいレンズを使うことは叶わないことである。。。

500mm F5.6

100-400mmなどよりも大きい口径のレンズだが、単焦点レンズのシンプルな構造なのも相まって1.4kgアンダーと非常に軽量に仕上がっている。
単焦点なので写りは非常に綺麗で、AF速度は正直純正の100-400mmに比べるとちょっと遅い気がするが遠くの被写体を狙う超望遠レンズとして考えたときにAFは迷わなければ別にそこまでの移動量を使うわけではないので実用上問題ない速度なので金額的に買うことができて自分の使ってるメーカーのマウントが出ているならばいい選択肢だなと思った。

最近はズームレンズが多く重たいレンズも多いが、画質的なメリットや重量の軽さを考えると「これでいいんだよ」なレンズを作ってくれたなと思った。
個人的にはSIGMAから300mm F4や400mm F4.5などが登場してくれたら欲しい。
単焦点レンズの魅力として、ズームレンズより1段階焦点距離を長くしたり、1段階明るく光学設計しても望遠ズームレンズと似たような重量で作ることができるのがメリットだと思う。
最近のボディはかなり高感度に強いのでF5.6だと流石に暗くて辛い現場は多数あるが、F4やF4.5なら今のボディなら全然いけるよなって現場はたくさんあるので、今は多少暗いレンズでも撮影できるようになったおかげで望遠がより手軽な存在になりつつあっていい時代だなと思う。

魚眼レンズ同様に、唯一残念なのはEマウント、Lマウントしか作られておらずCanonユーザーはこの素晴らしいレンズを使うことは叶わないことである。。。

Nextorage

素直に白状します、クーポンが欲しくてCP+行きましたw

まあ、実際にクーポンで得られてた値引きは購入額が安かったのもあり600円くらいしか値引きされてないのでCP+に行く交通費のほうが高いのでメモリーカードを安く買うためにCP+に行くという図式にはなってないですが、3%値引きのクーポンはなんか地味に嬉しいですよね(思考が小市民かもしれませんがw)

CFexpress 4.0

さて、今回のNextorageの見どころはProGrade Digitalなどに続いてNextorageもCFexpress 4.0対応のCFexpressカードとカードリーダーを市場に投入してきたところです。
4.0規格のメリットなどについてはこれまでも散々述べてきたし、既に他のカメラ系のメディアで言われてきたことと同じなのでざっくりになりますが、2.0対応のボディでも使用することができ、USB4対応のカードリーダーを使用すると超高速でデータを転送することができることがメリットです。

今回、Nextorageが投入してきたのはSLCタイプのもので、値段がまあまあ高く、カメコはカメラへの設備投資とは別にアイドルヲタクとしての出費もあり慢性的に金欠なのでSLCタイプのメモリーカードは正直高いこと、デュアルスロットなので別にTLCメモリでも信頼性的に問題ないことなどもあり正直言うとSLCメモリのカードは別にいいかって個人的には思ってます。
ProGrade DigitalはCFexpress 4.0でSLCメモリもTLCメモリもラインナップが揃っているのをみると、NextorageもTLCタイプの4.0のカードの登場を期待しています

あと、メーカーの方とお話して聞いてみたところ、ProGrade同様に4.0のTLCのカードは出すみたいなので楽しみです(もう流石にCFexカードこれ以上はいらないけど)

クーポン、セール

実際にCP+出展記念セールとクーポンの合せ技でメモリーカードを1枚お安く買いました。
CFexperess 2.0のType-Bで、TLCメモリの512GBのモデルです。有名メーカーの512GBのカードを16000円台で買えるのはかなりお買い得だと思います。

クーポンを貰った手前言いづらいですが、正直な感想を言いましょう。
セール+クーポンで安かったから買いましたが、通常時の25990円でこれを買うならCFexpress 4.0に対応しているProGrade DigitalのGoldを27800円で買う方がカードの将来性という観点も含めて良くないか?と思います。
ですが、現在は4.0対応のボディはまだ市場に存在しないので実際に撮影中に4.0の速度的な恩恵が実際に出るかは正直微妙ですし、自分の使用条件ではCFexの速度は必要十分に速いので2.0だからといって別に問題があるとは正直思っていませんw

ちょいちょい失礼な発言も漏れてしまいましたが、かなりお安く買えたのでメーカーさんありがとうございます。
使用感とかのレビューはそのうち書きます。でも、自分の使用条件では別に4.0のGoldのカードと撮影中は差は出ないと思うし、メモリーカードは縁の下の力持ちなので、速度的な問題さえなければ、不満が出るとしたら壊れたときにそのメーカーが嫌いになる場合があるくらいなので、普通位使えてる間は特に思うところはないのが皆さんの正直なところですよね。
メモリーカードは動いて当たり前で、壊れると叩かれる存在なので信頼性の高いメモリーカードを作ってるメーカーの皆さんの努力は本当にすごいと思います。

Lexar

続いてレキサー
一時期日本市場で見なくなった時期もあり存在感が薄れた時期もありましたが、今回は結構注目ポイントあるなと思いました。

耐久性全振りのタフなSDカード

耐久性全振りで、SDカードの外装はアルミ製、防水で水槽の中に沈めた状態で展示されているあたりメーカーの自信を感じました。
これまで他メーカーから出ていたタフを売りにしているSDカードって速度はそうでもない製品も多くて耐久性まで気にするようなスペックガチ勢が使うにはちょっと遅いというものが多かった気がしますが、今回は上位のモデルの方ではWrite 210MB/sと結構速くてスペックガチ勢も使えそうなスペックだなと思いました。
まあ、レキサーは値段高めなのでいくらになるのかは気になるところではあります。

CFexpress 4.0のType-B

あと、CFexpress 4.0のType-Bのカードも展示されていました。各社ともに4.0のカードが出てきて、今年はいよいよ4.0が主流になる年になるなと思いました。

4TB

あとは2.0だけど4TBのカードがラインナップに追加されました。
流石に4TBは静止画ではいらないですが(1TBくらいは予算あるなら欲しい)、ビデオグラファーの皆さん的には8KのシネマRAWで長時間回せるカードは画期的なのかもしれません

CFexpress 4.0 Type-A

製品の写真を撮り忘れてしまいましたが、CFexpress 4.0のType-Aのカードも今後でるみたいです。
直近で出たSONYのα9iiiも2.0の機種ですし、果たして4.0対応したボディがいつ出るのか、あるいはα9iiiが今後ファームアップで4.0対応になるのか、SONY次第ですね。

ポータブルSSD

先日ポータブルの高速なSSDが出るってニュースは見ていたので知っていますが(写真左のストラップホール?みたいな穴が大きいやつ)、最近はSanDiskのポータブルSSDの信頼性の疑惑があるせいで他のメーカーのポータブルSSDへの注目度は大きいです。

OWC

メモリーカード

CFexpress 4.0というとPGDが一番先に出したイメージがあるかもしれませんが、実はOWCのほうが先に市場に投入していたりします。(OWCは4.0対応のカードリーダーをまだ発売していないのでシステム全体で先に完成されたのはPGDですが)

ポータブルSSD

日本市場ではあまり有名なメーカーではないですが、海外では結構有名なメーカーらしいです。
メモリーカードは外装の形状などが規格化されていてみんな同じサイズなので外装からある程度スペックや機構を類推して期待することはできませんが、ポータブルSSDは外装を工夫する余地があり、表面形状はある程度性能に相関する傾向にあります。(大きい筐体は冷却能力が高かったり)

個人的に欲しいなと思ったモデル。
本体がポータブルのSSDにしてはサイズが大きくポータブルHDDくらいのサイズがあり、重量もアルミ製でずっしりと重く、側面が小さいフィンになっていたりとかなり冷却と堅牢性を意識した構造になっていて冷却性能にかなり期待できると思うのでいいなと思いました。
メーカーの人に値段を聞いたら、他社の同クラスと同じくらいとのことだったので4万円弱を想定していましたが、調べた感じ5万円弱で思ってたよりも高かったのでもう少し安かったら欲しいけどちょっと高いですね…

これはポータブルというよりはデスクトップPCとかに繋いで据え置きで使う用のSSDですね。
見ての通り表面が大きなヒートシンクになっていて、冷却に全振りした設計になっているので動画編集などで大容量のファイルを取り扱っても速度低下が少なく快適に使うことができるそう。
調べた感じ、m.2 SSDのケースが実態のようでケースとして買ってきて適当なm.2 SSDを入れて使う用途として検討するのもいいかもしれない。

EXASCEND

やはり今年は各メーカーともCFexpress 4.0のリリースが多いです。

ポータブルSSD

同社からはCFexpress Type-Bが2.0で5種類、4.0で1種類のラインアップがありました。
このモデルは動画に強くて、このモデルは4.0で、このモデルはREDの推奨カードになっててとか説明を受けましたが、はっきり言ってよくわからなかったし、多くの静止画も動画も両方撮る人もいるので1種類のカードで両方対応できるべきですし、3モデルくらいに絞るべきだと思います。

CFexpress 4.0のカードリーダー
背面にマグネットがついてて、スチールのプレートをPCの背面に貼ることでPCの背面に固定することができます。(PGDと同じような構造ですね)

SUNEAST

最近、デジタルカメラグランプリとか国内の賞を受賞していたり、ヨドバシとかでも販売されていたりとじわじわと国内での知名度が上昇してきている印象。

SDアソシエーション

SD Expressという次世代の高速規格が既に発表されているが、SD Expressの2列目のピンはUHS-Ⅱとは異なる通信を行っていてUHS-Ⅱと互換性がなく、UHS-Ⅱのデバイスでは高速で動かすことができないなど互換性に難があり、互換性が複雑奇怪で一般ユーザーにとっては理解が難しいなと思った。

また、Gen4x2やGen3x2(表の一番右側)では裏面の面積の半分以上が接点になっていて、カードを持つときに触れる場所がかなり限られるので、メモリーカードの接点に素手で触れるべきではないとかそのようなカードを安全に取り扱うという観点からもこの規格は製品の形状も含めて取り扱いづらいのではと思った。

昔からちょっとずつ端子などを拡張していって速度を向上させていったSDカードだが、そろそろ限界が近づいてるのではないだろうか?

PGYTECH

個人的に気になったのはこのカードリーダー一体型ケース。
SDカードリーダーとの一体型ケースは7000円くらいだが、CFexがいくらになるのかは不明。
ライブ終演後にスマホやiPadで写真を読み込んですぐ現像を始めるカメコたちにとっては意外と便利な装備になる可能性がある気がする。


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