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❨913❩1974.2.28.木.晴/ネパール入国・ここまで思い切って来て、ほんとうに良かった/インド→ビルガンジ(Birganji):ネパール
午前2時頃、ラクソール手前で乗り換え。
眠くて駅のベンチに眠っていたところ、5時発の汽車に乗り遅れてしまった。
仕方なく、バスに乗る。
ハチ切れん程に、人と荷が乗っており、俺と数人の客が屋根に40分乗って行った。
人間も荷物も同じだ、ここは。
昼前、遂に待望のネパールのボーダー(国境)を通過。ビルガンジの町まで30分程歩いた。
陽は高く、暑かった。
昼食に、カレーライスにマトンの煮物を食う。
12時、首都カトマンズ行きのトラックを見つけた(15NLP)。
この辺は、トラックも商売にしており、ヒッチしても金が要る。荷台だが、バスの半分程の金でいい。
荷台から見た、ネパールの山の雄大な事。
来て良かった。最高だった。
二人で、驚きと喜び混じりの声をあげ乍ら行った(カナダ人カップルが1組いた)。
驚き、感動した。
アンデス、ロッキー、アルプス、アトラス、どの山にも感動してきた俺だった。各々の味があった。
ここはまた、違った味の美しさ、スケールの大きさがある。
言葉は要らない。兎に角最高の気分だ。
道はダートで狭く、曲がりくねった急坂が多かった。
所々に民家があり、家も人も、人の生活も珍しかった。
旅疲れして、何を見てもさほど刺激されな俺の頭、いや、体全部を、しびれさせる物がイッパイあった。
いくつもいくつも峠を越え、村を過ぎた。
急傾斜の山に、段々畑が目を見張るばかりに広がっていた。
子供や女性の働く姿がよく目につく。貧しいが、純朴さがある。
トラックの荷台からは、気持ちの良い陽と風を受け、広く景色が眺められた。
夕陽が沈む時、山々のカスミと夕陽が美事にマッチして、スバラシイパノラマが浮かんだ。ウットリした。
夜、トラックは、村にストップ。
日暮れから夜にかけて風は冷たく、ここで、荷台に寝袋で夜明かしになった。
ああ、ここまで思い切って来て、ほんとうに良かったと思う。
あゝ、来て良かった。ネパール。