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❨503❩1973.1.16.火.晴→曇/想い出ベレン/→サンタレン:ブラジル(Brazil)
<想い出ベレン>
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マンゴーの木が並木になっている。
子供達が、その実を落として食べている風景がよく見られた。自然に熟して来ると落ちる。当たったらたまらない。
かつてアメリカへ渡る時、船の中でよく聞いた「べレン」。覚え易い地名で忘れなかった。
想像の中の町は、もっと田舎だった。ブラジルのドンづまりに、こんな町が出るとは意外だった。
土くさい人間と文明人が入り混じって生きている土地。
このアマゾン最後の町は、これから更に巨大な街へと発展してゆくだろうが、あの河のにおいと色、そして息づまる様な暑さは、いつまでも変わらないだろう。
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船は調子良く進む。
朝、腕立て40回と軽く体操をする。腹の脂肪が大分取れてきた。
6時に起きてから、体操、トマ·バニョ、そして本を読む(カラマーゾフの兄弟)。
波はやや高く、時々2艘がかなり激しくすりあう。
夕方、河がなぎってきた。夕焼けが見え、美れいなアマゾンの夕暮れだった。
初めて見る鳥が所々見られる。
少年(ピール)と、英語・ブラジル語の練習をする。
夜になって、美れいな月が船を後から見送っていたが、やがてまた少し、しけが始まった。
今夜サンタレンに着くというので、寝まいとしたが、なかなか町は姿を現さなく、倉庫で少し眠る。
夕飯は、フェジョン・カルネ・アロース・ファリーニヤの組み合わせ。少ししか食わなかったが、タバコのせいか(でも一日二本)で、胃が調子悪くなる。