留学日記#10:オランダ生活Tips①国鉄編
みなさんお久しぶりです。こちらにきてから3ヶ月半が経ちました。だいぶ慣れてきたと思っていたら、もう留学の期間も半分を過ぎていて、あと残すところ2ヶ月です。ここから先はきっとあっという間に過ぎていくと思います。
オランダでは3回目の接種がかなり進んでいて、コロナも相当抑え込めているようです。(もっとも、もうコロナに感染しても申告しない人もいるので、数だけではあてになりませんが。)いずれにしても、もう街でマスクをしているのは一部の観光客ですし、もうCoronaとかCovidというワード、そのCの文字さえ聞くことはほとんどないです。もうコロナは終わったことになっていますし、たとえまた次感染拡大しても、「いずれ収まるでしょ」って感じで誰も気にしないと思います。さすがヨーロッパ。日本に帰ってからまたマスク生活ができるか不安な許この頃です。
こっちにきてから、思うことが多すぎて、日記というか独り言を垂れ流すだけになってしまっていたような気がします。そこで今回から3回くらいかけて、オランダでの生活がどんな感じか、紹介してみたいと思います。まずは、僕の好きな電車から!
アムステルダム、というかオランダで生きていくなら、国鉄・メトロ・トラムが使いこなせれば十分です。まあ実は、特に都市内移動であれば、どれも使わずに移動はできるんですがそれはまた後で書くことにして、とりあえず簡単に1つずつ見ていきましょう。
国鉄(NS:Nederlandse Spoorwegen)
都市間移動に使うのがオランダ国鉄。まあ日本で言うJRを想像してもらえれば結構です。ちなみにJRも1989年に民営化されるまでは国鉄でした。
こちらは昨日訪れたハーレム駅。昔の建物をそのまま使っています。「Haarlem」の駅名だけ妙に新しくて、変な感じがします。
①電車の種類
基本的には次の2つの種類の列車があって、それぞれ異なる車両が用いられています。
1)Intercity:大都市間を走る急行(快速)列車。主要駅にのみ停車する。
Intercityに使われる列車は2階建ての車両が多いです。
2)Sprinter:日本で言う各駅停車ないし普通列車。短距離区間に設定され、すべての駅(一部通過あり)に停車する。
(フローニンゲン駅で撮影)
基本的には、このIntercityとSprinterは接続も良く、この2つさえ使いこなせればかなり便利に移動できますが、一応他にこんなのもあります。
3)Sneltrein:IntercityとSprinterの間、日本でいう「快速」「準急」のような列車。アムステルダムではまだ見たことはありません。
4)Intercity Direct:Intercityよりもさらに停車駅が少なく、短時間でアクセスできる列車。物によっては追加料金が必要みたいです(要確認)。
②チケットの買い方
続いてチケットです。チケットを買うには、駅の券売機で購入する方法と、オンラインで購入する方法の2種類があります。こちらにきてびっくりしたのは、ヨーロッパではE-ticket化が進んでいるということ。オンラインでチケットを購入して、そのQRコードをかざすだけで改札を通過できます。(すごい!)そして、券売機で買うと印刷の手数料がかかるので、オンラインで買うより1€高くなります。なのでオンラインの方がいいですね!
紙のチケットはこんな感じ!
それ以外に、OV Chipkaartという、日本で言うICカードのようなものもあります。多分オランダ全土で使えるようになっていて、事前に金額をTop Up(チャージ)して、乗る時と降りるときにカードをタッチすることで運賃を支払うやり方。乗り越しが起こらないように、国鉄に乗るには最低20€のチャージがないとチェックインできません。カードは、駅の券売機でチャージできます。これは便利ですし、毎回チケットを購入する手間が省けるので、オランダに住むなら必携です。
チケットを買ったら、改札にタッチします。改札に入ることを英語では「Check-in」出ることを「Check-out」と言います(これ知らなかった)。田舎の駅や無人駅に行くと、自動改札がなくてもcheckoutできる駅もありますが、そこでCheck-outを忘れると、自動的に€20がチャージから引かれてしまいます。スキポール空港には自動改札がないので、うっかりOV Chipkaartをタッチし忘れて、知らない間にチャージが0€になっていたことが二回くらいありました。ご注意を。。。
アムステルダム市内はほぼ全駅に改札がありますが、郊外や田舎の方に行くと、無人駅で自動改札がない駅もあります。基本的にヨーロッパの鉄道は信用乗車方式(乗客がチケットを自己管理する方式)をとっているので、その気になれば改札を通らずに無賃乗車も可能なのですが、その代わりにチェックも厳しいです。自動改札がない区間では抜き打ちで検札が行われ、無賃乗車がバレた場合には50€の罰金が課されます。結構ルールには厳しいです。僕もOV Chipkaartがうまくタッチできておらず、検札に捕まりかけました。そういうわけで、オランダでは無賃乗車はできないと思ってください。(他の国ではみんな無賃乗車している国もあるようですが・・・?)
無人駅にはこんな感じでカードのタッチパネルだけ置いてあります。チケットのチェックはありませんが、抜き打ちで検札が来ます。
③列車の中は?
日本みたいに8両編成、10両編成、ましてや15両編成の列車なんてありません。だいたい4〜6両編成で、長くても8両かな(いや、8両もない?)。アムステルダム自体首都は首都ですがそこまで大きな町ではなくて、地方都市みたいなものなので、そこまで列車が混み合うこともありません。
ほとんどの列車は、1等車と2等車に分かれています。日本で言う普通車とグリーン車みたいなもんです。国内を走る列車は、intercityであっても座席指定はほとんどなく、全席自由席です。1等車に乗るには、1等車用のチケットを買わないといけません。2等車の1.5倍くらいの値段だったかな。まあ、ちょっと覗いてみましたが、元々国鉄料金が高いのと、そんなに1等車も豪華じゃないので、わざわざ高額を払って1等に乗る必要はないかなと思います。
そしてオランダの列車は、WiFiやコンセントの整備が進んでいて、多くの列車に設置されています。長距離列車にはほぼすべて。これにはびっくりです。
あと、プラスの料金を払うと、列車内に自転車を持ち込むことができます。そしてご丁寧に列車内に自転車を置くスペースも用意されています。さすが自転車大国オランダですね。
④オランダの運賃事情
これは割とヨーロッパ全体に言えることですが、オランダも例に漏れず電車の運賃は高いです。今日はアムステルダムから隣町ハーレムまで行ってきましたが、急行で15分の距離で運賃は€4.60(約600円)!品川から横浜まで20分東海道線に乗っても、せいぜい300円ですよね。運賃は日本の約2倍です。なので、できるだけバスを使うようにしています。
バスは安いです。この前はアムステルダムからデン・ハーグまで行ってきました。Intercityで50分くらいなので、ちょうど東京から東海道線に乗って藤沢に行くくらいの距離でしょうか。この距離なら日本だと990円ですが、こちらですと€13(1700〜1800円)!ほぼ倍です。ただ、本数は少ないですがFlixbusという格安高速バスを利用すると、€5(700円)で移動できます。こっちの方がよっぽど安いですね。
⑤よその国へ行くには?
もちろん、他の国の都市へ向かう列車も運転されています。例えば、ベルギーのブリュッセル、フランスのパリへ行くには、Thalysという高速特急(新幹線みたいなものです)がアムステルダムまで乗り入れています。ドイツに行くにも、DBというドイツ国鉄のIntercityが乗り入れています。電車は高いですが、速くスムースに移動できるので、電車で国境を移動する人も多いです。
今はシェンゲン協定に加盟している国であれば(超大雑把にいうとEU内であれば)、特にチェックなく国境を越えることができます。コロナで一時的に国境横断が制限されたようですが、今はもう元通りのようです。3月にドイツからオランダまで列車で帰った時も、パスポートチェックはありませんでした。
ドイツの国鉄DBも乗り入れています。こちらの基調は白と赤。食堂車(カフェテリア)もついていて、ちょっと豪華な感じがします。
⑥おまけ:夜行列車
日本ではすっかり廃れてしまった夜行列車・寝台列車ですが、ヨーロッパでは最近寝台列車が復活の傾向にあります。それは環境への配慮からです。近年では、列車で 時間以内で移動できる距離については、飛行機の運行を禁止する法律が施行され、電車やバスを利用した、よりeco-friendlyな旅行が推奨されるようになっています。夜行列車が復活しているのもそうした理由からですし、夜行列車を利用する人が多いのも環境への配慮を理由に挙げる人が結構いるようです。全体的に、ヨーロッパでは環境に対する意識が強いですね。
あと、何よりも夜行列車のいい点は、ホテル代と時間を浮かせられることです。アムステルダムからはウィーンとチューリッヒまでの直行便が出ています。20時にアムステルダムを出て、次の日朝起きたらスイスにいられるなんて、素敵ですよね。座席車の他に、Couchette(4人用寝台)、Bed Cabin(1〜3人用個室)があって、Couchetteであれば最安値€49から乗れます。日本で寝台列車に乗るよりずっと安いです。
来月スイスに行くのですが、せっかくなのでチューリッヒまでの寝台列車を利用することにしました。Couchette(6人寝台)朝食付きで片道€69.90(9600円くらい)。日本で寝台列車に乗ると、乗車券+特急券+寝台券で最低15,000円はするので、これで移動費と宿泊費をカバーできると考えれば、かなりお得ですね。ちなみに、ヨーロッパの鉄道は日付や時間帯によって、運賃が異なります。大まかにいうと、早く予約すればするほど安くなります。また、時間帯によって運賃が倍になったりするので、旅行の時間帯に注意が必要です。
日本ではここ20年くらいでどんどん廃止になってしまった寝台列車。今日本で残っているのは、東京〜岡山〜出雲市/高松を走るサンライズ出雲・瀬戸のみ。ヨーロッパで寝台列車の旅情を味わうのも、いいのではないでしょうか。あ、ちなみにサンライズは当分大丈夫だと思いますが、こちらも中国・四国へ旅行する機会があれば是非乗って見てほしいです。
夜行列車のリポートもまたいずれしますが、どうやら国鉄だけで書き過ぎてしまったようなので、地下鉄やトラムのことはまた回をあらためてリポートしたいと思います。あと、自転車のことも書かないとですね。それではまた!