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❨285❩1972.6.12 月 曇 首都アスンシオンを歩く/パラグアイ(Asunción:Paraguay)

町を2度散歩する。
川づたいに並ぶ町は、ゆるい斜面の丘にあり、「密林都市」 といった感じがした。

官庁、大学が静かな場所にあったが、その下の方の川沿いには、沢山バラック建ての家が見える。何か、全く別の部落の様に見える。

裸足でかごを頭に乗せて歩くセニョーラや、少年 (チコ)も時々見かける。

やはりここも、多少ではあるが、独特の雰囲気がある。ブラブラ歩いていると、珍しそうに俺を見る。
今はもうここの人々に劣らない程の色と服装をしてるのに、どこがそんなに面白いのか?

浅黒い肌で背は低いが、どことなく親しみ易い感じのする民衆。古びた家が並ぶ町もまた、気楽さが十分にある。

旅の始めの頃は、じろじろ見られる事がテレ臭かったが、最近では慣れて、さ程気にもしなくなって来た。
バスから、家から、俺を見る目が光る。
いつも、日本人としての、恥にならない風体を最低限度保つようにしている。

今日は月曜だが、この国は、休日となっている。
ほとんどの店は閉まっていたが、ガランとした町を、靴磨きの子どもや、タバコ、菓子、コーヒーを売り歩く人をあちこちで見かけた。

二、三人の若い連中と話して察したところ、パラグアイは、物価が高い割に仕事が少なく、そして安い賃金のような気がする。
それが、町を歩くとよく分かる。



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