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道路編【素敵な建築確認申請書】シリーズ

(5011文字)

こんにちは、橘たかしです。

 このタイトル画像、実は副業を始めようと一念発起した時に作ってもらったものです。去年の3月頃。作ってもらった後に、冷静に見てみるとちょっと大きく出たなと(^^; しかし、今なら言える。せめて「建築確認の学校」にすべきだったと。

 デザインは素晴らしかったんですが名前負け。

 と、言いながら少しずつ登場(^^;

 そして(?)、これ(どれ?)を機に、使うことにしました!(^^;

(結局使うんかーい)


 今回は建築基準法の「道路」についてのお話です。
 ちょっと専門的な内容になるので「入門編」と「基礎編」に分けてみました。お付き合いできるところまでで構いませんのでよろしくおねがいします!

 音声配信の方が良いという方、もしくは聞きながら読みたいという方はこちらをご利用してください。


入門編

 建築基準法「道路」は全部で9種類あります。でも全部覚えなくてもいいです。私も出会ったのはまだ6種類(^^;

 大切なのは、敷地の前にある道が、建築基準法上の

  • 「道路」か

  • 「道路ではない」か

  • もし道路であれば「狭い道路」か

 この3種類です。

 道路じゃなかった場合は、たとえ大きな敷地があっても建築することはできません。

 なぜ道路が重要かというと、もし建物が火事などの災害が起こった時に消防車や救急車がそこまでいかなければなりません。

 そんな時に道が狭いと消火、救助にすぐに向かえなくなります。幅員が2mでも車両は侵入することはできますが、例えば両側に塀があった場合、ドアを開けることもできません。そういう理由で建築基準法では道路の幅員を4m以上としています。

 続いて「狭い道路」について。これは昔からある道のことです。今ではすっかり車社会で車のための道ですよね。でもこれって最近のこと。イギリスで18世紀後半に産業革命が起こり、車が完成するまでの間は、そんなものはありませんでした。なので昔の道は狭いんです。狭いというか狭くて問題がなかったのです。

 しかし、こんな道ばかりあったのでは道路はいつまでたっても広くはなりません。そこでこの「狭い道路」についての折衷せっちゅう案があるんだと思います。

  • 昔からある道で

  • 幅員が1.8mを超える幅員で

  • 立ち並びがあること

 この3つが満足すれば、行政としは道路とみなしましょうってことです。

 これで昔からある建物も引き続き、増築や建て替えなどができるようになります。良かったです。

 ところが、このことによって困る方も現れます。

 それは、そこの土地の所有者です。

 所有者からしてみれば、今まで自分の敷地だった部分が一部とはいえ、42条2項とみなされた時点で、その部分が道路として取られてしまいます。もちろんその部分へは今後増築などはできません。

 それだけならまだ建物が建てることができるという交換条件で納得するしかないと思えるかもしれません。

 ところが、そこにすでに建っている塀や門などがあった場合はどうなります?

 そう、道路の中に入ることになります。当然そんな場所ありませんよね。

 つまり、撤去です(^^;

 これは痛いと思います。壊して道路部分まで控えて再度建てることになります。

 だから、この問題は大きいのです。そしてよく揉めます。こちらに相談をされてもどうすることもできないのですが、これは法律で決まっているんです。

 だから「道路」って重要なんです。

 あなたの住んでいるお家やアパートはどうなっておりますか?

 そんな理由があって道路に接しているんだなぁって思ってみてください。この道路は建築基準法の道路なんだと(^^;

 この話を楽しいと思うのは難しいと思います。ただ、少し前に聞いた話をここに書きます。

 専門家の人が、楽しいという話、全然楽しくなかったりしますよね。それは仕方がないのです。専門家の方は、専門的な知識を学ぶことにより、分かることが増え、知識と知識が重なって、それがつながっていき、楽しくなっているんです。

 だから、その話をどれだけ楽しいと熱弁されても、知識を知らない人が聞いても楽しいはずがないんです。

 だからこそ、知識を増やさないといけないのですよね。知識を増やすことが楽しさの入口なんだと教えてもらいました。

 なので? これからも少しずつ?知識を出していきます。

小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道

イチロー

基礎編

 さて、それでは基礎編に入ります。
 いきなりぐっと上がっていますが、音声配信でも同様の現象が起こっていると思います(^^;

 心して読むべし!^^;

 現在は道路について、役所やネットで公開されているものを活用して、道路の種類を調べなければなりません。

 ひと昔前の確認申請ってただ「道路」って書けばよかったんです。「(法42条)2項道路」も後退線の明示をするぐらいですんだ。

 しかし、そんな時代に終止符を打ったのは

 通称「姉歯事件」。姉歯事件とは、2005年11月17日に国土交通省が千葉県にある建築設計事務所の姉歯秀次一級建築士の構造計算書の偽造していたことが発覚し公表された事件です。

 ここで「偽造」と「偽装」の違いについて
 「偽造」は「いつわって」「つくる」こと。
 「偽装」は「いつわって」「よそおう」こと。

 今回は

 構造計算書を「いつわって」「つく」っているので構造計算書「偽造」となります。

 耐震性を「いつわって」「よそお」っているので、耐震「偽装」となります。

  この事件をきっかけに、建築基準法はかなり厳しくなったんです。法改正もあったけど、それ以上に厳格になったんです。申請書の誤記ですら、取下げ再申請(再度手数料発生)。あの時は本当にひどかった。2年ぐらい続いたでしょうか。その時に道路の種類もはっきりと書かないといけなくなったんです。それが今でも続いています。

 それでは、道路の種類の説明です。入門編では飛ばしましたが、ここではご紹介します。

建築基準法第42条(道路の定義)

「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員4メートル以上のもの

 道路法(昭和27年法律第180号)による道路
 都市計画法等による道路
 現に存在する道
 四号指定道路
 位置指定道路

法42条2項 現に建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは道路とみなす(「みなし道路」ともいいます。入門編で登場した「狭い道路」)

法42条3項 特定行政庁指定道路(法42条2項の緩和)

法42条4項~5項 ・・・書けん。

ざっくりこんな感じ。

1番から説明をしていきます。

①42条1項一号 道路法(昭和27年法律第180号)による道路

 道路法の道路っていうのは、国道とか県道、市道など一般的に舗装されているものが大体そうです。(あくまで目安)

②42条1項二号 都市計画法等による道路

 代表格は、開発した道路や土地区画整理法の道路。更地だったところに突如、店舗や住宅などが複数戸建ったりする場合で、道路と一体的に小さな町ができる感じ。

③42条1項三号 現に存在する道

 昔からある道路は、これ道路なの?って思うものも、昔から4m以上の幅がある道なら、そこは引き続き道路としてあげましょうっていう道路。

④42条1項四号 四号指定道路 2年以内に工事が開始する予定のもので特定行政庁が指定したもの

 2年以内に工事が終わると道路になる部分っていうのは・・・、突然大きな道路ができたりしたことないですか? 道路が一車線から二車線になったりとか、上空に立体交差の道路ができたりとか。

 そういうことってもうずいぶん前から計画は決まっていて町ごとに都市計画図っていうものがあり、その中にきっちり書いてあったりします。敷地の調査やら、立ち退きやら地盤調査やらと色々進んできて、もうじき事業が本格的に開始しますよっていう段階、それが2年。そこはまだ道路らしきものがないってこともあるんだけど、道路としてみてもいいですよって感じです。

 これの何がいいかって、建物を建てる時って、原則敷地が道路に接していなければなりません。なので、工事中の部分が道路じゃなかったら、建築確認上は道路に接していないことになるので、建築できなくなるんです。

 だから、この道路を四号指定道路って呼んだりします。特に立ち退きしなければならない方は、お金はもらえるけど、次の住まいを探さなきゃいけませんよね。全然違う場所へ行かれる方もいらっしゃいますが、道路分減っても今の敷地に建てる方もいらっしゃいます。そのためにもやっぱり早く道路っていうことにしてくれないと建てることができませんよね。そんな道路なのです。

⑤42条1項5項 位置指定道路

 道路位置指定ともいいます。これは、私道しどうなんだけど、関係者みんなの同意を得て道路にするものです。②「都市計画法等による道路」と似ている感じなのですが、規模が小さいのが特徴です。

 昔の「@@住宅」とかそういうのを見たことがないでしょうか。道を挟んで両側に同じような建物が何棟も並んで建っている場所。

 このメリットはやっぱり奥へ長細い比較的大きな敷地(500㎡程度)がある場合に有効な手段です。真ん中に4m以上の道を作って、敷地が広ければ両側、敷地が狭くても片側に住宅を複数戸、建てることができます。

 デメリットとしては、私有地を道路として指定するため、共同の持ち分だった時に、次の代、その次の代と、元々の経緯を知らない世代になると自分の土地所有地を主張して、その部分を使わせない!みたいなことになったりします。たまに私のところ(民間の確認検査機関)にもこういった相談はあります。どうすることも出来ないのですが、これは最初からそうなる可能性のあるルールなのです(^^;

⑥42条2項 2項道路(入門編で登場した「狭い道路」)

 「2項」といえば、法42条2項道路のこと。確認申請関係者の中は「2項」と言えばこれ。各条文に「2項」はたくさんあれど、圧倒的な知名度ですね(^^; とりあえず道路の幅員が4mないような道を見つけたら、その道に2つ以上古い建物があるかどうかを確認してこうつぶやいてみてください。

「あっこれ、建ち並びもあるし、2項にこうかもね」

 って。もうプロと言ってもいいです(^^;

法42条3項 特定行政庁指定道路(法42条2項の緩和)

 「3項」道路は、「2項」道路よりもさらに狭い幅員の時に特例として緩和しようというものです。小京都と呼ばれる昔から栄えていた街並みが今もなお残っている場所に多いです。私が知るうる限りでは尾道しか知らないです。音声配信では「2項」の時に説明しておりますが、「2項」はどこでもありますが、「3項」はめったにお目にかけません。「3項」道路は、貴重な道路なのです。当然住むには不便ですけどね(^^;

法42条4項、5項 6m指定区域内の道路

 これはもう私には説明できません。実際に見たことがないので(^^; 建築基準法では道路は4m以上必要なのですが、積雪が多い地域では、除雪のために幅員をもっと広くしなければいけません。そこで6m区域というものを指定しているそうです。

 そこでこの項では、6m区域といいながら現在は6m未満の道だったりするところを、4m以上あれば「4項」道路、4m未満であれば「5項」道路ということで、引き続き道路として使ってもいいよということ・・・のようです(^^;


 まぁそんな感じで道路って奥深いのです。まだまだ一部しかお話しておりませんが、この部分を抑えてもらえれば、基本はばっちりです!

 あとは、引き続き建築確認についての記事を読んでいけば、いずれ当たり前に使えるようになっていくでしょう?

 お疲れさまでした!
 最後に今日学んだことをまとめておきますね。

知識を増やすことが楽しさの入口です!

 最後まで読んでくれてありがとう!
 今日も建築確認日和です♪


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